最新作『ラーヤと龍の王国』特別映像
や「ファンタズミック!」楽曲も~全
国14都市を巡る『ディズニー・オン・
クラシック』オンライン取材会レポー

ディズニー音楽に焦点を当て、日本で生まれたライブエンターテイメント「ディズニー・オン・クラシック」と、数々の名作を世に輩出してきた米国のアニメ制作スタジオ「ウォルト・ディズニー・アニメーション」がタッグを組んだ世界初のコンサート『ディズニー・オン・クラシック ~夢とまほうの贈りもの』が2021年5月15日(土)の「TACHIKAWA STAGE GARDEN」(東京都立川市)を皮切りに、福岡、愛知、京都など全国14都市で開かれる。開幕を前に同年4月1日、エグゼクティブ・プロデューサーの日下部勝徳や、ヴォーカリストの守谷由香、野村光洋らがオンラインで取材会を開催。公開30年を迎える『美女と野獣』や、最新作『ラーヤと龍の王国』などの映画音楽のほか、東京ディズニーシー(千葉県浦安市)で2020年まで開かれていたナイトエンターテイメント『ファンタズミック!』などを披露するショーの見どころを語った。
◆ディズニー・オン・クラシックとウォルト・ディズニー・アニメーションが贈る世界初のコンサート
ディズニー・オン・クラシックは、ディズニーのアニメーションやテーマパークでおなじみの名曲をフル編成のオーケストラの演奏で、プロのボーカリストが聴かせるコンサートとして2002年に誕生。ディズニーの創始者・ウォルト・ディズニーが大切にする「愛」「希望」「夢」「勇気」「友情」「冒険」「優しさ」という理念を元に、夢と魔法に満ちた時間を展開してきた。
5月15日(日)のTACHIKAWA STAGE GARDENから6月25日(金)のサントリーホール(東京都港区)まで全17公演を行うコンサートには、今井実希・隠岐彩夏・田崎美香・守谷と4人のソプラノと、鹿野浩史(テノール)、岩田健志・坂下忠弘・野村の3人のバリトンの計8人が出演。日本語と英語で歌唱を予定している。
ショーを盛り上げる8人のヴォーカリストたち(過去公演より)
数年前から企画を温めていた日下部は2年前の春に、アメリカにある「ウォルト・ディズニー・アニメーション」で、ディズニーのアーカイブを見学したことなどをきっかけに、実現に向けて踏み出したという。
◆いまもディズニー作品に勇気をもらっている
ナビゲーターのささきフランチェスコが司会を務めた取材会では、オーディションで選ばれた守谷と野村が、ディズニー作品などのエピソードを公開。野村は児童合唱団で活動していた子ども時代から、「チム・チム・チェリー」(映画『メリー・ポピンズ』)などのディズニー音楽に親しんでいたといい、「頑張りたいときには、いまも『ライオン・キング』を見ます。挫折を経験しても、自分を取り戻していくという所に共感する」と今も勇気をもらっていることを告白した。
ヴォーカリスト 守谷由香と野村光洋
守谷は「『ピーター・パン』や『不思議の国のアリス』など好きな作品がたくさんある。中でも『美女と野獣』の音楽を手がけたアラン・メンケンさんの曲には、心を何度も動かされてきました」と熱弁。昨年の『ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会 2020』に続いて出演する守谷は「中学生の時に、『ディズニー(リゾート)のキャストになりたい』と作文を書いたことがあった。前回参加して夢が叶ったと胸が一杯になったことを、今も鮮明に覚えています。みなさんと感動の時間を過ごしたい」と熱い思いを明かした。
指揮を務める永峰大輔は、吹奏楽部でホルンを吹いていた高校時代に、ディズニーランドで30分ほど演奏する機会があったといい、「初めてパークの内側を見たときに、(関係者が)プロフェッショナルだと感じた。それ以来、ディズニーにまつわるものには〝プロ〟という思いがずっとあります。今回自分もそこに関われることは素敵なこと。とても楽しみです」と目を輝かせた。
指揮者 永峰大輔
◆最新映画『ラーヤと龍の王国』は特別映像も公開
約2時間半の公演では、長編アニメーション映画としてウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオが制作した第2作目の『ピノキオ』(1940年)から、3月公開の最新作『ラーヤと龍の王国』までを網羅。公開30年を記念した『美女と野獣』では、「プロローグ」、「朝の風景」、「ひとりぼっちの晩餐会」、「愛の芽生え」、「美女と野獣」、「奇蹟の変身」などの名曲がずらりと並ぶ。映画音楽ととともに、東京ディズニーシー(千葉県浦安市)で2020年まで開かれていたナイトエンターテインメント「ファンタズミック!」も盛り込まれる。
日下部は「『ラーヤと龍の王国』ではウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオが楽曲に合わせて繋げた映像が特別に制作されました。映画を観てから来てもらえると、さらにコンサートが楽しめるはず」と呼びかけた。
『モアナと伝説の海』の組曲を聴いた永峰は「モアナが心の中に持っている希望が表現されている。組曲の中に映画がまるまる詰まっていて、映画を追体験することができる。物語に命を与えている映像、音楽を楽しんで欲しい」と語った。
来場者アンケートで、リクエストが最も多かった「ファンタズミック!」で歌唱する守谷は「ショーやパレードは、”そのとき誰と見たか”という思い出もリンクする。私は最後のショーは夫と見ました。シーで行われたショーを再現して、客席に届けられるように、精一杯練習を重ねたい」と決意。野村は「僕は(パートが)バリトンなので、この曲は歌わないと思っていたら、歌うと聞き慌てて音入れをしました。みなさんと一緒に練習をして、曲を固めていきたい」と意気込んだ。
決意表明後の会場では、日下部やオーケストラ・ジャパン コンサートマスターでバイオリニストの青木高志らが口ずさんだメロディーに乗せ、守谷と野村が熱唱。天を貫くような力強い歌声は、魔法使いの弟子となったミッキーマウスが、イマジネーションの力を信じて、ファンタジーの世界をダイナミックに創造していく様子が重なった。
◆一緒に参加できるプログラムも盛りだくさん
観客の手拍子で始まる映画『ズートピア』の「トライ・エヴリシング」など、来場者が参加できる工夫もいっぱい。グッズに登場したペンライトのようなアイテム「ファンシーカラー★ダイヤモンド・ライト」は「一緒にステージを盛り上げて」という願いを込めたという。
オーケストラ・ジャパン・コンサートマスター 青木高志
ディズニー・オン・クラシックの第1回から出演する青木が演奏する「星に願いを」も参加型の楽曲。青木のソロを心待ちにするファンも多い。青木は「美しい曲に込められた思いを伝えたいと演奏しています。客席に広がる笑顔や、そっと握っている(パートナーの)手など、こちらから見える景色は幸せそのもの。演奏しているこちらが幸せをもらっています」と話していた。
守谷は「ポジティブなことしか起こらない2時間半。音楽を通して体験して」。野村も「コロナ禍でお客さんと繋がることが難しい世の中。こういう時だからこそ、前向きな〝希望〟を皆さんと共有したい」とメッセージ。青木は「笑顔で帰っていただける演奏会にしたい」。永峰は「映像と音楽で新しいものが生まれました。お客様と一緒に共有できることは素晴らしいこと。ぜひいらしてください」と笑顔を見せた。
日下部は「良い音楽は心の健康のために必要不可欠なもの。夢と希望の贈り物を、胸を張って受け取りに来て」と思いを込めた。
会見に出演した(後方左から)野村光洋、守谷 由香、永峰大輔、青木高志、(前段左から)ささきフランチェスコ、日下部勝徳
取材・文=Ayano Nishimura

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