歌の力でがんへの理解と支援を!Roc
k Beats Cancer FES vol.4に涙-NAMI
DA-・Negicco・LinQ・麻美ゆま・より
子・GILLEが登場

「Rock Beats Cancer FES」は、がん患者への支援・疾患の啓発・研究支援などを目的とし行われているライブイベントで、今回で4回目を数える。特に、十分なケアを必要とされながらなかなか支援の手が行き届いていない、小児がんや若年性がんへのサポートに力を入れている。今回は“Girls Session”と銘打ち、出演アーティスト全6組全てが女性というラインナップ。会場には、出演アーティストのファンやがん支援を志す人など、様々な人が集まった。

まず登場したのは、8人組アイドルユニット・涙-NAMIDA-。「涙、リキッドルーム響かせるぞ!」の掛け声とともにステージに上がり、「君に逢いたくて」から始まる全4曲で会場のボルテージを上げた。4曲目の新曲「二度目のラブレター」では、会場に向かってラブレターを差し出す一幕も。彼女たちの一番の魅力である重厚なロックサウンドとアイドルらしいさわやかな歌詞、そして歌声で、トップバッターという重積を見事に果たした。

バトンはアイドルからアイドルへ、2番目は今年でキャリア11年目となるNegiccoのステージだ。フロアに「ネギサイリウム」が溢れる中、「新しい恋のうた」でスタート。「ときめきのヘッドライナー」「トリプル!WONDERLAND」といった人気曲を交え、持ち前のポップな世界観で会場を包んだ。もちろん、「圧倒的なスタイル」ではステージ・フロアが一つになってラインダンス。「歌で元気を与えたい」(Nao☆)という目標通り、詰めかけた観客みんなを笑顔にした。

3番目に登場したのは麻美ゆまさん。セクシー女優として活躍していた一昨年、卵巣に境界悪性腫瘍が見つかり闘病生活を送った。現在はその経験を伝えるため、積極的に婦人系がんの啓発活動を行っている。そんな彼女が今回、メッセージを伝える手段として選んだのが歌とギター。LADY GAGAの「BORN THIS WAY」やジャクソン5の「I want you back」といった曲を英語で歌ったほか、自身がかつてリリースしたオリジナル曲を復刻して披露した。魂をぶつけるかのような、彼女の歌声。会場は大きなクラップで、そのソウルフルなパフォーマンスに応えた。

続いてステージに上がったシンガーソングライター・より子さんも、がんとの闘いを経験してきた一人だ。より子さんは2歳で卵巣腫瘍が見つかり、歌手としてキャリアを積み始めた22歳の時にもう片方の卵巣からも良性腫瘍が見つかった。そうした闘病経験の中で、周囲の友人や家族の支えの大切さに気付いたという。この日最後に歌った「愛」は、という思いから作られた一曲。彼女の病との人生をともに歩んだお母さんのことを想い「特別な絆で結ばれたパートナーのことを歌にしたい」という気持ちで作られた一曲。彼女の渾身の歌声と歌詞は、多くの観客の胸を打った。

今回は7人体制のLinQは5番目の登場。現役医学部生で第55回日本肺癌学会学術集会の親善大使を務める秋山ありすさんを擁することもあり、今回のようながんの啓発活動に積極的なグループとして知られている。セットリストは全6曲。まずは「fighting girl」「for you」といった曲でしっかりとエールを送り、「冒険」「チャイムが終われば」「カロリーなんて」といった盛り上がり必至の超アッパーチューンで会場の興奮を爆発させた。最後はおなじみの「祭りの夜」で締めたが、ここで一ノ瀬みくさんが“LinQ MIX”を間違えるという珍しいシーンも見られた。

トリを飾ったのは、ソロ歌手として活躍するGILLEさん。洋楽歌手かと思うようなパワフルかつ流暢な英語ソングを歌いながら、MCでは宮崎弁全開で話す、そのギャップが魅力だ。今回も彼女のブレークのきっかけとなったAKB48「フライングゲット」のカバーをはじめとする全5曲を披露した。また、最後は麻美ゆまさんが再び登場。同い年だという2人は、今回の共演に先駆けて麻美ゆまさんがGILLEさんのライブへ行くなど、交流を深めたという。そして、特別ユニットとして2人がGILLEさんの「Try again」をデュエット。歌詞に自らの道のりを重ねた麻美ゆまさんが思わず涙ぐんでしまう一幕もあり、会場は暖かい拍手で2人のスペシャルステージへの賛辞を送った。

最後は出演アーティスト全員で「Don’t stop believing」を歌い、締めくくられた今回のイベント。6組の想いを込めたステージは、言葉で伝えるよりも時には強い、歌の力を感じさせてくれた。がんへの理解を深め、恐怖におびえる人へ手を差し出せる世界へ。6組の歌の力は、その歩みを一歩進めてくれた。

LinQの一ノ瀬みくさんは「“Rock Beats Cancer FES”には昨年の7月7日に日比谷で開催されたFESにも参加させていただいたんですけど、その時はすごいRockのグループの皆さんの中で2曲だけやらしてもらったんですけど、今回は女性の皆さんだけでということで、曲も結構多めにやらせていただいて、すごい盛り上がってくださって、本当にすごい人たちとライブができて嬉しかったです。私たちはLinQはキャンサーネットジャパンさんと小児がんと若年性がんの啓発のイベントに何度かご一緒させていただいてるんですけど、こうやって大きいイベントで私たちLinQが力になれるということが本当に嬉しくて、またこういうイベントができたらいいなと思います。」

LinQの岸田麻佑さんは「同じ女性として人ごとでは無いなという思いがあって、イベントに参加することによって、私も一緒に色んなことを知れるし、ファンの人にも伝えられるので、イベントの回数を重ねることに自分が喋れることが多くなってることにビックリしてます。海外ではチャリティイベントはたくさんあるけど、日本はまだ少ない方なので、私たちがきっかけでもいいので、そこから広げていければいいなと思ってます。」

LinQの松村くるみさんは「私たちなりに、アイドルのファンだったり、私たちが伝えれる方々には、この啓発活動のことをこれから知っていただきたいし、是非九州の方でもこういうFESをやっていただけたら私たちLinQも参加して、ライブを見に来てくださってる方に色んなことを知ってもらえたらと思います。」

涙-NAMIDA-の鈴木菜絵さんは「このライブのテーマである小児がんだったり病気について本当に無知だった自分がいて、このイベントに出演することが決まったと同時にすごく学びたいという気持ちになって、色々と調べるうちに、出演する前とあとだと、全然病気に対する見方や考え方が変わったので、すごく自分の人生にとっても貴重な体験になりました。」

涙-NAMIDA-の橘真里奈さんは「このライブに出てから、少しでも病気の方とかに元気を与えたり、諦めちゃだめだよという気持ちを伝えたいなと思いました。」

涙-NAMIDA-の星乃綾菜さんは「保健の授業で病気のことを習ったことがあるんですけど、このイベントの出演が決まって、ライブで元気を与えられたらと思いました。」


NegiccoのNao☆さんは「Negiccoの限られた時間の中でNegiccoのアピールもできたし、皆さんの笑顔がステージから見て返って来たのが嬉しかった。」

NegiccoのMeguさんは「Negiccoの明るい歌だったりというメッセージが皆さんに届いていただけたら嬉しいなと思いました。」

NegiccoのKaedeさんは「私はステージに立ってる時に、歌ったり踊ったりする時にすごい幸せだなと思ったりするんですけど、幸せだなと思う気持ちを皆さんと共有できてたらいいなと思いました。」とそれぞれ乾燥をコメント。

がん検診を受けたエピソードがあるか質問したところ、LinQの岸田麻佑さんは「私、ちょっと前に体調がわるくなって、がんかも知れないから検査をしたことがあるんですけど、まさか自分が検査を受けることになるとは思ってなかったのでびっくりしました。自分の身体のことを知ると思って、病院に行くのは嫌だと思わないで欲しいなと思いました。」と語ると、LinQの一ノ瀬みくさんは「早く見つけることが大事なので、LinQのメンバーもちゃんと検診を受けようという体制になっていけたらいいなと思います。」とコメント。

涙-NAMIDA-の橘真里奈さんは「私、1回胸の病気みたいなのになってるので、自分自身も1度病院で検診した経験があるので、患者さんの気持ちをもうちょっと伝えられるように知識を深めたいと思いました。」と語ると、NegiccoのMeguさんは「がん検診も若いから行かなくていいやと思って受けないんじゃなくて、自分たちもちゃんと受けていかなきゃいけないなと思ったので、そういうことを地元でも広めていけたらと思いました。」と語っていた。

この日のイベントでは、ライブ終了後に出演者が募金の呼びかけを行った。尚、募金やライブの収益金は、樋口宗孝がん研究基金(MHF)に寄付され、小児がんの疾患啓発および治療研究に活用される。

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