GYROAXIA・旭 那由多が魅せてくれた
頂点へ向かう意思と覚悟ーーARGONAV
IS 3rd LIVE『CROSSING』レポート

2021.3.12 ARGONAVIS 3rd LIVE『CROSSING』Day1@パシフィコ横浜国立大ホール
北海道を遠く離れ、今回彼らが辿りついたのは横浜だ。小さいステージでのライブから始まり、今ではパシフィコ横浜という大きなホールでライブができるようになったのは感慨深い。今回のライブは3月12日、13日の2日間にわたって開催された。ライブはArgonavisとGYROAXIAの対バン形式で行われた。初日はGYROAXIA、2日目はArgonavisがフィーチャーされたステージを展開。今回のレポートでは初日の様子をお届けする。
まずオープニングを飾ったのはArgonavisだ。波の音が響き渡り会場を包み込む。彼らの始まりの土地である北海道・函館からいくつものライブを経てこの横浜のホールまで辿りついたことを思い出させてくれる。
七星 蓮
五稜 結人
そんな思いに浸っているのも束の間、七星 蓮の<さあ 行こうぜ! 限界なんて言葉 降り解いて今 その先へ Stand up! 走れ! 何度でもStarting over>という歌声が聞こえてきたかと思うと「いくぜ横浜!」という号令と共にスパークが弾け飛び「STARTING OVER」からライブの幕を開けた。客席のファンも久々の生ライブに心が踊っているように見えた。昨年にはfeat.旭 那由多としてリリースもしている本楽曲。今日のGYROAXIAとのライブを心待ちにしていたメンバーたちの思いが楽曲を通して伝わってくる。
「Steady Goes!」では、ステージ上では夜空の星が光り、ピアノの旋律が美しく鳴り響く。久々のステージを全力で楽しもう、そして楽しませていこうという気概がステージから伝わってくる。MCでも七星は「どんなライブにするか考えて準備してきました、全て出し切って歌います!」と宣言。純粋な音楽に対する情熱、ファンへの想いに胸を打たれる。
的場 航海
桔梗 凛生
白石 万浬
そんな宣言の後に始まったのは「流星雨」だ。ミラーボールから星が弾け飛び、まさにタイトル通りの空間となる。そんな星の雨が降った後は、夕焼け色の照明に会場が包まれ雨音のSEの中「雨上がりの坂道」へと繋がる。北海道・八幡坂から見える情景を歌った本楽曲。Argonavisの未来を照らすように、最後は虹色の照明が輝く。優しい歌声の中にもっとさらなる高みへと駆け上がっていくという誓いが込められているように感じた。

その後「盛り上がってますか? 楽しんでますか?」とファンへ呼び掛けた後に「ゴールライン」を披露する。”楽しくてしょうがない”といった様子で蓮が舞台中を縦横無尽に駆けめぐる。だが楽しい時間はあっという間にすぎていく。またステージで会えることを誓うように「AGAIN」、「星がはじまる」と続けて歌いきりArgonavisは自身のステージを締め括った。
ライブ後半はGYROAXIAがメインでステージが進行。演奏の間に本日のライブが行われるまでのリハーサル風景やメンバーとの様子が映し出され、どういう想いで歌っているのか、演奏しているのかが分かる構成となっている。彼らが今日のライブに至るまでの裏側が垣間見れるのはファンにとって嬉しい演出だ。
そんなGYROAXIAの1曲目は「MANIFESTO」だ。メンバーとのスタジオ練習を終えた旭 那由多がカラオケに個人練習に向かったところ蓮と偶然鉢合わせる。蓮は偶然会えたことを”運命” と嬉しそうに伝えるも、「くだらねえ、誰にも俺の邪魔はさせねえ、全て握り潰していく」と音楽界のトップであり続けるために努力を怠らず、自分の腕を磨いて突き進んでいく那由多の胸の中に灯った熱い炎を垣間見れる楽曲だ。そのまま立ち止まることなく、「GETTING HIGH」、「LIAR」と続いていく。情勢的にライブが思うように行えなかったこの1年の鬱屈とした気持ちを振り払うように力強く歌う姿にはこちらも魂が揺さぶられる。ライブスタートから絶対王者としての姿を見せつけてくれ、さすがGYROAXIAと唸らせてくれた。
旭 那由多
里塚 賢汰
MCと自己紹介を挟み、那由多の「お前ら準備はできてんだろうな!? 焼き付けろ」と観客を煽りスタートしたのは「Rage on」カバーだ。この楽曲を皮切りに、この後もカバー楽曲を続けて披露するパートへと突入する。
本ライブに向けたリハーサル練習でスタジオ入りするGYROAXIAのメンバーだが、スタジオに到着したのは那由多と里塚賢汰だけ……。という本ライブ前の裏側を映し出したストーリーの中でステージが進行していく。美園礼音と曙 涼がスタジオを間違えてしまい、界川深幸はまだ来ていないという状況に那由多は苛立つ。すぐにでも練習に打ち込みたいがメンバーが揃わないと始められないというもどかしさや、行き場のない衝動を「狂乱 Hey Kids!!」に乗せ那由多ただ一人でステージに立つ。まさにそのパフォーマンスは唯我独尊。たった一人でもステージを成立させてしまう彼のカリスマ性を魅せつけられた。
ちょうど歌い終わった時に現れたのはメンバーの界川深幸とArgonavisのメンバーの的場航海と桔梗凛生だ。ちょうどドラム、ギター、ベース、キーボード、そしてボーカルが揃っているということから、礼音と涼が来るまでセッションするという流れに。セッションすることになった楽曲は「READY STEADY GO」だ。サビでは思わず声を出したくなってしまう選曲に客席もペンライトで一生懸命レスポンスを返す。
さらに、航海と賢汰の兄弟でのセッションという特別なバンド構成も相まって会場のボルテージも上がっていく。気持ちが高まったのは観客だけではない、那由多も新しい可能性に胸が踊っているようだ。その気持ちを「コンプリケイション」のカバーで表現する。今回は賢汰のアコースティックギターアレンジでのカバーだ。いつものロック色全開の激しい姿とは違う一面で私たちを楽しませてくれた。
美園 礼音
曙 涼
界川 深幸
その後はやっとGYROAXIAのフルメンバーが揃い先ほどの勢いを引きついだまま「REVOLUTION」へ。すべてを歌声に込めてパフォーマンスする姿からは、他の誰でもない、このメンバーで革命を起こしていくという気概を感じた。そんな想いは次曲の「SCATTER」からも感じ取れた。楽曲に入る前に那由多の「GYROAXIAは頂点にいく、振り落とされんじゃねえぞ!」という宣言からは私たちに必ず頂点の景色を見せる覚悟を感じさせてくれた。
先ほどのArgonavisとのセッションを経たからこそ、GYROAXIAはこのメンバーでなくてはならないと感じてしまう。里塚賢汰と美園礼音のギターが音をリードし、曙 涼のベースで遊び心を出し、界川深幸のドラムがバンドの地盤を作っているからこそ、旭 那由多という唯一無二の存在が輝きを増すのだろう。那由多自身にも、絶対に頂点へたどり着く確信と覚悟があるように見える。そんな”覚悟”を”公約”に変えて最後はステージの始めにも披露した「MANIFESTO」でステージを締め括った。
アンコールはGYROAXIAの「WORLD IS MINE」からスタート、その後Argonavisのメンバーも加わり、本日の出演者全員がステージ上に登場。最後に「AAside」をダブルバンド、ダブルボーカルで締め括った。
初日はGYROAXIをフィーチャーした構成で行われた。このライブを通して那由多の”天下を取る”という覚悟と、これからこのバンドが一体どのように変化していくのかという楽しみを感じさせてくれた時間となった。これからも『ARGONAVIS from BanG Dream!』の進化から目を離すことは出来なさそうだ。

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