彼らと一緒に子供の頃のような、汚れ
も、恐れも、哀しみさえも知らない無
邪気な心に戻れたひととき。ハイダン
シークドロシー「白黑有無-Xylochro
me-白」公演レポート。
靖乃の駆けるビートを合図に、楽曲は一気に勢いを増す。荒ぶる情次2号のギターと熱く躍動するジンのベースが共に駆けだすのを合図に、楽曲は「トランプゲーム」へ。激しく駆ける演奏に触発され、谷琢磨の歌声も熱を帯びてゆく。沸き立つ気持ちをぶつけるように凛々しく歌う谷琢磨。彼自身の中に眠っていた雄々しい感情が、3人の熱した演奏に触発され奮い立つ。この日は椅子席での観覧。誰もが身体が騒ぐのを抑えきれず、椅子の上で大きく身体を揺さぶっていた。
谷琢磨の超絶ハイトーン声をバトンに、楽曲は「バラバラモノガタリ」へ。跳ねた演奏に乗せ、気持ちが一気に華やぎだす。輝きに向かって駆けだすような開放した演奏の上で、谷琢磨が躍るように歌いだす。彼の歌声に合わせ、一緒にステップを踏んではしゃぎたい。たとえ椅子に縛りつけられようと、心はけっして縛られることはない。彼らの華やぐ演奏に刺激を受け、何時しか心は青空を自由に飛び交っていた。なんて気持ちをワクワクと騒がせる素敵な楽曲だ。
ふたたび演奏は、テンポを上げだした。彼らが観客たちを連れだしたのは、闇がせまる物悲しい世界。谷琢磨の歌声へ導かれるように、三拍子のリズムに乗せ気持ちや身体をゆったりと揺らしながら、「ウタカタワルツ」が描きだす泡沫な物語へ、今は哀切な気持ちのまま寄り添っていたい。切なさへ心を痛めるように谷琢磨は歌う。その声に触れながら、同じよう心を疼かせていた。
情次2号のブルーズなギターの音色と谷琢磨の儚さを抱いた歌声が痛く絡みあう。泣き塗れる2人の歌声と演奏を、リズム隊がタイトな演奏で煽り立てる。とてもいなたい、どっぷりと哀愁に満ちた演奏だ。「モルフォ」を通し4人は、ハイダンシークドロシーが持つ闇の色を、見ている人たちの心に思いきり塗りたくっていった。
「離れていても、心の奥深くで繋がっていたい」想いを記した「心温」に続き、ここで初披露したのが、間もなく発売になるシングルの表題歌「白黑有無」。気持ちを一瞬で青空まで連れだすような、心解き放つアップテンポの楽曲だ。弾む楽曲に触発された谷琢磨は、お立ち台の上に立ち、伸び伸びとした歌声を青空中ヘ広げるように歌っていた。すべてのネガティブな感情を消し去り、触れた人たちの心を輝きで包み込む。この曲が心に羽ばたく翼を与える。くしゃくしゃにした最高の笑顔に変えてゆく。何時しかフロア中の人たちも手を振り上げ、気持ちの翼を羽ばたかせていた。座っているのがもどかしい。本当なら飛び跳ねながら騒ぎたい。でもこの日は椅子に座りながら、気持ちだけは自由に、時を超えて羽ばたかせていた。
場面は、一転。哀愁を帯びた情次2号のギターの旋律へ寄り添うように、谷琢磨が濡れた切ない声を寄り添えながら「ブランコ」を歌いだす。ジンのベースが重い音で寄り添えば、靖乃のドラムが泣き濡れる感情を揺さぶりだす。サビではランタンを手にした谷琢磨がオペラヴォイスを用い、悲嘆に暮れた想いを響かせていた。今にも壊れそうな谷琢磨の感傷的な歌声に、気持ちはずっと痛みを覚えながら浸っていたかった。
心の闇を切り裂くように、情次2号のギターが激しい音を繰り出した。ふたたび躍動した物語を描きだそうと、ハイダンシークドロシーは「オモイデオルゴール」を演奏。彼らはマイナー調の荒ぶる楽曲を通し、観ている人たちをドープな世界へと連れだしていった。
続いて披露したのが、ハイダンシークドロシーの始まりを告げた「メーズ」。谷琢磨の闇を抱いた物悲しいオペラヴォイスがフロア中に響き渡る。そこへ跳ねた演奏が加わると同時に、観ている人たちを闇の宴へと招きだす。楽曲は、次第に熱を上げながらドラマチックな展開を作り出す。何時しかフロア中の人たちも身体を大きく揺さぶり、彼らの「遊びましょう」の声へ導かれるように宴へと加わり、心騒がせていた。
躍動した靖乃のドラムが気持ちを熱く騒がせる。熱狂した宴の中で壊れた人形と化し踊り狂えと誘いかけるように、ハイダンシークドロシーは2ndシングル曲「ページェント」を演奏。ハイダンシークドロシーが得意とするシャッフル系のドラマ曲に刺激を受け、身体が熱を帯びてゆく。いや、身体の火照りを抑えきれず、どんどん理性が溶け出していく。心を思いきり開放する極上の高揚曲だ。終盤に描いた緩急利かせたドラマチックな曲展開に触れるたび、騒ぐ気持ちが叫びを上げていた。
昂った気持ちを抑えるな。ハイダンシークドロシーは、「ヒトリランド」を通し、すべての束縛から心を開放するヒトリランドへやってきた人たちを、歓喜と興奮のアトラクション(楽曲)へ招き入れた。まるで緩さのないジェットコースターのように嬉しい刺激を与えながら、楽曲は走り続けてゆく。ランタンを手に歌う谷琢磨の姿が印象的だ。さぁ、このまま理性もルールも消し去り、ヒトリランドいう名のワンダーランドでピーターパンとウェンディになり心を自由に羽ばたかせろ!!
「想い出の場所が、今もずっとこの心に咲き続けています。これからも僕たちと一緒に花を咲かせ続けてください」。谷琢磨の言葉を合図にハイダンシークドロシーが届けたのが、「ヒナギク」だ。この曲に触れたとたん、身体中が華やぐ気持ちに染まりだす。彼らと一緒に子供の頃のような、汚れも、恐れも、哀しみさえも知らない無邪気な心に戻ってゆく。はしゃぎたくてたまらない。歓喜を呼び起こすなんてもんじゃない。この歌は、心を最高に無邪気な自分に塗りかえてゆく。何も怖さなど覚えることのない、好奇心に満ちて輝いていた童心に戻れる。騒ぐこの気持ち、もう抑えきれない!!
心華やぐ気持ちを、もっともっと光の中で輝かせようと、アンコールで届けたのが「アオゾラ☆カーテンコール」。すへての束縛から心も身体も解き放ち、ウキウキとしたときめきを与えてゆく極上の開放パーティチューンに合わせ、フロア中の人たちが大きく左右に振る手を翼に変え、彼らの歌声や演奏を力にしてゆく。無邪気で無敵で純粋な自分に戻れる真っ青な空間へ向かって、誰もが羽ばたき続けていた。楽しいよね。ニヤニヤが止まらないよね。最高に幸せだよね。いいよね、本気で楽しいと心で叫べるこのひとときが。
ハイダンシークドロシーは、3月21日に、最新シングル「白黑有無」をシングル発売する。彼らがここに綴った3編の物語も、ぜひ味わっていただきたい。
TEXT:長澤智典
★インフォメーション★
★音源情報★
「白黑有無」
2021.3.21 release
HSD-006
通常盤 ¥1,650(tax in)
デラックスエディションパック ¥2,420(tax in)
(新アー写5枚セット付)
収録曲
1.白黑有無
2.心温
3.エルドラド
3/15〜先行予約販売開始アットワークスストアのみ
Https://at-works-project.stores.jp
1st PREMIUM ONEMAN LIVE DVD「hide-a
nd-seek」
\5,500 (tax in)
HSD-005
デラックスエディションパック
DVD+Special Live Photo Book (A5/32p予定/直筆サイン入り)
\8,800(tax in)
HSD-005d
2020/9/20(日)赤羽ReNY alphaにて配信された「シーク」公演をベースにカット再編集を加えた永久保存版としてDVD化!デラックスエディションパックには未公開のライブフォトも使用したスペシャルフォトブックがついてきます。
販売ページはこちらから
https://at-works-project.stores.jp/?category_id=5f23bd45d7e1d87d5401cc92
★LIVE情報★
4ヶ月連続配信2マン
「正正」
04/18(日)with The Benjamin
05/16(日)Coming soon…
06/20(日)Coming soon…
07/18(日)Coming soon…
1st Anniversary Live
「百花千紅」
09/18(土)南青山MANDALA
09/19(日)Music Lab.濱書房(ONLINE LIVE)
詳細後日発表!
ハイダンシークドロシー Web
https://hsd.tokyo/
ハイダンシークドロシー twitter
https://twitter.com/HSDorothy2020
Vo,谷琢磨(@tani_takuma)
Gt,情次2号(@george2nd)
Ba,ジン(@zininugami)
Dr,靖乃(@yasuno_official)
セットリスト
「エルドラド」
「トランプゲーム」
「バラバラモノガタリ」
「ストロベリーバブル」
「ウタカタワルツ」
「モルフォ」
「心温」
「白黑有無」
「ブランコ」
「オモイデオルゴール」
「メーズ」
「ページェント」
「ヒトリランド」
「ヒナギク」
「アヴェ・マリア」
-ENCORE-
「アオゾラ☆カーテンコール」
会場限定ENCORE
「月のワルツ」
Tags: ハイダンシークドロシー
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