【8bitBRAIN インタビュー】
最後はやっぱり人と人が
助け合う世の中になってほしい
普段の悩みもモヤモヤも
全部忘れてしまえ!
そして、もう1曲「Drink it up!」。その昔、「日本全国酒飲み音頭」という曲がありましたが…
アンズ
♪酒が飲める、酒が飲めるぞ~というヤツですね(笑)。
ええ、それを思い出すような内容ですね(笑)。この歌詞はどなたが書いたんでしょう?
菊地
(そっと手を挙げる)アサヒビールの歌でフロアーを沸かせるバンドさんと対バンしたことがあるんですけど、私はアサヒスーパードライが大好きなので、それに感銘を受けて“ハチブレでもいつかお酒の曲を作りたい!”ってずっと思ってたんです(笑)。ライヴハウスとお酒って切り離せないものがあるじゃないですか。ファンの方にもお酒好きな方が多いし。あと、これまでのハチブレはライヴの締めでワーッと盛り上がる曲が限られてて、いつも同じ曲になりがちだったりしてたんで、パッと盛り上げる曲を増やしたいっていうのもあって“そうだ、お酒の曲にしよう!”と(笑)。
小谷さんも「SeNSe oF GuiLT」で自身の好きなものを歌詞に落とし込んだとおっしゃっていましたが、菊地さんの場合はそれがお酒だったという。
菊地
はい。私はお酒自体も好きなんですけど、ライヴハウスでの“よっしゃ! みんな、飲め!”という雰囲気も好きなんですよ。それってライヴの時の高揚感にも似ていると思ってて。その時間って日常の嫌なことを全て忘れられるじゃないですか。“Drink it up!”には“お酒を飲み干せ!”という意味の他に、“嫌なことを全部忘れちゃいなよ!”という意味もあるし、落ちサビの《全部Drink it up!》《今夜は忘れればいい…》もライヴハウスに集まる人はそれを求めて来ている人が多いと思うから…いい歌手のいい歌を聴きたいという人もいると思うんですけど、ハチブレを聴きに来ている人は普段のストレスを全部忘れたい人だと思うので(笑)。
まぁ、8bitBRAINの音楽はじっくりと聴くタイプではないでしょうね。
菊地
はい(笑)。そういう人に楽しんでもらえる曲を作りたいと思ったんです。
しかし、《ビール飲もう ハイボール飲もう》はともかくとして、《ウォッカ ジン から テキーラ》という単語が出て来るに至ってはもう…という(笑)。
アンズ
お酒を知ってる人じゃないと出てこない(笑)。
菊地
でも、この曲はアンズから結構インスピレーションを受けてて。Aメロの《もうやめると繰り返す》はアンズの口癖なんです(笑)。
アンズ
私、“もう二度とお酒は飲まない”って定期的にツィートしてますからね(笑)。
そうでしたか(笑)。あと、「Drink it up!」で気になったところを言うと、後半のサビの《Desperately alive》の箇所。「I'd like」でのアンズさんのウィスパーにも似たような印象で、あそこもいいですね。
小谷
デスヴォイス以外のことを初めてやらされました。
小谷
“大丈夫なのかな?”と思ったんですけど(苦笑)。
いや、あれはハマりがいいと思いますよ。あそこもデスヴォイスだと何か違う気がします。
アンズ
そう! 朦朧としている感じが出てていいですよね。3時くらいかな?(笑)
菊地
アンズ時間(笑)。ワーッと騒いだあとでちょっと落ちてきて、(小声で)“最近さ、何かさ…”となるイメージ(笑)。
このグループ、やっぱり何かが新しいですね(笑)。でね、ぜひとも話したかったことなんですけど、この「Drink it up!」にしても、「SeNSe oF GuiLT」や「Why fight?」にしてもそうなんですけど、今回は自分たちの好きなものを恋愛に例えた歌詞が多いですよね? 最近はそうでもなくなってきているのかもしれませんけど、アイドルは恋愛禁止という風潮があると聞いてます。一方で、その楽曲は大半が恋愛モノ。個人的にはそこが何かモヤモヤするんですよ。その意味では、今回の8bitBRAINのような姿勢は、実はアイドルグループとしては真っ当なのかと思ったりしたんですね。
菊地
まぁ、これは人にも寄ると思うんですけど、ファンのみなさんの中ではそれを言うにしても言わないにしても、ちょっと疑似恋愛みたいな気持ちは多少なりともあるとは思ってて。私たちも“1:多”というよりは、“1:1”がいっぱいあるというイメージなので、どうしても擬人化した言葉になると恋愛っぽい感情になりがちなのかなと思いました。
そうしたほうが感情を込めやすいというわけですね。“1:多”って実際にはなかなか考えづらいですしね。あと、ラーメンとかお酒に対する感情のほうが、何よりもそこに嘘がない感じがするんですよ。
Koyoka
“8bitBRAIN”というグループ名には“簡単なことしか考えられない頭脳”という意味もあるので、欲望に忠実な感じの歌詞で始まってて…それはこの5人になる前だったんですけど、そこは今でも何となく引き継がれていて、“ハチブレこういうものだから”って決めたわけではないのに、みんながそれぞれにプロデューサーが作ってくれたサウンドに合わせて自分の好きなものを乗せてきているので、結局はそこが軸としてあるのかなと。
そこに禁じ手がないというのはいいですよね。これは個人的な考えかもしれませんが、“恋愛の歌ばかりでもなぁ”ってところってリスナーにもあると思うんですよ。
Koyoka
あぁ、それって近いようで遠いですよね?
そうだと思いますね。でも、ラーメン二郎ファンにとって「SeNSe oF GuiLT」はものすごい親近感を持つはずなんですよ。実はそこがすごく重要なことに思います。
取材:帆苅智之
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シングル「Black Sabbath」2021年5月19日発売
IMPERIAL RECORDS
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エイトビットブレイン:2018年3月結成。19年10月に現体制となり、20年7月にシングル「Under the weather」でメジャーデビューを果たす5人組ロックアイドルグループ。ここ近年アイドルシーンで注目のメロコア、ハードコアサウンドの流れを汲みつつもダンサブルで派手なアプローチを仕掛け、刺激的で挑発的なヴォーカルが聴く者を惹きつける。大胆にかけられたケロールサウンドのエフェクトヴォーカルは無機質なようで、有機的な暴れっぷりを見せている。また、リリックは隠語を含めたり、ちょっと批評的なメッセージを取り入れた内容となっていることも特筆すべきところ。現在、都内ライヴを中心に活動中!8bitBRAIN オフィシャルHP
「Black Sabbath」MV