indigo la End『START UP!!-ロックの
春2021-』ライブレポートーー美しく
エモーショナルに魅了した、至福のラ
イブ体験

黒の衣装を身にまとった、indigo la EndのメンバーのシルエットがEAST UP!! STAGEに浮かび上がる。クラップに迎えられ、「真夜のマジック」でライブをスタート。ハンドマイクでしっとりと歌う川谷絵音(Vo.G)の声が会場にフロウして、身を任せて気持ちよさそうに踊る観客たち。一気に、indigo la Endの世界へと誘ってみせた。
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川谷が「それぞれの楽しみかたで、楽しんで帰ってください」と声をかけ、2月にリリースした最新アルバム『夜行秘密』からから「夜風とハヤブサ」を披露。川谷の歌がより高く突き抜け、バンドのアンサンブルがジリジリと熱を帯びていく。
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続いて、川谷もギターを持ち「瞳に映らない」へ。リズムに合わせてクラップが倍増していき、衝動を掻き立てるようなリズムにドキドキさせられる。一拍おいて「さよならベル」から「チューリップ」へとなだれ込む、美しいの一言につきる展開にうなる。一曲一曲、丁寧につむぎ、エモーショナルに歌い上げどっぷりと音に浸かる至福のひとときが続く。
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終盤にしてMCに入ると、川谷は「一年三ヶ月ぶりぐらいのフェスで、そういうえばぼくらのライブって盛り上がらなかったなと思い出しました。けど、そのままでいてくださいね」と、語りかける。たしかに盛り上がってないように見えるが、じっと聴き耽っていた観客たちの心の中では、いろんな感情が渦巻いて大騒ぎのはず。あるいは、歌も演奏もすごすぎるステージングに圧倒されているだけなのかも。なにせ、祈るように手を合わせながら聴いている人や、時に目をつむりがら体を揺らし、全身で音を感じている人がたくさんいたから。
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「ライブっていいなぁ。すごく楽しかったです。また大阪に来た時は観に来てください。年末の『RADIO CRAZY』がここでできることを祈って。こうやってフェスをやっていかないと、ライブを開催できないと思うので」と、開催にふみきった決断に感謝を伝えた。ラストは再びハンドマイクで「夜の恋は」を披露。純粋に音楽と向き合い、好きにライブを楽しませてくれるライブのなんと気持ちがいいことか。最新作から惜しげも無く披露されたステージは、春の夜の夢のようにあっという間で、胸の中がぐるぐるする、えも言われぬ余韻をたっぷりと残していった。
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取材・文=大西健斗 撮影=渡邉一生

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