我儘ラキア、「みんなに新しい世界を
見せる」さらなる自信と力を蓄えた全
国ツアー初日をレポート

我儘ラキア『WAGAMAMARAKIA TOUR』

2021.04.02(Fri)下北沢シェルター
世界が闇に包まれても、我儘ラキアは諦めなかった。4月2日(金)東京・下北沢シェルターにて、我儘ラキアの全国ツアー『WAGAMAMARAKIA TOUR』初日公演が行われた。新型コロナの蔓延で、世がまだ自粛モードだった2020年。たくさんの規制もある中、我儘ラキアは9月より全国7箇所を回るバンドセットツアー『Killboredom TOUR』を敢行した。音楽は不要不急という風潮もあった。こんな時にライブをやるなんて非常識だという声もあった。それでも音楽やライブの力を信じ、諦めることなく叫び続けた彼女ら。12月には新たな始まりの狼煙を上げるべく、セルフタイトルを付けたミニアルバム『WAGAMAMA RAKIA』をリリース。世界が闇に包まれても諦めることなく闘い続け、自らとしっかり対峙し、完成させたこの作品。自信と誇りに満ちた最新型の我儘ラキアを鳴らす今作で、彼女らは闇の中から壁をぶっ壊して、一筋の光明を見出した。
星熊南巫
海羽凜

そしてついに始まった、我儘ラキアの『WAGAMAMARAKIA TOUR』。ミニアルバム『WAGAMAMARAKIA』を掲げてのバンドセット・ツアーとなる今回は、全20箇所で開催されるキャリア史上最大規模となる全国ツアー。大阪でのセミファイナルはなんばHatch、東京でのファイナルはUSEN STUDIO COASTと大会場での開催も控えており、このツアーがラキアをさらなる高みへ連れて行ってくれることは間違いない。集客に規制があるため高い倍率となったチケットを握りしめて、下北沢に集まったオーディエンス。ステージから客席までや客同士の間隔は広く取りつつ、開演前からフロアを埋める観客の熱気が伝わるあの感覚は久しぶりだ。
MIRI
川﨑怜奈

開演時間を少し過ぎた頃、照明が落ちてSEがけたたましく鳴り、メンバーが一人ずつステージに登場。「下北、お待たせしました! 楽しむ準備は出来てますか?」とMIRIが煽り、1曲目のイントロがバンド演奏の爆音で鳴らされると、声を出せない観客が歓声に代わりに拳を突き上げ、開演前から溜まっていた熱気が急上昇する。モッシュもリフトも出来ないけれど、瞬時に心通じ合い沸点に達するまでの異常なスピード感。いわゆる“新しいライブの形”を厳守しながら、それぞれが思い切り楽しめる空間作りがこんな容易に出来てしまうのも、闇に包まれても諦めずにライブをやり続けたラキアのひとつの成果だ。
我儘ラキア
我儘ラキア

まだツアーが始まったばかりなので、曲順や演出のネタバレは控えるが。ひと言でいうと、ツアー初日の我儘ラキアは新しかったし、素晴らしかった! 『WAGAMAMARAKIA』収録の新曲たちを軸に過去楽曲やライブ定番曲で組み立てたセットリストは、バンドアレンジや組み合わせによる相乗効果もあって、どれも新鮮かつ刺激的。バンドセットが入ることで手狭になってしまうステージも、抜き差しを巧みに使った魅せ方やフォーメーションで狭さも逆手に取り、いつも以上の近さと迫力を感じるばかり。バンドサウンドの轟音を背中に受け、近距離から放つ歌とパフォーマンスは破壊力抜群! 初日の緊張を微塵も感じさせない堂々としたステージで始まった前半戦、楽しさが溢れすぎた4人に笑みが浮かぶ。
海羽凜
MIRI

バンドサウンドに映えるたくましく美しい歌声を響かせる星熊南巫、攻撃的なラップと巧みなフロウでビートの波を乗りこなすMIRI、感情的かつ力強く華麗なダンスで楽曲世界を彩る川﨑怜奈、麗しく丁寧な歌やダンスで楽曲やステージに深みや色合いを添える海羽凜。生だからこそ近距離だからこそ、個々の魅力がいつも以上に伝わってきたのも特筆すべき点。MCではツアーの意気込みを語り、「夏頃にミニアルバムを発売します!」と早くもツアー後の展開も発表した4人。「今日が始まりで、最後のスタジオコーストまで一歩ずつ積み重ねていって。みなさんに新しい世界をお見せしたいと思います」と星熊の力強い歌声で始まった「New World」からは、初日ならではの気合いと覚悟を感じた。新旧楽曲にしっかり聴かせる曲も織り交ぜて、現在の我儘ラキアの多面的な魅力を見せた後半戦。ここから始まるツアーに向けて、そしてツアー初日に集まってくれた観客に向けて、一曲一曲に込めたメッセージを気持ちいっぱいの歌とパフォーマンスで熱く丁寧に届ける。
星熊南巫
川﨑怜奈
アンコールでは集まってくれた観客への感謝を告げ、「このツアーではみんなを引っ張って、さらに元気で楽しい人生へと導いていこうと思ってます」と力強く告げたMIRI。初日を終えてさらなる自信と力を蓄えた我儘ラキアが、みんなに元気と希望を届けに全国を回る。『WAGAMAMA RAKIA』で闇の中から見出した一筋の光明は、ツアーで一本一本のライブを重ねることで光の強さを増し、ファイナルを迎える頃には眩いほどの光になっているはず。<ここからが正真正銘の勝負だ>と全身全霊でツアーに挑み、見違えるほどたくましい姿でファイナルのステージに立つ4人の姿を見るのが待ち遠しい。
取材・文=フジジュン 撮影=Takashi Konuma

我儘ラキア
我儘ラキア

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着