Miyuu

Miyuu

【Miyuu インタビュー】
自分の熱意や理念を込めた
血が通っているものを
届けたいと思えた

やわらかいタッチで耳触りのいいスモーキーな歌声を持ち、レフティーな“ギタ女”であるMiyuu。2ndフルアルバム『LA LA RAINBOW』はMichael Kanekoが全曲プロデュースし、聴く者を気持ち良くチルアウトさせる楽曲が揃っている。その制作背景についてはもちろん、自身の生き様、心情を赤裸々に描き、聴き手の心を揺さぶる歌詞についても訊いた。

今までの自分だったら
やらなかったことにチャレンジした

まず名前からなんですけど。Miyuuと“u”をふたつ並べたところにはどんな意味が?

本名の名前の読みが“みゆう”なんですけど、小さい頃から“みゆちゃん”って呼ばれてきたんです。だけど、本当は“みゆうやねんで”という想いがずっとあったので“u”をふたつつけてアピールしました。

『LA LA RAINBOW』を聴いて思ったのですが、英詞映えする声ですよね。

本当ですか! ずっと聴いてきたのも洋楽ロックだったから、自然と英語で曲を書きたいと思うようになったんですよね。

ロックな音楽をやりたいとは思わなかったんですか?

ロックってみなさんバンドでやるじゃないですか。学生の頃は“バンドを組みたいな”という気持ちはあったんですけど、私は協調性がないのか、友達がいなくて。

ええー! そうなんですか?

はい。一時期本当に悩んでました。高校時代は“暗黒の3年間”とあとから自分で名づけた黒歴史で(笑)。当時はMy Chemical Romance(以下、マイケミ)のヴォーカルのジェラルド・ウェイが好きすぎて、ツアーのドキュメンタリー映像を観てたらお風呂に入らないという話をしてたんで、私も2週間ぐらいお風呂に入らなかったり(笑)。そんな感じだったから友達なんてできるわけもなく、イジメられてたとかじゃないんですが、当時は学校に馴染めなくて。学校も嫌で、友達もいない。それで公園とかに行って弾き語りで歌っていましたね(笑)。

今のMiyuuさんはサウンドも含めて、海や山などネイチャーなイメージが強いじゃないですか。闇の暗黒期からどうやってここに辿り着いたんですか?

祖母が愛媛県に住んでるので、愛媛に行くことが多かったんです。愛媛に行くと海とか山とか川、自然が近いところにあって。それこそ暗黒期にもよく祖母の家に行ってたんです。近くの山へひとりでハイキングに行くだけで癒されてたんで、そういうのもあって、私は愛媛が大好きなんですけど。

それが、愛媛の親善大使になりたいとおっしゃってた背景なんですね。

そうなんです。そこで自分が聴く音楽もマイケミからどんどんサーフロックやカントリー、海を感じるような潮風っぽい曲調のものになっていって。自分がやる音楽も今やってるスタイルになっていきました。

なるほど。愛媛がなかったらこういう音楽をやっていなかったかもしれないですね。

そうだと思います。音楽をやる以前に、愛媛がなかったら生きてたんかな?というぐらい当時はしんどかったし。そんな自分にとって唯一の逃げ場が愛媛だったんだと思います。愛媛に行って、田んぼとか見ながらギターを弾いて歌うだけで心が癒されてたんで。

今は自然に癒されたいと思った時はどうしてるんですか?

上京してからは湘南に行ったりしてます。それで歌詞が思いついたら携帯でババッと打ってメモしたり。最近は海沿いで出会う人と話をするのが楽しくて。散歩してるおじいちゃんに私から声をかけたりしてます。

(笑)。ここからはアルバムについて訊いていきたいと思います。今作はできた経緯も特殊なんですよね?

コロナ禍の影響でライヴができないってなった時に、どうにかして音楽をアウトプットできる場所を作りたいとみんなで考えて、昨年の春頃からランチタイム配信とかしてたんですよ。その中で、“夏は海で会えたらいいね”というのをテーマに歌詞をファンのみんなからコメントで集めて、「summer together」という曲ができました。その流れで、月一で配信ライヴをやろうということになって、そのタイトルを“Miyuu Monthly Online Live~Over The Rainbow~”にしたんです。虹は7色だから7カ月続けようと決めて。それで私、その第1回目のライヴで何も考えずに“毎月新曲を作ってここで歌います!”という発言をしちゃって(笑)。“7曲も作るんやったらアルバムができるんちゃう!?”ということでできた作品です。これまでやったらチームのみんなで案を出して、いろいろ考えてやってきてたんですけど、今は考えてたらどんどん何もできなくなってしまう。私たちのチームはとにかく手探りでもいいから何かやろうという雰囲気なんで。そのおかげで今までの自分やったらやらへんやろうなっていうことにチャレンジできた作品です。

いろんなことに挑戦する姿はYouTubeでも拝見しました。DIYの腕も上がったそうで。

あははは! おうち時間を利用してベッドをリメイクしました。あとは、英会話を習ったり、今の環境問題に対するサスティナブルな取り組みについても勉強を始めて。その中で、“私は血が通ってるものを届けたい”と考えるようになりました。自分の熱意や理念をそのまま届けるにはどうしたらいいのかを、最近は意識していますね。音楽作品もそうですが、自分のショップで売るグッズもそういうことにこだわってやっていこうと。

今作にもそのこだわりは反映されていますね。

はい。ジャケットでコラボしたGoldFish Kiss(自然の中を放浪し、海や山、音楽からインスピレーションを受けて水彩画を描くシアトル在住のレベッカ・スティーンのプロダクイト)はアートに共鳴し、私からDMを送ってオファーさせていただいて。自分と共通している部分は“自然”で。それをそのまま作品に落とし込んでいるところが素敵やなと思ってお願いしたら、描いてくださったんです。音源のほうは私自身、Michael Kanekoさんが大好きなので、アレンジから一緒にやってもらいました。

アルバムはオーガニックで、スローやミディアムテンポ中心のチルサウンドが主体となっていましたが。

これでも今回はアレンジが入って“私のデモと全然ちゃうやん!”っていう曲が入ってるんですよ。例えば「shine on you」。私は今までアコギメインのサウンドにしてたんですが、これはアコギすら入ってないんです。

エレクトロニカな雰囲気もあって、アルバムの中でも一番攻めてる楽曲ですよね。

今まで出した曲を含めても異色です。前作『BLUE・S・LOWLY』(2020年2月発表のアルバム)はみんなに分かってもらいやすい音楽にするために、歌詞は日本語を多めに使って、曲もJ-POPを意識してみたりしたんですよ。私はもともとデモを作る時は英単語を並べて歌ってるんです。今回は帰国子女のマイキー(Michael Kanekoの愛称)さんと一緒にできるから英語で曲を書きたいという夢を叶えるのは今かなと思って、この曲はサビも全部英語にしちゃいました。「red」もサビは全部英語にしたんですよ。

今挙げてくれた2曲は、洋楽に振り切ったような曲の仕上がりになってましたが。

まさにそうです。マイキーさんも私の“洋楽っぽくしたい”という気持ちをすごく汲んでくれてこういうサウンドになりました。

「red」の♪レエエエエッエーの歌い回しとか洋楽好きのバックボーンが出てますね。

嬉しい(微笑)。この曲はウクレレで作ったんですよ。まだ初心者なんで3コードしか弾けなくて(笑)。その中で作ったら、逆に今までにないようなメロディーが出るかなと思って作ったら、そのサビのところが思いついて。最初はウクレレの弾き語りでデモを作ってたんですけど、チームからの提案でアコギで作ってみたらそれがすごく良くて。頭からアコギのストロークががっつり入ってるところは私っぽさもありつつ、洋楽に振り切った曲にもなったかなと思います。

歌詞はどんなテーマで書いたんですか?

毎月やってた配信ライヴのテーマである“虹”の最後の色として“レッド”というカラーは最初に決まってて、そこから連想するものとして、燃え上がる情熱、恋愛を書きたいと思い、幼馴染の友達の過去の大恋愛をテーマに書きました。その子に“早く私の曲を作ってや!”ってめっちゃ言われてたのもあって(笑)。今まで歌詞は自分の感情、実体験しか書けなかったんですが、この子がどう思ったかを書こうと意識的に取り組んで書いたんで。歌詞の書き方も新しいチャレンジをした曲ですね。

そんな「red」をアルバムの締め括りに再度「reprise~red~」として収録した理由は?

めっちゃ単純な理由で、メロディーが好きだったからです(笑)。あとは、前作でいろいろデモを提出した時に“英語を使いすぎ”という理由でボツになったのがとにかく悔しくて…そのリベンジもあります。最後の「red」は私が家で録ったナチュラルな音源を入れようと思ったんですが、マイキーさんに“クオリティー的にこれは録り直した方がいいね”と言われてしまい(笑)。結果、録り直したものを入れました。
アルバム『LA LA RAINBOW』【CD+Blu-ray】
アルバム『LA LA RAINBOW』【CD】

OKMusic編集部

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