清 竜人

清 竜人

【清 竜人 インタビュー】
個人的なマインドとしては、
ここから第2章が始まるという感じ

本作から新しいフェーズが始まる――。そう断言したい、素晴らしい作品が届いた。レーベル移籍第一弾となる配信シングル「Knockdown
」は、オルタナR&B、ジャズなどを取り入れたトラック、ドラマチックなメロディーを軸にしたナンバー。J-POPのど真ん中に回帰した彼に制作と現在のモードについて語ってもらった。

エンターテイナーではない、
音楽家としての自分をフィーチャー

配信シングル「Knockdown」が素晴らしいです! 清 竜人の新たなスタートなる作品だなと感じました。

ありがとうございます。

まずは、ここ数年の活動のことから。2019年5月1日にアルバム『REIWA』をリリースし、同年の年末には舞台『今、出来る、精一杯。』で主演を務め、音楽制作も担当されましたが、その後の活動に対してはどんなビジョンがあったんですか?

いくつかシミュレーションしてたんですが、コロナ禍という思わぬ事態になって予定していたリリースプラン、活動方針を見直しました。ただ、どういう状況であれ、ポジティブに音楽と向き合おうと思っていたし、それが今の活動につながっていると思いますね。今回の「Knockdown」も昨年から思い描いていたアイディアのひとつを具現化したものなんですよ。方向性としてはシンガーソングライターの清 竜人を掘り起こすというか。エンターテイナーではない、音楽家、シンガーソングライターとしての自分をフィーチャーする方向ですね。

それは原点回帰と考えていいんでしょうか?

そうですね。温故知新という感じなんですけど…ここ数年は何と言うか、音楽以外の部分の比重を増やして、トータルで作品やパフォーマンスを作ってきたんです。飽きては辞めて、また新しいことを始めて、また辞めての繰り返しだったんですけど(笑)。

確かに(笑)。アイドルグループを作ったり、パンクバンドを結成したり。

個人的には2013年に出した『WORK』というアルバムが大きかったんですよね。全楽曲のアレンジを自分でやって、当時の自分が持っていた音楽的な部分を全て出しきったというか、完全燃焼した感じがあったんです。その翌年にアイドルグループの清 竜人25を作って、その後もエンタメ寄りのコンセプトで活動を続けてきて。『REIWA』もそうですね。ソロアルバムではありますけど、自分の中ではエンタメ寄りという感じだったので。そういう数年間を経て、2013年以前の清 竜人を見つめ直してみようと思い始めたということです。

なるほど。ただ、今回の配信シングルは2013年以前の清さんの作品とは明らかにテイストが違いますよね。サウンドメイクもかなり現代的だし。

過去と同じことをやっても意味がないですからね。自分で作詞作曲、サウンドプロデュースを行なう…つまり、全面的に自分を出す作品なので、2021年に清 竜人がリリースする意味のあるものを作らないといけなくて。今言ってもらったように、現代的なものになっていると思います。

現在のトレンドも意識していた?

今回は少し意識しているかもしれないです。これまでに10枚くらいアルバムを作ってきましたけど、一度たりとも流行ってる音楽を意識したことがなかったんですよ。でも、今回のシングルであり、制作中のアルバムに関しては、今のトレンドも少し取り入れながら作っていますね。

今流行っている音楽に興味があるということですか?

いや、単純に売れたいからです(笑)。

おお! 力強い!!

(笑)。最近の音楽的なトレンドが好みかと言えば、正直言ってそうじゃないものも多いんですが、今回は好き嫌い関係なく、セールス性があるもの、評価されているものを俯瞰で見て、それを自分の作品に取り込みました。もちろん、自分の作品に関してはいいと思うことしかやってないですけどね。

それはすごく大きな変化ですよね。

そうかもしれないですね。今年でデビューして13年目なんですけど、僕がこの業界に入ったのは17歳の時で、ずっと年上のミュージシャンやスタッフに囲まれて仕事をしてきたんですよね。その中で吸収できること、刺激を受けることはたくさんあったんですけど、少しずつ下の世代のアーティストも出てきてますから。ミレニアム世代、Z世代の感性やセンスも素直に吸収したいし、清 竜人の作品として落とし込めるものがあれば、柔軟に取り入れたいと思っています。

素晴らしいと思います。「Knockdown」は昨今のヒップホップ、オルタナR&Bなどのテイストも感じられますが、ブラックミュージックをどう昇華させるかみたいな意識もありました?

いや、それはあまり考えてなかったですね。ブラックミュージックを感じたのであれば、それは僕自身の音楽的ルーツだと思います。ブラックミュージックやスウィングするような音楽が昔から好きだし、それを現代的にアレンジしているところもあるので。

緻密に構築されていると同時に、気持ち良くノレるというか。演奏陣はどんな方々なんですか?

ベーシックはここ数年よくやってるメンバーですね。僕の楽曲は結構テクニカルだったりするので、フュージョンやジャズ、プログレなどをやっているミュージシャンを起用することが多くて。そうじゃないと弾きこなせない部分が出てくるんですよね。

《大胆に どこまでも 永遠に投げ捨てた感情だって 蘇るように 逢いたくて》という官能的なリリックも印象的でした。

ドラマ『殴り愛、炎』の主題歌でもあるので、その世界観から逸脱しないように意識しました。男女の物語ということを踏襲して。ただ、どちらかと言えばメロディーやサウンドを壊さない歌詞にしたかったんですよ。

“何を歌うか”よりも“どう聴こえるか”が大事?

楽曲にもよりますけど、そういう発想で曲を作ることが多いですね。

“ヒットさせるためには共感できる歌詞が必要”という風潮もあると思いますが、そこはどう考えてますか?

うーん、どうですかね? その考え方には若干否定的というか、疑問があるんですよ。年齢を重ねてきて“いい歌詞だな”と思うことも増えてきましたけど、歌詞が注目されてヒットしたアーティストって継続していない印象があるんです。それよりもメロディーの良さが際立っている人のほうが、ずっとヒットを出し続けているんじゃないかなと。もちろん歌詞とメロディーは不可分だし、歌詞がダメすぎる曲は売れないと思うので、基本的にはメロディーを重視していますね。
清 竜人
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配信シングル「Knockdown」

OKMusic編集部

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