L→R 髙橋悠真(Ba)、長谷川 海(Vo&Gu)、松本和也(Dr&Cho)、鳥山 昂(Gu&Key)

L→R 髙橋悠真(Ba)、長谷川 海(Vo&Gu)、松本和也(Dr&Cho)、鳥山 昂(Gu&Key)

【ドラマストア インタビュー】
正統派ポップバンドが
多面的に魅せる最新作

「回顧録を編む」で
より歌と向き合う姿勢が取れた

3曲目は「回顧録を編む」というバラードですが、ドラマストアには「備忘録を綴る」(2020年12月配信リリース)という曲もありますよね。

長谷川
「回顧録を編む」は「備忘録を綴る」のアンサーソングという立ち位置で書きました。そもそも「備忘録を綴る」のデモを持ってきた時に、バラード調にアレンジするか、素材の良さを活かして僕がギターを置いて、淡々とした曲にするかで悩んだんです。その結果、“両方やったらいいんじゃないか”という話になって。最初から同じメロディーで2パターンの歌詞を書くことが決まっていたので、「備忘録を綴る」と「回顧録を編む」は同じ曲で、歌詞とアレンジが違うという2曲になっています。

すごいことをしますねぇ。

長谷川
このバンドはそういう作り方をすることが多いんですよ。リーダーの和也くんが面白いアイディアをたくさん出してくれるんです。今回は対になる2曲ということで、男性目線と女性目線で歌詞を書き分けることにしました。恋愛に関しては女性は“上書き保存”で男性は“名前をつけて保存”だとよく言われているので、それを表現したかったんです。あと、男性の失恋は自分の中で悔やむことが多いと思うんですよ。“もっとこうしてあげられたんちゃうかな?”みたいに想いを巡らせて、どちらかと言うと独白で。それに対して女性は“聞いてよー!”って誰かに話すことが多い気がするんですよね。だから、男性の孤独感を表すために「備忘録を綴る」は淡々とした曲にして、「回顧録を編む」は豊かさもある正統派のバラードにしました。そういう成り立ちの曲なので、MVはすごくグレイなトーンにして、「備忘録を綴る」を聴きながらMVを観たら女性が悪く感じるし、「回顧録を編む」は男性が悪く感じるというようにしたんです。
松本
MVのアイディアは海くんです(笑)。
長谷川
そう(笑)。「備忘録を綴る」単体だとちょっと中途半端なMVに感じるかもしれないけど、自分が狙ったことは明確に表現できたと思います。
松本
「備忘録を綴る」のMVを観ながら「回顧録を編む」を聴くというのは、ぜひやってほしいですね。「回顧録を編む」のドラムは…僕はドラムで目立ったり、カッコ良いことをすることにあまり興味がないんですよ。曲を支えてなんぼ、ヴォーカル立たせてなんぼと思っているところがある。「回顧録を編む」はまさにそんな感じで、“曲に徹したドラム”を叩くことを楽しみました。バンドということを考えるとメンバーとして自分の色を出すべきなのかもしれないけど、この曲は“ドラム叩いてるの誰?”と言われてもいいって感じでしたね。

でも、この曲の絶妙なハネやロール感のあるゴーストなどは、松本さんならではのものだと思いますよ。ベースはどうでしょう?

髙橋
「回顧録を編む」は今回の3曲の中でもよりポップス寄りのアプローチになってます。最初はもっとシンプルなベースをイメージしていたけど、プリプロの段階でベースは攻めてもいいんじゃないかという声をメンバーからもらったんです。それで、ちょっとフレーズをいじったりしましたね。あと、音色をベース側で極端にトーンを絞った丸い音にして、縁の下の力持ちというか、どっしり下に構えたサウンドにしました。それに、全編を通してニュアンスを大事にして弾いたことも覚えています。
鳥山
僕はピアノから入っていきましたね。そのあとにストリングスを入れて、最後にギターという流れで。普段は海くんがバッキングでコードを弾くんですけど、この曲はガットギターでスペースが空くフレーズを弾いているので、いろんなパターンのコードを試すことができて楽しかったです。あと、この曲は揺れた音が合うと思ってギターにトレモロをかけたり、泣きのギターソロを弾いたりするのも面白かったし、ギターソロは2本のギターが同時に鳴っている感じにしたかったんですよ。そのほうが“泣き”が強調されるから。それで、ダブルにするか、ショートディレイをかけるかで迷って、結局ディレイにしたと。イメージしていたソロに持っていくことができて満足しています。
長谷川
「回顧録を編む」は歌の音域がすごく広くて、Aメロがかなり低いんですよね。僕、低い声は苦手なんです。ヴォイトレの先生とも“9:1”くらいの割合で低い声の練習をしているという(笑)。そんな大変さもあったけど、この曲は歌を立たせてもらっているということで、だいぶ集中して歌えました。ギターを置いて歌うということも含めて、より歌と向き合う姿勢が取れて、またひとつ成長できたことを感じています。

自然と気持ちが高まるライヴと違って、無機質な空間のヴォーカルブースでエモーショナルなバラードを歌うのは大変だったりしませんか?

長谷川
ヴォーカリストの方はみなさんされていると思いますけど、ブースの電気を消したりしています。シンガーソングライターの絢香さんは真っ暗な中で歌うという話を聞いたりもしました。あとは、裸足になったり、服を脱いだりもしますね。

えっ、服を脱ぐ?

長谷川
はい。景気のいい曲とかは上裸だろう…みたいな感じで(笑)。

あぁ、景気がいい曲を歌う時ですね。バラードを歌う時に、セクシーな気持ちになるためかと思いました。

長谷川
違います! バラードを歌う時は、心は裸にしますけど(笑)。
全員
うまい!(笑)

OKMusic編集部

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