【Kawaru Gawaru インタビュー】
“いろいろな人とつながりたい”
という想いが
1stミニアルバム『Socket』に結実
ライヴハウスは誰もが楽しめる
ところだと知ってほしい
バンドの想いが分かってきました。さて、満を持して初の全国流通盤となるミニアルバム『Socket』をリリースするわけですが、どんな作品にしたいと考えたのでしょうか?
た。
ミニアルバムを作ろうとなった時には、すでにアルバムタイトルは“Socket”にしたいと考えていました。というのも、ライヴではやっているけど音源にしていない曲がいっぱいあって。それは本格的に音楽をやろうと思ってからライヴに力を入れすぎたからなんですけど(笑)。1曲目に入っている「赤白黄色」をはじめ、ライヴを観に来たお客さんが“いいね”と言ってくれる曲さえ音源化できてなかったんです。だったら、まずはみんなが好きになってくれた曲を入れて、いろいろな人とつながりたいと思いました。なので、タイトルもコンセントを意味するイギリス英語の“Socket”にしたんです。
新旧の人気曲を収録したベスト盤とも言えそうですね。
ギターポップバンドという枠組みの中で、全5曲それぞれに違う魅力を持っていると感じました。それはバリエーションが出るように選曲したからなのでしょうか、それとも人気曲を選んだら自然にバリエーションが出た?
いなば
どっちもですね。評判がいい曲を選びながら“こういう選曲ならいろいろな色があって面白いんじゃない?”という話はしていたんですよ。
「赤白黄色」「いくつになっても」「ケンカと仲直り」の3曲からは、オールディーズなロックンロールやカントリーの影響も感じられますね。
た。
いなばのリードギターによるところが大きいです。
いなば
カントリーはそこまで聴かないですけど、メンバーの中で洋楽は比較的聴くほうなので、確かにリードギターのテイストとして出ているかもしれない。そうですね、僕が出しちゃっています(笑)。
そういうところが他のバンドにはない魅力になっていると思うのですが、洋楽って例えばどのへんを?
いなば
父が好きだったエリック・クラプトンとか、Eaglesとか、Bon Joviとか。あと、確かにカントリーもいろいろ聴いていますね。邦楽を聴き始めたのは大学生になってからなので、むしろあと追いなんです。
曲作りはスタジオでセッションしながらとおっしゃっていましたが、各パートのアレンジはどんなにふうに?
いなば
全員が曲を作るんですけど、今のところ、た。と僕の割合が多いですね。アレンジは弾き語りから、それぞれに色をつけていく感じです。
つまり、メンバーそれぞれの個性やテイストが反映されるわけですね。今回、それぞれにアレンジやプレイ面で意識したことや新たな挑戦があったら教えてください。
た。
「ジャスミン」はKawaru Gawaruにありそうでなかった曲なんじゃないかと思います。イントロとアウトロで同じリフを使っているんですけど、そこは新しかったですね。それ以外の4曲はライヴでずっとやっている曲ばかりなので、ヴォーカルとしては歌い慣れた曲を改めて歌うという感じでした。
いなばさんはいかがでしょうか?
いなば
難しいことはやっていないですね。僕の中でのコンセプトは、一番大事な歌を邪魔しないリードギター。その上で出るところは出て、曲の魅力や雰囲気を引き出せるように意識しながらプレイに臨みました。だから、ほんとにシンプルなことしかしていない。ギタープレイは控えめに、ヴォーカルの背中を押したつもりです。
メロディアスなフレーズは歌メロとは別に、もうひとつのメロディーを奏でているように感じましたが。
いなば
目立ちたがりなので。でも、歌の邪魔にならないようにということは常に心がけていました。
まっすーさんのベースは曲に寄り添うプレイに徹していますね。
まっすー
歌詞とメロディー、いなばのリフをメインに聴かせたいバンドでもあるし、でしゃばりたい人たちがふたりいるので(笑)、リズム隊は下がっているという感じです。メンバーからは“もっと前に出ろ”と言われるんですけど、前に出る人と後ろで支える人がちょうどいいバランスでいるのがバンドとしてはいいのかなと思っています。
そして、つよしさんのドラムは歯切れのいいプレイが心地良いことに加え、曲ごとにさりげなくリズムパターンを変えているところが聴きどころではないかと。
つよし
曲ごとに世界観がしっかり分かれるように意識しました。各曲の抑揚を大事にしながらアプローチした上で、もうちょっとできることはないかと考えて、“歌詞の主人公はどういう人なのか?”“この曲のAメロでは何をしているのか?”というところまでた。といなばに尋ねて、“真面目かっ!”とからかわれました(笑)。
「ジャスミン」の横ノリのリズムは、つよしさんが入ったからこそできたものではないでしょうか?
つよし
ちょっと大胆なこともしつつ、展開として中怠みしないうようなこともやりながら、だからと言って突飛なこともしないよう意識しました。僕が加わった途端、ドラムの印象が変わったと言われるのは違うと思ったんです。
さて、今後の活動についてはどんなふうに考えているのでしょうか?
いなば
新型コロナウイルスの状況を見ながらできることをやっていきます。ライヴが頻繁にできなくても楽曲の制作はできるので、新曲を作って夏ぐらいまでにはMVが発表できたらいいねという話はしています。
最後にKawaru Gawaruの目標を聞かせてください。
た。
ライヴハウスは誰もが楽しめるところだと思ってもらえるようなバンドになりたいです。ライヴハウスに通い慣れている人は思わないかもしれないけど、馴染みのない人はライヴハウスがどんなところか分からないと思うし、中には暗くて汚くて、怖くてというイメージを持っている人もいると思うんですよ。決してそんなことはないということを多くの人に知ってもらいたい。もちろん、それは僕らの曲はライヴハウスに馴染みのない人たちが足を運ぶきっかけになるという自信があるからです。今回のミニアルバムを聴いて、いいと思ったら気軽にライヴを観にきてほしい。それでライヴハウスに足を運ぶ人が増えたら嬉しいですね。
取材:山口智男
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ミニアルバム『Socket』2021年2月17日発売
Kawaru Gawaru
カワルガワル:“気づいたら歌ってるくらいがきっと楽しい”をモットーに、キャッチーな歌詞とセンス抜群のメロディー、フロアーを巻き込む確かなライヴパフォーマンスが売りのゆとり世代4人組ギターポップバンド。2021年2月に初全国流通1stミニアルバム『Socket』をリリースする。Kawaru Gawaru オフィシャルHP
「赤白黄色」MV
「願いごと」Live Video
『Socket』Trailer