「夜は短し歩けよ乙女」をアニメ版脚
本の上田誠が舞台化 歌舞伎俳優・中
村壱太郎、「乃木坂46」久保史緒里ら
出演

 森見登美彦氏の小説「夜は短し歩けよ乙女」(KADOKAWA刊)の舞台化が決定した。今年6月から東京と大阪で上演される。歌舞伎役者の中村壱太郎、「乃木坂46」の久保史緒里らが出演し、劇団「ヨーロッパ企画」の上田誠が脚本および演出を手がける。
 2006年に刊行された原作小説は、07年に「第20回山本周五郎賞」を受賞し、累計発行部数160万部を記録する森見氏の代表作のひとつ。京都を舞台に、後輩である「黒髪の乙女」に片思いする「先輩」が、彼女の目にとまろうと画策し、さまざまな騒動に巻き込まれていく姿を描く。17年には上田の脚本で、湯浅政明監督により劇場アニメ化された。
 舞台版では、先輩役を中村、黒髪の乙女役を久保が演じる。そのほか、竹中直人、鈴木砂羽、玉置玲央、白石隼也、尾上寛之らの出演も決定している。中村は「これまで歌舞伎の舞台では女方の役がほとんど、ほかの舞台や映像への出演も少ない自分です。『何故だ!?……まさか乙女役(女方にて)!?』と、本気で思ったほどです!」とオファーを受けた際の心中を明かし、久保は「私に務まるかなという不安を抱えましたが、原作を読むほどに、そのあまりにも素直で純粋な乙女のことが、私は大好きになってしまったので、今はそれを損なわないように演じきりたいという気持ちです」と意気込みを語っている。
 原作者の森見氏は「厄介な作品なので一筋縄ではいかないに決まっていますが、手がけるのが上田誠氏ということで、何も心配しておりません。上田氏は原作者の私よりも『夜は短し歩けよ乙女』と長く深く付き合ってきた人物であり、この奇天烈なる乙女の世界的権威と言っても過言ではないからです」と、上田に対する深い信頼を語った。
 6月6~22日に東京・新国立劇場、6月26~27日に大阪・クールジャパンパーク大阪 WWホールで上演。チケット価格は9800円(学生3800円)で、5月9日午前10時からイープラスほかで一般販売がスタートする。
【中村壱太郎(「先輩」役)】
 このたび『夜は短し歩けよ乙女』へ出演のお話をいただき、ただただ最初は驚きでした。これまで歌舞伎の舞台では女方の役がほとんど、他の舞台や映像への出演も少ない自分です。「何故だ!?……まさか乙女役(女方にて)!?」と、本気で思ったほどです!
 詳しくお話をうかがいまして、先輩の役にて新たな世界へ踏み出せますこと、とても楽しみであり、不安でもあり、ワクワクドキドキです!
 「夜は短し歩けよ乙女」の持つ言葉の面白さ、不思議な世界に生きる純粋な先輩を表現できたらと意気込んでおります! お願いいたします!
【久保史緒里(乃木坂46)(「黒髪の乙女」役)】
 今回のお話をいただいたとき、この壮大な世界が、舞台上でどのように展開されていくのか、とてもワクワクしました。
 私は「黒髪の乙女」を演じさせていただくのですが、最初に聞いたときは、うれしくもあり、プレッシャーもあり、私に務まるかなという不安を抱えましたが、原作を読むほどに、そのあまりにも素直で純粋な乙女のことが、私は大好きになってしまったので、今はそれを損なわないように演じきりたいという気持ちです。そして「乙女」の周りにいる人々との関係性がとっても魅力的な作品なので、稽古の中で、皆さんと一緒に「乙女」を育んでいきたいと思います。
 たくさんの方々に愛していただける舞台になるよう、私も乙女と一緒に歩みたいと思います! 精一杯がんばりますので、応援よろしくお願いいたします。
【森見登美彦(原作者)】
 「夜は短し歩けよ乙女」は私の出世作であり、この作品がなかったら現在の森見登美彦はないでしょう。徹頭徹尾ハチャメチャで、夢と現実が入り乱れ、豪華絢爛でありながらみみっちい……かくも純粋無垢な現代の御伽噺(おとぎばなし)は、書こうと思って書けるものではありません。私はこの作品を今では「天からの授かり物」と考えるようになりました。そんな愛娘のような作品が舞台化によってふたたびスポットライトを浴びるのはたいへんうれしいことです。
 厄介な作品なので一筋縄ではいかないに決まっていますが、手がけるのが上田誠氏ということで、何も心配しておりません。上田氏は原作者の私よりも「夜は短し歩けよ乙女」と長く深く付き合ってきた人物であり、この奇天烈なる乙女の世界的権威と言っても過言ではないからです。幕が上がるのを楽しみに待ちたいと思います。
【上田誠(脚本・演出)】
 森見さんから愛娘たる作品を預かりました。箱入り娘かと思いきや、これがたいへん爛漫で健脚で、ひとときとして同じ場所へとどまらないような歩きぶりなのですから大変です。
 去年、森見さんが、僕らの演劇作品を下敷きに「四畳半タイムマシンブルース」という小説を書かれ、そのときに、群像劇のやかましさをどう文章で再現するか、たいそう悩まれたと聞きました。たしかに一人称で書かれる森見さんの小説とは対極のような劇でしたから、無理筋なのはそりゃそうか、と思っていたら、できた作品には、我々のわちゃわちゃが見事に閉じ込められ、それが四畳半のあのキャラクターたちによって数段にぎやかに演じられ、さらには森見さんの小説でしかたどり着けない夏の夕暮れのエモーションへどーんと持っていかれました。まいったな、と思っていたら、こんどは森見さんの「夜は短し歩けよ乙女」を、舞台化させていただける好機を授かりました。
 チャンスはピンチです。森見さんの縦横無尽に走る筆の行方を、乙女がどこまでも歩くそのさきざきを、舞台でどこまで追いかけられるのか。夜の先斗町を音もなく走ってくる絢爛な三階建て電車は演劇で可能なのか。「樋口式飛行術」ってどうやるのか。「詭弁踊り」の振り付けは。「韋駄天コタツ」の動力は。課題が具体的に山積みです。
 作中の「先輩」のような執念でもって追いつき、最後には乙女と大文字から昇る鮮烈な朝日を、舞台上で眺める所存です。

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