SPiCYSOL、メジャーデビューを果たし
たオンリーワンなバンド

「The Surf Beat Music」を掲げ、Rock、レゲエ、R&Bなど様々なジャンルの要素が入り混じった新しいサウンドに、メロウな歌声が耳に心地良く残る。そんな、人々の日常と自然との“繋がり”を表現する、新世代ハイブリッド・バンド「SPiCYSOL(スパイシーソル)」。精力的なインディーズ活動を経て、彼らが遂にメジャーデビューを果たした。バンドの成り立ちから、メジャー1stデジタルEP「ONE-EP」までを辿りつつ、彼らの素顔に迫ります!

Photography_Kiruke
Intewview & Text_Mitsuhisa Yamazaki
Edit_Miwo Tsuji

「1年間で結果を出すバンド」として発

――ミーティア初登場となるわけですが、まずはバンド結成のきっかけを教えてください。

KENNY(vo) : 僕とAKUNは、元々ミュージシャン仲間であり、飲み仲間だったんです。で、ある日飲みながら音楽の話をしている時に、お互い感じるものがあり、とりあえず、1年間だけ組んでみようかと。でも、やるからには「その1年で結果が出なければ、すっぱり止めよう」と最初から決めて始めたんです。

AKUN(Gt) : おかげ様で、1年後に事務所が決まりまして、今に至るんですけどね。あ、まだ結果は出せていませんが(笑)。
KENNY(vo)

KENNY : 早いよ、説明が(笑)。まあ、そこからまず、他のメンバーを探そうと、色んな知り合いに当たりまくったところ、まず、ドラムのKAZUMAが見つかったんです。でも、その1年はサポートとしてやってもらっていました。で、僕たちが作る曲には、キーボードはかかせなかったので、また色々と探しまして。さらに、トランペットの音もほしいなぁなんて思っていたら、奇跡的にどちらもプレイできるPETEが現われたので、こいつだ! と確信しましたね。

――最後のピースがばっちりハマッたわけですね。

PETE(Key/Trumpet) : いやいや、そんなそんな(照)。

KENNY : まあ、ご覧の通り、窮屈なピースですけどね?(笑)。そこからは、お客さんゼロからのスタートで、安いワゴン車で車中泊をしながら、ツアーをしたりと、その過程で信頼関係が生まれていきましたね。

AKUN : 炊飯器も積んでたよなー。ライブハウスでご飯炊かせてもらったり。そうこうしているうちに、お客さんから缶詰とかおかずの差し入れを頂いたり……。

KENNY : 『ライスボールツアー』なんて言ったりしていて。

KAZUMA(Dr) : 部活の部室がそのまま移動しているみたいな感覚だったね。

AKUN : KENNYの髪型がアフロだった時期があったのですが、ライブ前に警察官から職質(職務質問)をされて、近くを歩いていたファンに笑われたりもしていましたよ(笑)。
AKUN(Gt)

――タフな環境だけど、楽しそうですね。

KENNY : あと、現在『SPiCYSOLのVAN買っちゃいました。』というYouTubeチャンネルをやっているんですけど。このコロナ禍でライブができない状況下に、VANを購入して車をDIYしながら様々な土地を周り、人々や自然との“繋がり”を広げていく企画なんです。

AKUN : あのころを思い出しながらも、もう車中泊はしたくないかな(笑)。

メジャー1stデジタルEP「ONE-EP」につ
いて

――メジャー初作品「ONE-EP」について、お聞かせください。

KENNY : まず、1曲目の「ONLY ONE」は、動画配信サービス・TELASAでの初のオリジナル連続ドラマ『主夫メゾン』の主題歌なのですが、元々あった曲ではなく、ドラマの内容をイメージして作りました。爽やかなイントロで始まったかと思ったら、悲しかったり、ハッピーな雰囲気に展開していくという。
AKUN : 先が読めない、まさにドラマチックな構成をイメージしましたね。

KENNY : あと、アレンジには、SIRUPさんや向井太一さんの楽曲プロデュースでお馴染みの、Shin Sakiuraさんにご参加いただいています。

――ちなみに、KENNYさんはこのドラマに、俳優として出演するとか?

KENNY : いやいや、俳優だなんて、とんでもない! 僕はその道のプロの人を本当にリスペクトしているので、オマケとして出させてもらった程度です。でも、セリフは一行だけと聞いていたのですが、台本見たら、1ページになっていたんですよ(笑)。なので、覚えるのに必死でした。

AKUN : でも、オンエア観たら、一行になっているかもね。

一同 : (笑)

――続いて、2曲目の『From the C』。

KENNY : インディーズ時代に同タイトルのイベントを主催していたのですが、当時は、カリフォルニアの西海岸に連れて行くというイメージを持っていました。今はコロナの影響もあり、メンバー中3人が茅ヶ崎に住んでいるのですが、茅ヶ崎の頭文字“C”でもあります。住んでみて感じているのですが、この街は、創作をしている人に対して、とにかくウェルカムな場所なので、僕たちにとって、非常に居心地がいいんですね。歌詞の中にも、実際にこの街にあるお店のことなども触れてます。

AKUN : そういったお店で、僕らのYouTube番組の映像も撮りたいんですよ。あと、“C”は、“City”の“C”でもあるので、他の地方で活動するアーティストとの架け橋となる気持ちも込められています。

KENNY : まさに、ここからスタートと言った想いが詰まった楽曲ですね。リスナーのみなさんには、この曲を聴きながら茅ヶ崎を訪れて欲しいですね。

――では、ラストの『NAISYO』について。

KENNY : これは、メッセージ性と言うよりは、自分が歌いたいことをとにかくそのまま歌ってみようと思って書いた詩です。思うに、僕も含めて、ミュージシャンなんて口下手だから音楽をやっていて、歌を歌ってという人間たちなんですよ。だから、普段は上手く口には出せないけど、こんなことを思っている、といった曲ですかね。あと、タイトルは「〇〇じゃ、ないっしょ?」って、日常会話でよく使うじゃないですか。それをもじって「ないしょ」に引っ掛けたというのもあります。

――なるほど。全然、口下手じゃないくらい、上手いこと言いますね(笑)。

KENNY : 恐れ入ります(笑)。

AKUN : あと、このEPは、3曲のバランスをすごく考えました。全部違うカラーの曲なんだけど、ひとつの作品としてまとまるように。

――作曲のクレジットは、SPiCYSOLとなっていますが、メンバー全員でセッションしながら作るのですか?

AKUN : 曲にもよりけりですけど、基本的にはそうですね。でも、このコロナ禍で、セッションもできないような状況だったので、現在は各々のアイディアをデータでやりとりしながら作っています。

KAZUMA : 曲作り合宿を4日間やったのですが、その時も各々、各自の部屋でアイディアを練って、ひとつの部屋でアイデアを出し合うというやり方をしました。誰かが作った曲の骨組みに、みんなで肉付けをしていったりと、やり方は色々ですね。
KAZUMA(Dr)

KENNY : でも、そういう形でも会った方が、やっぱり、やりやすいよね。オンラインだと、みんな、話すタイミングを譲り合ったりしちゃって(笑)。

PETE : オンライン会議あるあるですかね。

AKUN : でも、こんなご時勢だからこそできる曲作りを、実感したね。

愉快すぎるメンバーたちの一面と、これ
からの展望

――みなさんのパーソナルな情報を入手したので、それについても少し聞いてみたいです。なんと、KENNYさんは美容師免許を持っているとか。

KENNY : そうですね。美容師の専門学校に通っていたのですが、在学中からミュージシャンになる!と、思い立ったので、免許は持っているペーパー美容師なんですよ(笑)。

PETE : でも、僕の髪は、昔何度か切ってもらったよね。

KENNY : あ、そういえば、そうだった! 今からでも金取ろうかな(笑)。

AKUN : KENNYだって、金かけて美容師免許取ったんだしね。

PETE : 今更やめてくれ……!(笑)

――AKUNさんは、バーベキュー検定を持っているそうですね。

KAZUMA : 彼は、本当に肉にうるさいんですよ。たまに、従業員の方が肉を焼いてくれる焼肉店があるじゃないですか。あれも、苦手らしいんです。

AKUN : そうそう、苦手なんですよね。自分の絶妙なタイミングで焼きたいというか……。「肉奉行」って感じですね。でも、知人が経営している一軒のお店だけは、お任せしています!

KENNY : 知らないよ! そんなこと(笑)。

――KAZUMAさんが影響を受けたバンドに、Linkin Parkを挙げているのはすごく意外でした。

KAZUMA : 10代のころは、激しいロックやメロコアばっかり聴いていたので、Linkin Parkは、僕の青春なんです。

KENNY : バンド加入時はいわゆるパワーヒッターで、KAZUMAのドラム音しか聴こえてこないし、ドラムスティックがリハーサルの度に毎回折れて、こっちに飛んでくるので、本当に嫌でした(笑)。

KAZUMA : (笑)。今は、ちゃんと力加減ができるようになりましたよ!

――そして、PETEさんは格闘技が好きだとか。

PETE : アマチュアですけど、キックボクシングをやっていました。あと、極真空手も少々。格闘技は観るのもやるのも、好きなんですよ。
PETE(Key/Trumpet)

KAZUMA : そのナリで、試合会場にいたら、何かしらの格闘技界のドンに見えるよな。

一同 : (笑)

――では、最後にメジャーデビューへのお気持ちをお聞かせください。

AKUN : 僕らは、結成してすぐにメジャーデビューといったバンドではないので、インディーズ時代に築き上げた土台がしっかりとしている自負があります。その上で今の事務所ともレコード会社とも、共にやっていこうと契約を結んだので、確固たる信頼を元に突き進んでいきたいですね。あと、自分がかつて憧れていた人のように「憧れられる存在」になりたいです。人間性やルックスも含めて。自分は、音楽だけでなく他の芸術も色々と好きな上で、たまたまギターを弾いているとも思っているので、そういった自分が影響を受けて得た素養をさらに活かしていきたい。例えば、Dragon Ashさんみたいに、ジャンル云々を抜きにした、ムーブメントを作れるような存在になりたいです。

KAZUMA : 僕は、さらに仲間が増えていくことにワクワクしています。今思うと、昔からミュージシャンよりもライブハウスで働いている人とか、周囲のスタッフと仲良くなる傾向がありまして。今回、メジャーデビューしたことで、さらにその感覚が高まっています。

AKUN : まあ、スタッフさんたちも、仕事だからね〜(笑)。

KAZUMA : いいこと言ったのに、そういうこと言うなよ! 本当に信頼できるスタッフさんばかりなんです。

PETE : 当たり前かもしれませんが、知ってもらえれば広がると思うんです。僕らの音楽は。国を問わず海外のアーティストとも絡んでいきたいですね。ブルーノ・マーズやエルビス・コステロと競演することが、僕の大きな夢です。

KENNY : とにかく、日本と海外のボーダーを壊したいですし、ハチャメチャに遊び倒して行きたいです。SPiCYSOLのこれまでの活動は、人や自然、様々な“繋がり”を大切にしてきました。そして、今は僕ら4人だけではなく、“オンリーワン”な1つのチームとして、進んでいける環境が整ったんです。コロナにも負けず、今、自分たちがどういった状況かということを考えながら、ワールドワイドに音楽を発信していきたいですね。

KAZUMA : 最後にいいとこ、持っていったね〜!

KENNY : あ、今のKAZUMAのコメントいらないですからね?(笑)

メジャー1stデジタルEP「ONE-EP」

1. ONLY ONE 2. From the C 3. NAISYO

TELASAオリジナルドラマ『主夫メゾン』

SPiCYSOL

公式サイト
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SPiCYSOL、メジャーデビューを果たしたオンリーワンなバンドはミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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