「野村義男のおなか(ま)いっぱい お
かわりコラム」16杯目は、1年半ぶり
のニュー・アルバムをリリースしたF
IVE NEW OLDが登場

ギターをこよなく愛するギタリスト・野村義男が、沢山の仲間を呼んでおなかいっぱいの内容でお送りする対談形式のコラム。おかわり16杯目は、1年半ぶりのニュー・アルバムをリリースしたFIVE NEW OLDからHIROSHIWATARUが登場。
野村:今回のゲストはFIVE NEW OLDからHIROSHIさんとWATARUさんのお二人が登場です。宜しくお願いします!
HIROSHI・WATARU:宜しくお願いします!
野村:2019年の8月振りだって僕たちが会うのは、1年半ぶり。
HIROSHI:随分経ちましたね。リリースのたびにラジオ番組にお邪魔してたんで、2020年はなかなかお会いする機会がなかったですよね。僕たちにとってリリースする事と義男さんにお会いするのが同義だったので。
野村:嬉しいこと言ってくれる。
HIROSHI:なので、この会がないとちょっとそわそわするというか。
野村:また飲みに行こうよって言いたくなるよね。前に行ったのがもう2年前とかだもん。
WATARU:えっ、あれで2年とかなのか。
野村:多分2年ぐらいたってんだよ。だってそのあとにリリースした曲にちょっと日本語が入ったね!って話になったんだもん。だから、それのレコーディングに入る前なのか、その時期だったのかに、地下の秘密のおいしいごはん屋でね。
HIROSHI:あそこで僕、お酒ってボトル入れるとこんな楽しいんだって思ったんです。
野村:そんなのは覚えなくていいよ(笑)。
HIROSHI・WATARU:ははは(笑)。
野村:前回のアルバムをリリースして、ふっと気が付いたらこのコロナ状態になってね。
HIROSHI:そうなんですよ。たしか前の時はまたツアーだねって、全国のおいしいお店の話とかしてましたよね。
野村:ホントだよね。またツアーがあったところで、そのおいしいお店が潰れてる可能性あるんだよ。
HIROSHI:いやホント変わりましたからね。
野村義男
野村: 実際FIVE NEW OLD 的には何か変わりましたか? この2020年を乗り越えてきて。
HIROSHI:2020年は凄く大きく変わりましたね。バンド的には日本詞でやりきるっていう曲がアルバムに増えたし。何よりも、個人としては役者をやらせていただくっていうのが一番大きかった。
野村:あっ、「3Bの恋人」だっけ? 役者初体験なわけだと思うけど、実際音楽との違いとかどうでした?
HIROSHI:やっぱり音楽は常に一定で、曲のBPMの中にリズムやテンポがあるじゃないですか。そこに前ノリとか後ノリとかグルーブがあって。でもドラマの場合は、その一つのカットの中にそのすごい変則的なリズムがあって、お芝居を一緒にやる方によって間の取り方が違ったりとか。
野村:あー、そうだよね。
HIROSHI:だから、台本の中でも自分だったらこのタイミングで言って、このタイミングで返ってきてイメージしてるのが、実際やってみると場面や人によって全部違いますよね。
野村:イイ感じのセッション?
HIROSHI:セッションでもあるし、レコーディングでもあるなと思いました。こうやっておしゃべりしてるのを、義男さんの顔を抜く為のカットと、僕の顔を抜く為のカット、これだけでも2回撮るじゃないですか。あと2人を映す為の引きのカットを合わせると3回撮るんで、いいものを作る為に何回も同じことを重ねていくっていうので、あっこれはなんかドラマってレコーディングだなって思って。
野村:じゃあいい体験をしたのかもしれないね。今後の音楽活動に対しても。
HIROSHI:そうですね、間の取り方っていうのを凄く勉強しました。
WATARU:それやらなわからへんやつ(笑)。
野村:ね、分からないよね。音楽的に言う間の取り方っていうのは、溜めとは違うからさ。
HIROSHI:確かにそうですね。溜めるともまたちょっと違って、ライブパフォーマンスとしての動くべき所と、動かない所っていうか、そういうのはお芝居から結構学んだ部分もあるかなって思います。
野村:色々やることがあるっていうのは幸せですよね。
HIROSHI:2020年は世界的に大変だったんですけど、バンドの方ではアルバムを作らせて頂いて、ライブ出来なくなってどうしようっていうタイミングではお芝居の話を頂けたので。30歳にして新しい事にチャレンジ出来るのは凄くありがたかったです。
野村:なんか大人になっちゃったじゃん。新しいアルバムも聞いたんだけど、音楽的にも大人になったよね。
HIROSHI:本当ですか?
野村:僕が楽しましてもらったのが、情景インストだよね。画を変える為とか、次に行く為のインストとか、そういうインストがちょいちょい入ってるのと、日本語がまだ入ってるのも嬉しかった。
WATARU:ありがとうございます!
野村:片っぽに偏ってないぜみたいな。インスト曲に関してはさ、ちゃんと音楽を作っているから、ボーカルがなくてもバンドなんだよって、そういう表現法なのかなと思って。凄くロックな曲もあったんだけど、どっちかっていうと皆こんなの作れないでしょ?みたいな曲があった、大人だな~って(笑)。
HIROSHI:まさにその通りですね。10年目でちょっと大人の階段上ったかなって。
野村:いやいや、FIVE NEW OLDは最初っからハイクオリティーな音楽しかやってないから。すっごい素敵だなって思いましたね、それに曲いっぱい作ったのね。
HIROSHI:最初は10曲入りぐらいのコンパクトなアルバムにしようよ、なんて言って作ってたんですけど。去年レーベルを移籍して新しいチームになって、ありがたい事にタイアップのお話とかもたくさん頂いて、あれよあれよという間に曲が増えてきたんです。そこには明るいエネルギーな曲も多かったので、アルバムとしては色々な側面を見せたいって思って、インストとかを混ぜてスムーズにアルバムを聴いていただけるようにと思って。
野村:ああやってインスト入ってるだけでワクワクするね。これインストですよって情報がない状態でスルーって聞いてたんだけど、そうすると次どうなるのかなって思ってたらインストなの。歌はまだ?みたいな。
WATARU:(笑)。
野村:そういうのって、最近普通のボーカリストがやるようなバンドではやってる人たちが少ないじゃない。だからバンドですって気持ちが前面に表れたアルバムを作りたかったのかなって。凄くカッコ良いと思いました。
HIROSHI:ありがとうございます。僕らも義男さんからアルバムの感想聞くと、リリースしたんだなって思いますね。
WATARU / HIROSHI
野村:これレコーディングとかはどうやって進めてたの? ちょうどレコーディング最中は緊急事態宣言とかそういう時期だったんじゃないかと思うんだけど。
HIROSHI:ちょうど夏頃に僕がドラマの撮影をやっていたんですけど、そのちょっと前ぐらいから曲のデモをいっぱい作っていて、僕が撮影してる間にWATARUがアレンジを進めてくれたりして、秋口にかけて一気に録ったっていう感じですね。今まで通りエンジニアさんとスタジオに入ってコンソール通してテープダウン、ミックスダウンしてっていう曲もありますし、お話してくださったインスト曲は逆に今っぽくDTMで完結させてみたり。
野村:そうなんだ。
HIROSHI:あと、ライブは出来ないしメンバーにも会えなかったので、ガレージを借りて。そこに全部機材入れて、ガレージバンドというのを始めたんです。
野村:えーと、意味が分かんない(笑)。
HIROSHI:いわゆるシャッターがあるだけで、打ちっぱなしのコンクリートの車が2台くらい停めれる所なんですけど。事の始まりとしては、ずっと家にいる状態だったから、生活と制作を分けたいねっていう話になって。なんか集まれる場所ないかなって調べてたら、大家さんがどんな使い方してもいいよっていうガレージを見つけたんです。
野村:その大家を紹介しろ(笑)。
HIROSHI:そこにライブ機材を全部入れて、自分たちのデスクトップのDTM機材も全部置いて、そこに集まってアルバムを作るっていう。
野村:そこは音なんか出せる場所なの?
HIROSHI:さすがにドラムを生で叩くとかっていう事は出来ないんですけど、ギターとか歌録りとかは出来る状態になってました。そこで2人でこんな感じで並んでパソコンで作業して、その後ろのソファーにもメンバー2人いて、ああでもないこうでもないって。
野村:もうなんかホントにアメリカ! イギリスっていうよりは、アメリカのロックバンドのやり方だよね。
HIROSHI:そうですね。That's Garage Bandですね。
野村:そのガレージはどうしたの?
HIROSHI:今もありますよ。
野村:そのやり方っていうのが自分たちにとって何かを生み出すっていう形になったってことは、そのガレージはなかなか手放せないよね。
HIROSHI:なかなか手放せないですね。単純にライブで使う機材もまとめて置いておけるので、ちょっとこれ使いたいって思ったらすぐ出せるっていうのも便利だし。皆自転車で行けるぐらいの距離の場所なので、実際にチャリで各々が入ってくるっていうのもありましたし。
野村:良い!素敵だねすごく。確実に楽園だもんね、僕も凄く憧れるもん。ある意味スタジオを手に入れたわけじゃない?
HIROSHI:楽園ですね。是非一度いらして下さい。
野村:お茶ぐらいでる? ガレージだからキッチンとかないんでしょ?
WATARU:お茶は出せますね(笑)。
HIROSHI:キッチンはないんですけど、トイレは付いてます。あと空調もあって冷蔵庫にはビールもいっぱい入ってます。
野村:素晴らしいね、なんかタイミングあったら遊びに行きます。
HIROSHI:はい、是非!
野村:実際そのガレージを手に入れてからは、時間がある人というかなんか作業したい人がそこに来てたっていう感じでやってたのかな?
WATARU:基本的には集まる場所みたいなので使ってるんですけど、僕とHIROSHIの場合はなにか作業とか音を作る時とか、2020年はなんでもそこでやるみたいな感じでやってたんで。このアルバムでいったら、ほとんどの曲はそこで集まって作ってた感じですね。
野村:そういう場所があるからさ、一人で家にいて音楽作んなきゃって一点見つめる感じじゃないんだろうね。それは曲作れるよ、楽しいはずだもん。
HIROSHI:メンバーそれぞれ来る日来ない日とかはもちろんあるんですけど、行ったら誰かしらはいるから、今日何もしてないから行っておこうかなみたいなのもあったりして。
野村:嬉しいよねそういうの、結局お前らここにしか集まれねぇじゃん!っていう事でしょ、お互いに。
HIROSHI:ガレージを借りたのは緊急事態宣言以降なんですけど、ずっと家にいてリモートでメンバーと会えたとしてもちょっと精神的にしんどかったと思うんですよ。でも、皆が一つの空間に集まって笑いながら、しんどいなとか言いながらも曲を作って、結果的にもの凄く充実感のある1年になったのは、そのガレージのおかげだなって思ってます。
野村:そのニュー・アルバム『MUSIC WARDROBE』、初回限定版と通常版とありますが。
HIROSHI:初回限定盤には、今年は頭にあったライブの模様が収まっていたりとか。あと初めての配信ライブも一部抜粋して納めてます。それと、僕キャンプが好きなんですけど、そういう話をしてたらたまたま焚火協会の方と知り合って。
野村:えっ焚火協会!?
HIROSHI:良い音、良いルックスの焚火を提案していくっていう協会なんですけど。その方と一緒に、焚火の前で演奏してる音をバイノーラルマイクで録音したものが収録されてます。
野村:パチパチいってんの?
HIROSHI:そうです。それも普通のキャンプスタックみたいなものじゃなくて、スチールパンみたいな焚火台があって。やっぱりその方がパチンッて音がサスティン伸びたりするんです。
野村:そういうところも音にこだわるんだね。
HIROSHI:それもやっぱり、楽器じゃない方面での音に対するこだわり凄い面白くて(笑)。
野村:焚火も見られますが、ライブ映像とかも入ってますので、初回限定版の方是非ゲットしてください。
HIROSHI:よろしくお願いします!
野村義男
野村:そしてライブがあるんですよね。10周年アニバーサリーライブの振替公演?
HIROSHI:本当は去年予定していたものを、2021年に振替してアルバムのリリースツアーの合間にやるっていう形ですね。
WATARU:凄く久しぶりのリリースツアーなんで。
野村:まだ出来ない人もいるからさ、そこは幸せだと思うよ。是非初日のEX THEATER ROPPONGI(4月9日)の楽屋にある本棚で僕の本探してください。2冊置いてあるので。
HIROSHI:それは楽屋入りしたら読みます!
野村:4月9日から始まって、リリースツアー自体は5月16日までかな? それで、その合間から始まるのがさっき言ってた10周年アニバーサリーライブと。
HIROSHI:そうですね。リリースツアーの合間にはなるんですけど、また全然違った公演を予定してるので、ツアーにいらっしゃる方も是非遊びに来て頂けたら嬉しいです。
野村:人数制限とかそういう規制的なものもまだある状態だと思うんですが、もし来る方は万全を喫してライブの方を楽しんで頂きたいと思います。ツアーやったらまたガレージに籠りますか?
HIROSHI:今年の夏以降はどうなってるのかはまだ分からない状態ですけど、もしまた何も出来なくなっちゃってたら、ガレージに籠ったりするのかもしれないですね。
WATARU:ふふふ(笑)。その可能性は大いにあり得る。
HIROSHI:でも、有難いことに今年はアルバムの中にお茶の間で聞いて頂ける曲が多く収録されているので、より皆さんに届いていくように活動は最大限やっていきたいと思ってます。
野村:2021年に入ってもまだコロナ禍が続いてる状況で、バンドとかアーティストは去年の教訓を生かして色々な活動の仕方とか、生きていく方法っていうのを自分たちなりにやってきてると思うんです。そうなると、大抵の人が配信とかやるんだけどFIVE NEW OLD的にはどうなんですか?
HIROSHI:僕たちも去年やらせては頂いて、距離も時間も超えてライブっていうものを届けられるっていうテクノロジーの良さみたいなのも感じたんですけど、でもカメラの前にお客さんがいると信じてやってはいつつも、曲間や終わりにお客さんの歓声がないっていうのが、やりにくさというか、どれだけ歓声とかその場にいてくれる皆さんに支えられてたかっていう事を感じました。
野村:それが考えられるってことは、素晴らしい勉強をしましたね。やっぱり大人になったんだよ。
HIROSHI:音楽を聴いてくれる方々に対してっていう思いで作ることが、より重みを増した感じがしましたね。
野村:それを続けてるから、素晴らしいと思いますよ。続けることの出来ないバンドとかもいる中、こうやってちゃんとリリースして、ツアーも組めてるし。ライブも含めて新しい形になるかもしれないけど、前に進んでるわけですから。
HIROSHI・WATARU:ありがとうございます!
WATARU / HIROSHI
野村:今や結構売れちゃってるんで、もう来てくんないと思いますけど。
WATARU:いや、そんな事ないですよ(笑)。
野村:ラジオしか聞かない男としては、ラジオでFIVE NEW OLDの曲を結構聞いてるんで。そうすると、こんな売れちゃってもう会えないなぁとか思って。
HIROSHI:僕たちが武道館でやるときは義男さんがゲストでギター弾いてください!
野村:いやいや。僕はちゃんと見てますよ、最前列で!(笑)
HIROSHI:僕覚えてますから、あのおしゃれな地下のお店でボトル飲み交わしながら、武道館の時はゲストで弾くよって言ってくださったの。
野村:え、じゃぁ弾きましょう! でも酔っぱらいの感じだね、余計なこと言ってホントにごめんなさい。
HIROSHI:謝ること何にもないです(笑)。
野村:という事で、皆さんアルバムの方も楽しんで頂いた上で、ツアーの方も遊びに行ってくれたら嬉しいです。去年の振替公演になりますけど、10周年のアニバーサリーライブとかもね、きっとこれまでと違うようなステージングが見れるんじゃないかと思いますので。
HIROSHI:はい!
野村:あとなんか言い残してる事とか、クレームとかありますか?
WATARU:クレーム(笑)。
HIROSHI:今は言い残したことはないです(笑)。
野村:では、本日はFIVE NEW OLDからHIROSHIさんとWATARUさんに来て頂きました。ありがとうございました!
HIROSHI・WATARU:ありがとうございました!
※本インタビューはツアー開始前に実施されたものとなります。

撮影=大橋祐希
HIROSHI / 野村義男 / WATARU

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