切ない歌詞に悶絶。2020年代・新定番
の失恋ソングBEST5

ストーリー性のある歌詞に思わず感情移
入。話題の失恋ソングランキング

老若男女を問わず、音楽好きなら誰もが一度は通ってきたであろう“失恋ソング”というジャンル。古くから恋の終わりをテーマにした楽曲が数多く生まれ、シーンを賑わせてきた。

今回特集するのは、2020年代・新定番となりそうな失恋ソングBEST5。ストーリー性のある歌詞に思わず感情移入してしまう話題の5曲をランキング形式で紹介する。

オリヴィア・ロドリゴ『drivers licen
se』

1位に選んだのは、オリヴィア・ロドリゴ(Olivia Rodrigo)の『drivers license』。初めてとった運転免許を通じて、いまはもうそばにいない恋人を思い出す、珠玉の1曲だ。

2人でずっと楽しみにしていた運転免許の取得。けれども、いつしか気持ちは離れ、2人は別々の道を進むことになってしまう。残された運転免許と車に想い出を重ね合わせる主人公。切なさなしで聴くことのできない同曲は、そのリアリティのある情景描写がさまざまな世代から共感を集め、2021年1月のリリース以降、全世界で記録的なヒットを飛ばしている。発売当時、まだ17歳だった彼女。10代らしからぬ圧巻の表現力と大人びた世界観に、驚く人も多いのではないだろうか。

オリジナルMVはすでに2億回弱も再生されている。日本で人気に火がつくのも時間の問題だろう。同曲は、2020年代初頭を代表する失恋ソングとなっていくはずだ。

オリヴィア・ロドリゴ 公式サイト Twitter YouTube

優里『ドライフラワー』

続いては、優里の『ドライフラワー』。リリース直後からバイラルメディアを起点に大ヒットを記録し、いまや誰もが知るナンバーとなった屈指の失恋ソングである。

女性目線で描かれる内省的なリリックと、シンプルでミニマルなアレンジ、熱っぽく感傷的な優里の歌声。その3つの要素が絡まりあって、特別な魅力を放つ同曲。別れをきっかけに少しずつ色褪せていく2人で過ごした日々を、生きた花でないがゆえ朽ちることのない“ドライフラワー”にたとえた。

「2人きりしかいない部屋」「貴方が眠った後に泣くのは嫌」「でも無視できずにまた少し返事」といった、特別だが誰もが想像できるリアルな描写に共感したリスナーは多いに違いない。自ら告げた別れを一生懸命に肯定しようとする主人公の言葉が、ただただ胸に刺さる。

優里 公式サイト Twitter Instagram

カーリー・レイ・ジェプセン『Let’s
Be Friends』

3位には、カーリー・レイ・ジェプセン(Carly Rae Jepsen)の『Let’s Be Friends』を選出。上位の2曲に比べると、日本ではまだあまり知られていない同曲だが、コアなリスナーの間では、隠れた失恋ソングとして親しまれつつある。リリース時期が2020年2月だったこともあり、アンチ・バレンタインソングとしても評判の1曲だ。

曲名の『Let’s Be Friends』とは、直訳で「友達になりましょう」という意味。リリックには、主人公の心変わりをきっかけにして、2人の関係が終わりを迎えるシチュエーションが描かれている。なかでも印象的なのは、サビの歌い出し「Let’s Be Friends」から続く、「then never speak again(もう二度と話さない)」「We can just pretend “WE’RE FRIENDS”(友達のフリをするの)」という2つのフレーズ。別れのシーンでありがちな、その場を取り繕うセリフに、いっそう生々しさを感じてしまう。

カーリーと言えば、『Call Me Maybe』(2011年)や『I Really Like You』(2015年)といった、日本人にとって耳馴染みのいいポップ・ロックのイメージが強いが、この曲は少しクセのあるポップナンバーへと仕上がっている。その特徴が何度も聴き続けていくうち、中毒性を帯びてくるのだから不思議だ。

カーリー・レイ・ジェプセン 公式サイト

コナン・グレイ『Maniac』

洋楽からはもう1曲。コナン・グレイ(Conan Grey)の『Maniac』は、別れたパートナーへの怒りと疑念を歌った失恋ソングだ。曲名にある「Maniac」とは、「狂っている」という意味。友達の前では「クズ」「ストーカー」「サイコパス」などと主人公の悪口を言いふらしているにもかかわらず、2人きりになると未練がましい言動・行動を見せる元恋人を、「You maniac(キミはどうかしてる)」とシニカルに突き放す。2コーラス目では、別れのショックに泣き崩れるパートナーに対し、少し迷いも見せる主人公。しかし、決意は固いようで、2人の関係は戻らない。

男女の目線が入れ替わっても、「過ぎたものはもう取り戻せない」のが、恋愛の定説らしい。

コナン・グレイ 公式サイト

Novelbright『ツキミソウ』

最後は、Novelbrightの『ツキミソウ』。優しいピアノの旋律からなるイントロダクションが印象的なラブバラードだ。リアリティのある情景描写を特徴とする他の4曲に比べると、抽象的な言葉で綴られている点で異なる同曲。その違いが楽曲に壮大さをもたらしている。「あなたを知らない世界のほうがずっとマシだったと笑う」「どうしてここでひとりなんだろう」といったフレーズに胸をえぐられたリスナーも多いのではないだろうか。

Novelbrightは、2013年に大阪で結成された5人組バンド。長いインディーズ活動のなかで少しずつ支持を拡大し、2020年に念願のメジャーデビューを果たした。紹介した楽曲『ツキミソウ』は、彼らのメジャー4作目となるデジタルシングル。優里の『ドライフラワー』同様、バイラルメディアを起点に話題を呼び、リリースから4か月以上が経った現在もなお、さまざまなチャートを賑わしている。来る4月28日には、メジャー初となるフルアルバム『開幕宣言』をリリースするNovelbright。今後も彼らと同曲の躍進から目が離せない。

Novelbright
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ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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