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【INORAN インタビュー】
前作と2枚でひとつの作品として
仕上げたいという気持ちがあった

前作『Libertine Dreams』(2020年9月発表)から半年も空けずにリリースされた続編『Between The World And Me』。ステイホーム期間中に曲作りに没頭し、アルバム2枚分全21曲を昨年6月までにたったひとりで作り終えていた、その創作意欲とパワーには驚くしかない。憂いを帯びた至宝のメロディーラインが冴える傑作はいかにして生まれたのか? 前作と何が通底していて、何が異なるのか? 

ひとつひとつのストーリーの中の
主人公が揺れるさまが出ている

最高のアルバムで、感動しました! 『Libertine Dreams』からこれだけ短いスパンでリリースされる、そのスピード感自体がポジティブなメッセージだと感じます。時系列を遡って伺いますが、『Libertine Dreams』のリリース後に2度開催されたストリーミングライヴの手応えはいかがでしたか?

やって良かったし、やることによって見えてきた部分もありましたね。ライヴ一本一本を通して、その意味やチームとしてのフォーカスの合わせ方とか、そういう部分を想像じゃなくて実際に心で感じることができたと思う。この世界が揺れた2020年の中で配信ライヴというものが生まれてきて、限られた中でも何かを全力でするという中でも、チーム力の大切さも改めて分かったし。誰が動いて、何をデザインして…とか。その意味を自分なりに理解ができたライヴだったし、そういう時間だったとは思いますね。

作り込んだ映画のような作品だと感じ、異世界に誘われました。ああいった表現をされたのにはどういう意図があったんでしょうか?

“こういう作品にしたい”とか“作り込みたい”という意図は別にそれほどなくて、僕のチームとして、みんなが“ライヴを届ける”というところにフォーカスした時、ああいうものになったということですね。照明デザイナー、映像デザイナーがどれだけやるか、作品としての側面を付けるかということで、実際にやってみたらああなって。チームINORANという感じが出たんだと思いますよ。

一回目はライヴ現場に取材で入らせていただき、配信上ではカットされていた言葉を聴くこともできたのですが、INORANさんが熱い言葉でチームのみなさんにメッセージを語りかけていらっしゃり、そこにも感動したんですね。スタッフのみなさんを大事にされているんだなと感じました。

言い方は違うかもしれないけど、プロジェクトリーダーとしての思考だと思うんですよね。本番前にミーティングなりディスカッションを重ねてそこに持ってくのが本当ならいいと思うんですけど、僕はそれをリアルタイムで感じながらやってみたかった。悔いが残ってもいいから一発勝負をしたかったというか。僕が“こうしてほしい”と具体的に言えばその通りにやってくれる素晴らしいスタッフなんだろうけど、それじゃあつまらないと。完璧じゃなくてもいいから、擦り傷ができてもいいから、その痛みも分かち合って前に進みたくて。それで当日にああいうふうに話したというか。

なるほど。オンエア上はカットされても、あのやり取りで生まれた熱が画面に映っていたように感じました。そして、年末はLUNA SEAのさいたまスーパーアリーナ公演が真矢さんのコロナ感染により当日に延期決定という大変な事態に…。体調はもう大丈夫なんでしょうか?

すっかり治ったと思います。本当に皆に迷惑をかけたし、心配をかけたと思いますね。

コロナの収束次第かと思いますが、いつか必ず拝見できるのを楽しみにしております。

はい、もちろんです!

そして、ニューアルバムが早くもリリースされるわけですが、前作『Libertine Dreams』の制作時に“もうすでにたくさん曲が生まれている”とうかがっていたので、その時に“これは『Libertine Dreams』に入れて、これは次作にとっておこう”という分け方の基準はあったんですか?

いや、『Libertine Dreams』の曲順がほぼ曲ができた順で、そのあとにできたほぼ順なのが今回の『Between The World And Me』ですね。前作と地続きで、ステイホーム期間後半の5月や6月ぐらいにできた曲たちです。歌や新しい音を加えたのは、たぶん10月から11月の2カ月ぐらいですかね?

前作は全てのレコーディングをおひとりでされましたが、それは今作もですか?

これもほとんどそうです。

驚きです! とてもひとりとは思えないような充実した音像なので。

そうですかね? 『Libertine Dreams』を作った感触が活きてはいるだろうし、2枚でひとつの作品として仕上げたいという気持ちがいろいろな音を誘ったんだと思います。

『Libertine Dreams』と時期は近いにせよ、後半に作られた今作の曲たちは心理面で何か違ったものってあったんですか? やはり地続きでしたか?

基本的にはそうですけど、『Libertine Dreams』を作ったのは4月から5月のステイホームの時なので、最初のうちは“なんだかよく分かんないけど、頑張っていこう”みたいな。そういう感じだったのが、だんだん“頑張れるけど、どうなんだ?”ってなり…みんなもそうだったと思うけど、心境が変わってきて“これはいつまで続くんだろう?”とか、日によっては不安も増大したような時期だったと思うんですよ。そういうものが反映されて、今回の作品のほうが揺れてるとは思いますね。

『Libertine Dreams』の時は“不自由な世界になっても心の中の自由までは奪わせないぞ”というガッツが強く感じられました。しかし、今作では孤独に寄り添うというか、憂いのようなものを感じます。

そうですね。『Libertine Dreams』と『Between The World And Me』で合わせて21曲なんですけど、21のストーリーがあって、今回のアルバムの1曲目となる11曲目ぐらいから、ひとつひとつのストーリーの中の主人公が揺れるさまが出ていると思いますね。その出ている感情も揺れ方も、前作よりちょっと強いと思う。
INORAN
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OKMusic編集部

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