TK from 凛として時雨

TK from 凛として時雨

【TK from 凛として時雨
インタビュー】
どんなにボロボロになっても
誰にも壊せないものが自分の中にある

『THE FIRST TAKE』は
普段とは真逆の挑戦

「Dramatic Slow Motion」には“Reconstructed 2020”と表記されていますが、これは現在のライヴでのサポートメンバーとの再録なのでしょうか? また、この曲が使用された『feat.CARS』(車をモチーフとした楽曲をMV化するプロジェクト)の映像に対しての感想も教えてください。

もともととても好きな曲で、旅の中で書いた曲なんです。このタイアップが決まったことによって、せっかくなら少し違ったバージョンで聴いてもらいたいと思い、ギター、ベース、ピアノを再録しました。ドラムと歌に関してはオリジナルを使いつつ、ミックスもガラッと変えているので聴こえ方は結構違うと思います。『feat.CARS』の映像に関しては僕の普段のMVの映像とはまったく逆の方向性でもあるのでびっくりする人もいると思いますが(笑)、さわやかな疾走感を楽しんでいただけると嬉しいです。

『THE FIRST TAKE』は普段の構築的な作業とは真逆の挑戦だったかと思いますが、収録を経た感想を教えてください。何か収録から得たものはありましたか?

立ち上げの頃から観ていて、出てみたいとは思っていたんです。それこそ金子さんがおっしゃる通り、真逆の挑戦というのはとても可能性を秘めているので。「unravel」と「copy light」、どちらのアレンジも『THE FIRST TAKE』用に用意したもので、当日に僕のスタジオに集まって、少し合わせただけだったから、そういった意味でもすごい緊張感でした。自分たちのライヴ映像でも観られないようなネイキッドな作品を残せたことはとても嬉しいですね。未だに観るとドキドキするし、ヘッドフォンも落ちそうで大変だったんです(笑)。

音源になった2曲を聴いての感想はいかがですか?

音源でも本当に生々しく収録できていて、歌を同時に録ること自体少ないですし、未開の地に足を踏み入れた感覚ですね。ある意味でライヴ版よりも緊張感があるんです。映像がない分、ヘッドフォンが落ちそうなドキドキ感は少なく聴けますね(笑)。

『Studio Live for “SAINOU”』『feat.CARS』『THE FIRST TAKE』と、『yesworld』は2020年に行なわれた映像作品とのコラボレーションの集大成とも受け取れますが、音楽と映像の可能性について現在はどのようにお考えですか?

音楽をより多くの人に伝えるためには必要不可欠な要素だと思います。視覚から受け取れる音の情報はものすごく多いと思いますし、ないことによって増幅される想像力もある。どちらがいいというわけではないですが、僕自身も映像とのコラボレーションというのはとても刺激的なプロダクションのひとつで。ライヴ照明もそうですが、僕が作り上げたものに対してまた別の角度から明かりを照らしてもらえるようでもあるし、一旦終わったクリエイティブの先が見えるような感じがするんです。

EPと同日にはLIVE CD+Blu-ray『Acoustique Electrick Sessions 2020』もリリースされますが、昨年行なわれたライヴ『Acoustique Electrick Session』を振り返っていただけますか?

かなり大胆にアレンジを変えたのが印象的でしたね。あまりそういったアプローチはしてこなかったのですが、アコースティックも回数を重ねてきていますし、より多くの可能性を自分自身も感じたいんです。今後はバンドのライヴでもそういったアレンジをやってみたいと思いました。リミックスの話ともつながりますが、一度完成させたものの壊し方ってとても難しいんです。でも、もう少し自分が作った完成形に対してライヴならではの表現の仕方というものがあってもいいのかなと思えたセッションでしたね。

4月16日からは『TK from 凛として時雨 TOUR 2021“yesworld”』がスタートします。先日行なわれた凛として時雨のひさびさの有観客ツアーの経験も踏まえて、どんなツアーにしたいとお考えですか?

ちょうど今リハーサル中なのですが、ライヴでやることを想定していない楽曲なので、自分が作ったものに対峙して究極の自問自答期間が始まっています(笑)。もうその姿を曝け出すのみという感じですね。楽しみにしていてください。

取材:金子厚武

EP『yesworld』2021年4月14日発売 Sony Music Labels
    • 【初回生産限定盤】(CD+Blu-ray)
    • AICL-4046~7
    • ¥6,600(税込)
    • 【通常盤】(CD)
    • AICL-4048
    • ¥2,750(税込)
CD+Blu-ray『Acoustique Electrick Sessions 2020』2021年4月14日発売 Sony Music Labels
    • AICL-4044~5
    • ¥6,600(税込)
    • ※完全生産限定盤

ライヴ情報

『TK from 凛として時雨 TOUR 2021 “yesworld”』
4/16(金) 宮城・仙台PIT
4/23(金) 福岡・Zepp Fukuoka
4/28(水) 大阪・なんばHatch
5/07(金) 愛知・名古屋 DIAMOND HALL
5/13(木) 神奈川・KT ZEPP YOKOHAMA
5/19(水) 東京・中野サンプラザ

TK from 凛として時雨 プロフィール

ティーケーフロムリントシテシグレ:圧倒的なライヴ・パフォーマンスと確かな演奏力で絶大なる支持を誇る3ピース・ロック・バンドの凛として時雨で、全作曲作詞、エンジニアを担当するブレーンであり、ヴォーカル&ギターのTK(Toru Kitajima)のソロ名義。2011年にソロ・デビューを宣言し、同年4月に処女作となるPHOTO BOOK+DVD『film A moment』を発表。以降、シングル、アルバムを精力的にリリースしながらライヴ活動も行っている。20年に4thアルバムを発表し、ビルボードにてアコースティックライヴを実施した。21年4月にEP『yesworld』とBlu-ray+CD『Acoustique Electrick Sessions 2020』を同時リリースしツアー『TK from 凛として時雨 TOUR 2021 “yesworld”』を開催。凛として時雨の活動をこなしながら、ソロでのバンド・スタイルを模索し続けている。TK from 凛として時雨 オフィシャルHP

「Dramatic Slow Motion
(Reconstructed 2020)」MV

「unravel」THE FIRST TAKE

「copy light」THE FIRST TAKE

OKMusic編集部

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