DA PUMP、ISSA、YORI、KIMIが語る原
点回帰の最新シングル「Dream on th
e street」ーー7人の原点はここにあ

「7人の原点はここにある」。DA PUMPが放つ最新シングル「Dream on the street」は、7人のルーツであるストリートダンスにフォーカスしたファンキーなダンスミュージック作品だ。3月17日のリリースと同時にオリコン週間シングルランキングで1位を獲得した今作だが、なんとDA PUMPがシングルで1位を獲得したのは今作が初! しかも、97年に初めてオリコンチャートにランクインしてから1位獲得までの期間が、邦楽アーティスト歴代最長の23年9カ月を記録。MVでは、異なる世代のダンス界の先鋭たちとのコラボでガチのダンスを披露するなど、自らの原点に回帰した逸曲で初の1位をもぎ取った7人。「転んでもただで起きない」とISSAが語るDA PUMPのストリート魂について、ISSAとYORI、KIMIの3人にインタビュー。
ーーファンキーなダンスミュージックでDA PUMPの原点を描いた「Dream on the street」。メンバー7人がダンス界の先鋭18人とコラボしたMVも圧巻でした。
ISSA:「Dream on the street」のデモ音源と歌詞が出来た時、これは俺らの原点回帰の歌だなと思ったんです。あの頃ってこんな気持ちでやってたなという、フレッシュさだったり大事さだったり、そういうことを今一度思い起こさせてくれるような歌詞だったから、歌う時も、そういうフィーリングを思い出しながら歌っていきました。そこから楽曲をどう表現するかをメンバーみんなで意見を出し合いながら決めていくんですけど、今回はKIMIが、「自分たちの幅をもっと広げるためにも、DA PUMPを俯瞰で見てもらえる要素を入れてみたらいいんじゃないか?」というアイディアを出してくれて。で、akihic☆彡というダンサーを核にして、そこから自分たちの後輩ダンサーや先輩ダンサーの姿を通して、自分たちのルーツである「ダンス」というものを改めて見てもらおうっていう形に落ち着きました。
ーーそれであのMVが完成したんですね。そんな「Dream on the street」はホーンの音で始まるじゃないですか。 DA PUMP=ファンクの印象も強いと思うんです。だから、長年のファンであればあるほどあのイントロだけで血が騒ぐだろうなっていうか。
ISSA: 煽られますよね。
KIMI:あのホーン、武田真治さんの演奏なんですよ。
ISSA:なんでやねん(笑)。
YORI:めっちゃ信じる人いるから(一同笑)。
ISSA:本当に一緒にやれたらいいですよね。 今回は意識がストリートに向いてたんで、そこのアイディアは出てこなかったんです。もうちょっと広い視野で考えてたら思いついたと思うんですけどね。
ーーそもそも今回、ストリートやダンスという原点にフォーカスしようと思ったのはどうしてだったんですか?
ISSA:このご時世、いろんなアーティストさん達がいろんなことを考えて、いろんなアプローチの仕方で作品を作ってると思うんです。で、俺らの場合は「ダンス」というアプローチだったということなんですよね。作詞家のShungo.とは定期的に話したりするんですけど、そういう会話から自然に膨らんでいったものが歌詞に落とし込まれてると思うんです。そういう意味では、自分から出てくるものが自然と作品になってるんだろうなと思います。
YORI:自分たちの原点の部分を見せるには、同世代はもちろん、先輩、後輩という、リアルなダンスシーンを体現している人達と一緒に踊ることで、ダンスの良さがもっと倍増するんじゃないかという思いがあったというか。それで今回のメンツをピックアップした感じですね。
YORI(DA PUMP)
ーーそれにしてもすごいメンツですよね。世代が異なるダンサーが一堂に介しているからこそ、ダンスの未来が見える気がするし、強者ダンサー集団であるDA PUMPの7人がどういうダンス経験を積んできたかも想像できるというか。
KIMI: まさにそういう風に見てもらえるのが正解というか。狙い通りですそれ(笑)。「U.S.A.」以降、いろんな楽曲に対して常に全力でやるってことがDA PUMPのテーマなんですけど、今回の楽曲や歌詞のテーマが「原点」となれば、ここはやっぱり、本当に僕らが育ってきた背景を見せるべきじゃないかなと思ったんです。しかもそれって、この楽曲じゃないとできないことだというか。みんなのモチベーションが一気に加速した感じがこのミュージックビデオにも出ていて、それがすごく良かったですね。
ーーおかげで、今回はDA PUMPの根底にあるガチのカッコ良さを真正面から見せてもらった気がします。皆さんそれぞれチャーミングな方たちなので、振り付けの中にユーモアを感じるシーンもありましたけど(笑)。
YORI:僕らはアンダーグラウンドでこれを追求して生きていたので、今回の表現が原点なんですよね。「U.S.A.」以降のここ3年位は「みんなで踊れる」をテーマにしてやってきたから、余計に今回が引きたったんだと思います。
ーー<オフィスビルのガラス/鏡に見立て/練習したダンス>というフレーズも、まさにストリートダンスの象徴というか。
YORI:ダンスあるあるだし、これを歌にすることにすごくグッときましたよね。そこを歌詞にするんだと。
ISSA:そもそもそういう原点って、いつも自分の根本にはあるものなんですよ。だから、そもそも何も変わってないよということだと思うんです。振り返ってみても、「そうそう、俺の根本はここ(ダンス/ダンスミュージック)にある」と思えるから。そういう意味でも今回MVに出演してもらった18人の方々……今の俺たちが紹介したい、一緒にやりたい、一緒にやってたんだよというダンサーを全面に出せたのは大きいですね。で、MVを見ているうちに、例えば、俺と一緒に踊ってるこの人って、どんなダンサーなんだろうと思ったら、調べてみることもできる。今は情報源がいっぱいありますからね。最初の入り口は僕らかもしれないけど、調べてみたらISSAのルーツはそこにあったんだなということがわかったりとか。そういう見方でこのMVを見てみるのも面白いかもしれないですね。
KIMI: 僕のソロシーンでクランプを踊ってくれてるキッズが2人出てくれてるんですけど、小学6年生のキッズでもこういうステージに立てるんだよ、と思ってもらえたら夢があるし、今回のMVにはそう思ってもらいたいという意図も結構あったかもしれない。
YORI:あとは、ふんだんにみんなの良さを入れたMVなので、一回見るだけじゃ良さがこぼれちゃうと思うんです。 何度も見ることで良さがジワジワわかってくると思うんで、たくさん見て欲しいですね。
ISSA:そうなんだよね。一回ぐらいだと自分の好きな人(推し)しか見ないからね、人間って。
YORI:全体を見れるようになったら、こんなこと(ダンスで)やってたんだなということも発見できたりしますからね。
KIMI:でもほんと、今は見る人にとってもダンスが身近になったというか。D.LEAGUE(※日本発のダンスのプロリーグ)も始まって、そういうこと自体が10年前、20年前では想像もできなかったことですからね。すごいことだなぁと思いますね。
YORI: 10年前、20年前だと、それこそDA PUMPの他にポップシーンでこんなにストリートダンスを前面に押し出して楽曲を表現するグループなんて、ほとんどいなかったんじゃないですかね。
ISSA(DA PUMP)
ーー先日放映された、ISSAさんとKENZOさんが出演されたダンスにフォーカスしたテレビ番組もそうですが、改めて、DA PUMPが日本のポップシーンで「ストリートダンス」を発信し続けている軌跡を知る機会が続いている気がします。
ISSA:あの番組で司会を務めた中居さんも番組内で言ってましたけど、ダンスだけでゴールデンってなかなかないと思うんですよ。あの時間帯であんなマニアックなこと話してるわけじゃないですか。これ見る人いんのかなって(一同爆笑)。中居さんは昔からDA PUMPのことを気にかけてくれてて。今回も、ダンスだったらDA PUMPだよねってことだったみたいで。僕らもSMAP大好きですからね。
ーーそして、カップリング曲の「C'mon & Knock Me Down」。こちらにはDA PUMPのストリート魂がよりいっそうファンキーかつストレートに歌い描かれている。
ISSA: 楽曲によっていろんな人になれるというか。この歳になってもまだ、楽曲によってそういう経験が出来るのは嬉しいことですよね。
ーー曲毎にいろんな主人公になれる、と?
ISSA:そうそう。もちろん同じ人間が歌ってるので、一人の人間にもいろんな局面があるんだなっていうふうにとってもらってもいいですし。
KIMI(DA PUMP)
ーーちょうど一年前、「Heart on Fire」リリース時のこのSPICEのインタビューで、「何をやってもDA PUMPになるのがDA PUMPらしさ」とおっしゃっていて。自分たちの原点に回帰した今回のシングルを出した今、みなさんの考えるDA PUMPらしさ、とは?
YORI: 今回はまさにDA PUMPだからこうなったという曲になってますけど、もしこの曲を別のアーティストがやれば、きっと全く別の曲になると思うんですよ。そう思うとこれも引き続き、何をやってもDA PUMPになるということなのかなと思うんです。
KIMI:年齢を重ねると先のことを不安になったりもすると思うんですけど、「Dream on the street」という曲に出会って、DA PUMPとしてのこれからの可能性が楽しみになってきました。「もっといろんなことをできるんじゃないかな」という自信になったし、「まだまだ負けねーぞ」という気持ちがすごく芽生えましたし、それを確認ができたのが良かったですね。
ISSA:今回はDA PUMPらしさのひとつというか、武器であるダンスを全面を出してるということがDA PUMPらしさ、だったりするのかな? 歌って踊るのは当たり前だし、それがDA PUMPというのは当たり前なんですけど、その中でも「Dream on the street」という形で、ストリート感をゴリゴリに押したというところですかね。あと、「C'mon & Knock Me Down」では、<いつだって人生は/ガチなる本番さ/リハーサルなんてない>と歌ってますけど、最後に<精一杯テキトーで行こう>と言うのが俺ららしさかなというか。「あの人たちって努力してるんだ」と思われるのも恥ずかしいし、別に努力してない人なんていないと思うし。それをさらっとこなせるというか、波に乗れる感じが俺ららしさなのかなって思います。
DA PUMP
ーーあとは……DA PUMPのダンスミュージックが体感できるライブという場が一日も早く戻ってきてほしいところですね。
ISSA:俺らもやっぱり見てくれる人たちに早く会いたいですからね。でもこういう状況があっていろいろ気づかされたこともあると思うんです。オンラインで一度ライブをやらせていただいてたんですけど、客席もステージとして使ったりとか、普段出来ないことをやるという面白さもある。だから……なんだろうな、転んでもただでは立ち上がらないというか。必ず何か拾って立ち上がらないといけないと思うし。
ーーこの雑草魂というか、不屈の姿勢こそがDA PUMPらしさ、かもしれない。
YORI:そこがISSAくんのいいところなんですよ。ストリート育ちっていう意味でも。
ISSA:見事に7人全員ストリート出身ですからね。だって「C'mon & Knock Me Down」では、調子に乗っちゃってたら殴ってって言ってますからね(一同爆笑)。
YORI: もし僕らがいきなり「U.S.A.」でバンと上がってたとしたら、きっと調子に乗ってたと思うんです。でも、だとしたら今ここにいないんじゃないですかね(一同爆笑)。ここまでの時間があるからこそ、感謝という気持ちが芽生えたりとか、調子に乗るっていうレベルではないというか。あとはもう、ISSAくんが帯を締めてくれたっていうのもあるし。
ISSA:なんかね、やっとこういう感覚になれましたね。だから、後は楽しむしかないと思いますね、謙虚に。
DA PUMP
取材・文=早川加奈子 撮影=渡邉一生

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