齋藤久師が送る愛と狂気の大人気コラ
ム・第九十四沼 『祝い!galcid's a
mbient works 2発売沼!』

「welcome to THE沼!」
沼。
皆さんはこの言葉にどのようなイメージをお持ちだろうか?
私の中の沼といえば、足を取られたら、底なしの泥の深みへゆっくりとゆっくりと引きずり込まれ、抵抗すればするほど強く深くなすすべもなく、息をしたまま意識を抹消されるという恐怖のイメージだ。
一方、ある物事に心奪われ、取り憑かれたようにはまり込み、その世界にどっぷりと溺れることを
「沼」
という言葉で比喩される。
底なしの「収集」が愛と快感というある種の麻痺を伴い増幅する。
これは病か苦行か、あるいは究極の癒しなのか。
毒のスパイスをたっぷり含んだあらゆる世界の「沼」をご紹介しよう。
齋藤久師が送る愛と狂気の大人気コラム・第九十三沼 『祝い!galcid ambient works2発売沼!』
2019年の年末。
私のプロデュースするgalcidが、初のambient作品をアメリカのデトロイトアンダーグラウンドから発売した。
インダストリアルで激しいイメージの強いgalcidだが、いきなりのambient作品にファンも驚きを隠せなかったであろう。
しかも発売媒体が「カセットテープ」というところにも注目していただきたい!
もちろん、同時にデジタル配信も行ったわけだが、なんとこのカセットテープの作品は輸入されるやいなや、日本では3時間で完売。そして本国アメリカでも2週間で完売と、信じられないような速さで売り切れてしまった。
おかげで、作った自分たちですらカセットは1個しか手元に残らなかった。
ともすれば家中、在庫でパンパンになり居場所を失うと考えていたのでダブルで嬉しい快挙を果たした。
そして、この作品は各方面から大きな反響があり、galcidのambientセットでのMUTEK出演など、かなりの好評を得た。
galcid レナに言わせると
「galcidとして活動してきて、ある程度のスタイルが確立されてきたので、他のあらゆる自分の好きなものをもっと自由に表現してみたい」
ということでambientという、普段のgalcidとは真逆の方向性を打ち出したかったようだ。
もちろんプロデューサーの私は側で見ながら共同作業をしていたが、一癖も二癖もある、突き刺さるようなambient作品に仕上げたかったので、作曲から録音方法まで、通常やらない実験を繰り返した。
その一つに
「なるべく音を悪く録音しよう」
という指針を設けた。
つまり、ハイレゾオーディオが当たり前の現代で、せっかくカセットテープで出すのだから、中学生の気持ちに戻ったつもりで制作を進行させた。
アウトボードのディレイなどのエフェクターも、ミキサーからセンドリターンするのではなく、直接アナログシンセサイザーに接続するなど、できるだけ野蛮な録音方法を探ってみた。もちろん即興でいろいろいじくりまわした。
すると、無音の状態の箇所でも「シャー」というS/Nノイズがきこえてくる程の中学生サウンドの生成に成功。
単体シーケンサーもPCも使わず、Roland TB303やSH-101に搭載されたシーケンス機能を使いループさせ催眠作用を施すような効果を目指した。
そして、なんと今月4/27にはambientシリーズ第二弾として「galcid's ambient works 2」が、今度はスペインのSOFA TUNESというレーベルから発売になる。
レーベルオーナーが2019年に出した「galcid's ambient works」をあまりにも気に入ってしまったようだ。
しかしここで問題が生じた。
それはタイトルだ。
2019年にアメリカのデトロイトアンダーグラウンドから出したambient作品の名前が
「galcid's ambient works 」
そして、今回スペインのSOFA TUNESから出るambient作品が
「galcid's ambient works 2」
つまり、違うレーベルから出すのに「続編」とい作品形態だということだ。
しかし、デトロイトアンダーグラウンドの社長であるKeroは寛大だ。
私たちが事情を話すと
「いいよもちろん!応援するよ」と。
なんていいヤツなんだ。
そんなこんなで、実はKeroに相談する前に、いろいろ気を使って出すか出さないかで我々が躊躇していたもんだから、スペインからオファーをもらってから半年以上も放置していた。
するとSOFA TUNESから連絡があり、申し訳なさそうに
SOFA TUNES​社:「あ、あのぉ........。申し訳ねっけど、あのあんびえんとの作品さおねげえしたべ。わすれてっかなぁとおもってよぉ。そろそろだしてもらえねえがな?おねげぇだよ。はやぐききてえもんでさあ。なぁ、たのむよ、いそがしいとご、もうしわけねえけんども、な、な?」
これには申し訳ないが、ぶっちゃけ爆笑した。
いつも「wait 1minutes!」とスペイン人に言われて数時間も待たされ続けて来た我々が、逆にスペイン人を半年も待たせていたのだ!wwwwww
つまり半年分だから「wait 262,080minutes!」という
わけだwwwwwww
つくずくアレだな。
しかし、Keroの快諾を受け、私たちは恒例の「1day recording」を決行した。
そして納品〜!
作品を聴いたSOFA TUNESは大喜び!そしてすぐに連絡があった。
SOFA TUNES社「めっさカッコエエやん!ええわ〜!ほんまエエわ〜!ほんでな、もひとつたのまれてほしいんやけど、ジャケット書いてくれへんか?ええやろ?なあ、たのんますわホンマに。」
ということで、電話ごしに目の前にあったボールペンを手にとった私は、電話で会話しながらジャケットデザインを3分ほどで仕上げ、電話を切ったと同時に写真を撮りデータを送ると、さすがの速さに。
SOFA TUNE社:「なあ、パクってへんよな?はやすぎへんか?しかし素晴らしいデザインや!最高やで!グッジョブや!ホンマおおきに!」
オーダーを受けながらリアルタイムに描いたジャケイラスト。自分でも意味がわからないw

カセットテープって古めかしくていいよね。中二当時を思いだす。
という訳で、速攻売り切れ必須の「galcid's ambient works 2」は今月2021年4月27日に日本で発売される。

取扱店はJETSETやWALTSなどだ。
予約しておかないと買えないと思うので是非是非!
絶望的な泥〜んサウンドの嵐!6曲入り!
「galcid's ambient works 2」
1."Hidden Lake"
2."Oil Clock"
3."White Blood Cells Ambient"
1."Elasticity"
2."Awakening"
3."Departure"
売り切れを見込んで、先行発売されたスペインからわざわざ輸入して購入してくれたファンの方々、ありがとう!
って原稿を執筆しながら調べてたら、先行発売していた英国JUNO recordでは既に完売になっているではないかい!!!!!バンザイ!
今年も昨年に引き続き、galcidのセカンドフルアルバムと今回のambient worksの第二弾も発売という怒涛のスパンでリリースラッシュしているgalcidだが、まだまだ出すよ!
もう次のアルバム、完成してるんだ。実は。ね。

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