新国立劇場、アレックス・オリエの新
演出でオペラ『カルメン』を上演

2021年7月3日(土)~19日(月)新国立劇場オペラパレスにて、新国立劇場 2020/2021 シーズンオペラ『カルメン』が上演されることがわかった。
世界で人気の高いオペラ『カルメン』。今回、新制作で演出を手掛けるのは、スペイン・バルセロナ出身の演出家アレックス・オリエ。スペインの前衛的パフォーマンス集団ラ・フーラ・デルス・バウスの6人の芸術監督のひとりであるオリエは、大規模な野外イベントや演劇など広い分野で活動している演出家だ。近年オペラの演出で特に活躍し、ザルツブルク音楽祭、パリ・オペラ座、モネ劇場、ミラノ・スカラ座など世界の歌劇場で話題作を発表。オリエの音楽的感性、大胆な発想と求心力、そしてダイナミックな空間演出は、日本でも19年に新制作し国内各地で上演された『トゥーランドット』で証明している。
アレックス・オリエ
オリエの解釈では、カルメンは現代的で知的、勇気と反骨心を持って自由に生きる女性であり、ホセは独占欲が強く、嫉妬深く、拒絶を受け入れられない男。こうした性格の二人が出会い、恋に落ちることはどこででも起こり得ること。そんなオリエならではの深い読み込みと圧巻の舞台展開による新演出『カルメン』がこの度、誕生する。
『カルメン』セットデザインより
本作では、活気あふれる前奏曲、カルメンの登場で歌われる「ハバネラ」、ホセを誘惑する「セギディーリャ」、フラメンコを踊りながら歌われるスペクタクルな「ジプシーの歌」、華やかな「闘牛士の歌」など誰しもおなじみの名曲にのせ、自由奔放な女カルメンと一途な男ドン・ホセによる愛と死の運命のドラマが繰り広げられる。そしてビゼーの音楽にはフランス・ロマン派の魅惑的な響きと、スペインの民族色を取り入れた情熱的な音楽が融合し、観客を熱狂させる。
指揮には大野和士オペラ芸術監督があたり、オリエとタッグを組んで、劇場を情熱の渦に巻き込んでいく。カルメン役にはフランス・オペラを得意とし、演技力にも定評のあるフランスのメゾ、ステファニー・ドゥストラック、ホセには新進テノールのミグラン・アガザニアンが登場する。
【『カルメン』あらすじ】
【第1幕】タバコ工場前の広場には女工目当てに男たちが集まっている。彼らの一番人気はカルメン。奔放な態度で男を魅了するが、衛兵の伍長ドン・ホセは彼女に関心がない。そんなホセをからかってカルメンは花を投げつける。呆然とするホセのもとに、母の手紙を持って故郷から許婚のミカエラが来る。懐かしさに浸っていると、工場内で喧嘩が勃発。騒ぎの張本人カルメンは連行されるが、脱走しようとホセを誘惑。「酒場で待っている」との言葉に負けたホセは縄を解き、結果、脱走補助の罪で捕まってしまう。
【第2幕】酒場に人気闘牛士エスカミーリョが来てカルメンを口説くが、彼女は相手にしない。釈放されたホセをカルメンが踊りでもてなしていると、帰営の時刻に。カルメンを愛していながらも帰ろうとする真面目なホセだが、鉢合わせした上官スニガに刃向かってしまう。スニガはカルメンの密輸団仲間ダンカイロらに捕らえられ、ホセは密輸団に加わる決意をする。
【第3幕】人気のない岩山にいる密輸団。カルメンはすでにほかの男に心移りしているようで、ホセにつれない態度を取る。女たちはカルタ占いに興じるが、カルメンが占うと、自分もホセも死ぬという結果に、愕然とする。そんなとき、ホセの母が危篤だとミカエラが知らせにやってくる。ホセは、ミカエラとともに故郷に帰る。エスカミーリョの恋人になったカルメンは、試合を見に闘牛場へ。ホセも故郷から戻り、彼女を探していた。闘牛場の外で対峙する2人。やり直そうと迫るホセに、カルメンは、自由に生まれて自由に死ぬと言い放ち、ホセからもらった指輪を投げつける。思い余ったホセはカルメンを刺す。ホセは、倒れたカルメンの上に泣き崩れる。

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

新着