我儘ラキア、「みんなに新しい世界を
見せる」さらなる自信と力を蓄えた全
国ツアー初日をレポート
2021.04.02(Fri)下北沢シェルター
海羽凜
そしてついに始まった、我儘ラキアの『WAGAMAMARAKIA TOUR』。ミニアルバム『WAGAMAMARAKIA』を掲げてのバンドセット・ツアーとなる今回は、全20箇所で開催されるキャリア史上最大規模となる全国ツアー。大阪でのセミファイナルはなんばHatch、東京でのファイナルはUSEN STUDIO COASTと大会場での開催も控えており、このツアーがラキアをさらなる高みへ連れて行ってくれることは間違いない。集客に規制があるため高い倍率となったチケットを握りしめて、下北沢に集まったオーディエンス。ステージから客席までや客同士の間隔は広く取りつつ、開演前からフロアを埋める観客の熱気が伝わるあの感覚は久しぶりだ。
川﨑怜奈
開演時間を少し過ぎた頃、照明が落ちてSEがけたたましく鳴り、メンバーが一人ずつステージに登場。「下北、お待たせしました! 楽しむ準備は出来てますか?」とMIRIが煽り、1曲目のイントロがバンド演奏の爆音で鳴らされると、声を出せない観客が歓声に代わりに拳を突き上げ、開演前から溜まっていた熱気が急上昇する。モッシュもリフトも出来ないけれど、瞬時に心通じ合い沸点に達するまでの異常なスピード感。いわゆる“新しいライブの形”を厳守しながら、それぞれが思い切り楽しめる空間作りがこんな容易に出来てしまうのも、闇に包まれても諦めずにライブをやり続けたラキアのひとつの成果だ。
我儘ラキア
まだツアーが始まったばかりなので、曲順や演出のネタバレは控えるが。ひと言でいうと、ツアー初日の我儘ラキアは新しかったし、素晴らしかった! 『WAGAMAMARAKIA』収録の新曲たちを軸に過去楽曲やライブ定番曲で組み立てたセットリストは、バンドアレンジや組み合わせによる相乗効果もあって、どれも新鮮かつ刺激的。バンドセットが入ることで手狭になってしまうステージも、抜き差しを巧みに使った魅せ方やフォーメーションで狭さも逆手に取り、いつも以上の近さと迫力を感じるばかり。バンドサウンドの轟音を背中に受け、近距離から放つ歌とパフォーマンスは破壊力抜群! 初日の緊張を微塵も感じさせない堂々としたステージで始まった前半戦、楽しさが溢れすぎた4人に笑みが浮かぶ。
MIRI
バンドサウンドに映えるたくましく美しい歌声を響かせる星熊南巫、攻撃的なラップと巧みなフロウでビートの波を乗りこなすMIRI、感情的かつ力強く華麗なダンスで楽曲世界を彩る川﨑怜奈、麗しく丁寧な歌やダンスで楽曲やステージに深みや色合いを添える海羽凜。生だからこそ近距離だからこそ、個々の魅力がいつも以上に伝わってきたのも特筆すべき点。MCではツアーの意気込みを語り、「夏頃にミニアルバムを発売します!」と早くもツアー後の展開も発表した4人。「今日が始まりで、最後のスタジオコーストまで一歩ずつ積み重ねていって。みなさんに新しい世界をお見せしたいと思います」と星熊の力強い歌声で始まった「New World」からは、初日ならではの気合いと覚悟を感じた。新旧楽曲にしっかり聴かせる曲も織り交ぜて、現在の我儘ラキアの多面的な魅力を見せた後半戦。ここから始まるツアーに向けて、そしてツアー初日に集まってくれた観客に向けて、一曲一曲に込めたメッセージを気持ちいっぱいの歌とパフォーマンスで熱く丁寧に届ける。
我儘ラキア
我儘ラキア
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