安野希世乃

安野希世乃

【安野希世乃 インタビュー】
美しい『ARIA』の世界に
溶け込むような作品になっている

声優としても活躍する安野希世乃が贈る新作「フェリチータ/echoes」は、3月5日よりロードショー公開予定の『ARIA The CREPUSCOLO』のオープニング&エンディングテーマ。透明感ある歌声と作品の美しい世界観のマッチングには、聴き手の心を浄化し、温かな光で満たすパワーがある。春には初のアコースティックライヴも決定し、新しい一歩を踏み出す彼女の癒しオーラは無限だ。

デビューからの数年を振り返り、
自分を見つめ直すことができた

2ndシングル「晴れ模様」(2020年4月発表)から約一年振りのリリースとなりますが、この一年は安野さんにとってはどんな時間でした?

ここ数年の出来事や自分自身について振り返り、改めて噛み締めることのできた時間でしたね。2017年にアーティストデビューしてから、CDのリリースやライヴ、ツアーをやらせていただいたり、新たな活動が始まり、2019年には『プリキュア』シリーズでメインキャストを務めたりと、アーティスト活動・声優業ともに今までの人生の中で一番多忙を極めた日々を送ってきました。目の前のことだけに集中して頑張ってきた中、2020年は一旦立ち止まることができたというか。ここ数年の出来事を日記に書き起こしてみたり、自分を見つめるという作業もできたので、そこから気持ちが改まって、新しく始められたこともいくつかあるんですよ。例えば、活動の中で切り離せないものであったにもかかわらず、ずっと苦手意識があったダンスのスクールに登録してオンラインレッスンを受けてみたり、整体に通い始めて身体の歪みを治したり(笑)。まだ内緒にしておきたいこともありますし、おかげで2021年の春から、また新しい一歩を踏み出していきたいという前向きな気持ちになれています。

少し休むには、とても良いタイミングだったんですね。そして、ようやく届けられる両A面シングル「フェリチータ/echoes」は、それぞれ『ARIA The CREPUSCOLO』のオープニング&エンディングテーマという。

丸一年ライヴがなかったので、“アーティスト・安野希世乃”が立ち止まっているように見えたかもしれないですが、次の一歩としてお渡しできるのが、こんなに素敵な曲で本当に嬉しいです! タイアップが決まった時点では、熱烈なファンの多いレジェンド的な作品として存知ていたものの、実は『ARIA』シリーズには触れたことがなかったんです。そこから過去作を拝見させていただいて、ものすごく心に刺さりました。“私、なぜ今まで出会ってこなかったんだろう!?”って思ったんですね。なので、私の音楽を追いかけてくださっていて、もし『ARIA』シリーズを観たことがない方がいらしたら、今、ここで出会ってほしいです!

『ARIA』が水の都“ネオ・ヴェネツィア”を舞台にした少女たちの物語であることにならい、まさしくオープニングテーマの「フェリチータ」は水の流れのように切れ目なく連なるメロディーが印象的で。これを歌うのは、かなり難易度が高かったのでは?

そうなんです! 第一印象から“難しい曲だなぁ”と感じていましたし、曲の世界観に自分の歌声がしっくりと馴染むまでに、かなり時間がかかりました。ひと筋縄ではいかないところを縫って泳いでいくような旋律で、摑みどころがなく水のように緩やかに流れていく曲だから、歌い始めて歌い終わるまで一曲まるまるをひとつの連なりとしてとらえたほうがいいなと。その分、美しい『ARIA』の世界に溶け込むように作られた作品になっているので、私もその世界の一部になれるように、自我を捨て、エゴを捨てて歌いました。

安野希世乃として「フェリチータ」を料理するというよりも、そのまま楽曲の世界観にどっぷり浸って一体になることを目指したと?

はい。この楽曲の中のひとつの楽器としてどうありたいかということを、自分なりに大切にしたくて。考えるよりは耳を澄ませて、その音色作りに集中したところはありますね。結論として、あまり角は立てず、癖のない歌い方で、素のまま言葉を伝えることに注力したんです。もちろんヴォーカルだから完全な楽器にはなれないけれど、それでもなるべくサラッとした状態で、シンプルな素材としてお渡しできるように、削ぎ落とす方向で歌と向き合いました。私の歌声が『ARIA The CREPUSCOLO』の世界観や「フェリチータ」に合うと見込んでくださった音楽プロデューサーさんの想いに応えるためにも、なるべく素材でありたかったんです。

いや、透明度の高い歌声は抜群の素材ですよ。

ありがとうございます。嬉しいです!

穏やかな日々、何気ない日常の幸せに着目したリリックも『ARIA』のストーリーに沿ったものですし、そもそも「フェリチータ」はイタリア語で“幸せ”という意味ですよね。歌詞には《私たちのピュアな奇跡》というワードも出てきますが、そんな経験って何かあります?

私、本当に仕事しかしていない人間で、プライべートは漫画を読んでいるくらいなんですよ…。だから、親にも中高の友達にも年に一回会うか会わないかくらいで。まぁ、そんな私のマイペースを理解してくれている友達ばかりなので、会うスパンと心の絆は別と思える安心感はあります(笑)。当然、日常を一緒に過ごしているのは仕事でかかわっているスタッフさんばかりなんですけど、それぞれにしかできない仕事を互いに委ね合い、信じ合い、ひとつのゴールを目指せているのは、なんて幸せなことなんだろう!って噛み締めてばかりですね。そこは『ARIA』ともリンクしているかなと感じるところで。同じ職場の先輩と後輩の関係性だったり、自分の“仕事”との向き合い方がとても丁寧に描かれていて、そんなエピソードのひとつひとつが、今の私には響くところが大きかったんですよ。

あぁ、なるほど。

あとは、MV撮影だとかライヴだとかのイベントごとで、仕事仲間の人たちと過ごす時間が思い出になっていくことも多いですね。例えば、この前はフェスの待ち時間がすごく長くて、リハとリハの間が5時間もあったから、みんなで豊洲市場にお昼ご飯を食べに行ったり。そういった隙間時間で思い出を作れるのも幸せです。

日常の仕事の中で小さな幸せをひとつひとつ拾い上げ、感じることができるって無敵じゃないですか。

一緒に仕事しているのがやさしい人たちばかりで、みんな大好きなので! 家族のように思えるくらいの信頼関係を築けたのが、今の一番の宝物ですね。

「フェリチータ」のMV撮影でも幸せな思い出は作れました?

作れました! MVって天候だったりセッティングのチェンジだったりで、絶対タイムスケジュール通りにいかないものなのに、今回は監督が撮りたかったシーンを全部撮れたんですよ! 監督の読みとみんなのチームワークで全てのシーンを予定通りに押さえられて、達成感を感じられたのは大きな“フェリチータ”ですね。『ARIA』と「フェリチータ」の世界観からして水を連想させるものがたくさん出てくるMVになるのかと予想していたら、意外と無機質な感じが強調されていたり、乾いた印象が強かったのも新鮮でした。乾いた場所で孤独に噛み締めるからこそ、何気ない幸せが想起されるということなのかもしれないって。
安野希世乃
シングル「フェリチータ/echoes」【ARIA盤】(CD)(C)2020 天野こずえ/マッグガーデン・ARIAカンパニー
シングル「フェリチータ/echoes」【KIYONO盤】(CD)

OKMusic編集部

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