【w-inds. インタビュー】
ベストアルバムをリリースすることで
感謝の気持ちを伝えられる
一年にしたい
映像を観ると、
20年っていう時間の流れを感じる
もうひとつのスペシャルディスクとなるDVDには、おふたりが選んだベストライヴセレクションが収録されていて、過去のツアーの中から一曲ずつ選んだ映像版のベスト的な内容になっていますね。
橘
これまでのツアーの映像を観直すのが大変でした。
千葉
時間がすごくかかりましたからね。でも、観始めると楽しくなっていって。
橘
うん。反省点もあれば、“ここ、めちゃくちゃいい!”っていう場面もありましたし、そのツアーでのアクシデントも思い出したりして、いろんな感情が湧き上がりました。お正月休みの前に“休みの間にこれを全部観ておいて”って言われて21作品を渡された時は、“鬼か!”って思いましたけど(笑)。
千葉
意外と忘れている部分が多くて、“こんなカッコ良いことをやってたんだ!?”って発見じゃないですけど、気づくことも多かったです。逆に“よくこんなことやってたなぁ”って笑っちゃうようなシーンもあって、それが慶太が言ってた“反省点”ですよね(笑)。とはいえ、きっとその時の流行があったと思いますし、どれも大切な記録です。
ひとつのツアーから一曲が選ばれていますが、どのように選んだのですか?
橘
僕と涼平くんが各ツアーの中から候補曲を選んで、“どっちにしようか?”って話し合って決めました。いくつか同じ曲を挙げてたところもありますね。
それぞれ違う視点で選ばれたと思うんですが、どういう基準で選びました?
橘
僕は演出基準で選びました。パフォーマンスのクオリティーと演出に注目して。涼平くんは感情って言ってましたけど。
千葉
そうですね。僕は当時の感情を思い出しながら決めていきました。例えば、“もうすぐ本編が終わっちゃう”っていう寂しさと達成感を感じた時の曲とか。
橘
映像を観ると、20年っていう時間の流れを感じますね。楽曲や演出の流行以外にも、人としてのルックスの変遷も観られて面白いです。
千葉
どんどん変化していて、“イキってるなぁ”って思う頃もありました(笑)。
橘
あるある! “ギラついた目つきをしてたなぁ”とか(笑)。
その選んだ中で一曲、オススメを挙げてもらいたいのですが。
橘
僕は2010年の『w-inds. Live Tour 2010″Another World”』の「Nothing Is Impossible」ですね。僕が一番身体を鍛えていた時期でした。ダンスミュージックの中でもパワーがあるクランプダンスというのが流行っていて、いきなりタンクトップになってバキバキに踊り出すっていう。
千葉
あったね(笑)。
橘
面白みとカッコ良さの両方があるので、これがオススメです!
千葉
僕は比較的最近ですけど、2017年の『w-inds. LIVE TOUR 2017 “INVISIBLE”』の「SAY YES」っていう曲がめちゃくちゃ好きなんです。このツアー自体がカッコ良いんですけど、立体的というか浮遊感のある演出があったり、斜めになっているセットでパフォーマンスしたり、それまでになかったタイプのツアーになっていて、「SAY YES」の演出がそのツアーの集大成的なものになっています。ライヴのピークがそこでやってくるんですけど、今回観直してカッコ良さを改めて感じました。
ライヴにおける変化は?
橘
リリースしてきたシングルもそうですけど、ライヴにおいてもw-inds.は新しいことに挑戦したいと思ってて、常にやったことのないことにチャレンジしてきました。わざとバンドをつけないダンスメインのライヴがあったり、逆にバンドサウンドをフィーチャーしてみたり。
千葉
うん。毎回違うことをやってきてるよね。この一枚で歴史を感じてください!
今回のベスト盤とは関係ないんですが、20周年企画の一貫として、Twitterで過去のMVを部分的にアップしてますね。ファンからの反響はどうですか?
橘
反響は大きいですね。みんなひとつひとつに思い入れがあるんだなって思いました。僕自身もそうですけど、音楽を聴いたりMVを観たりするとタイムスリップする感覚で、その時の気持ちを思い出しますよね。それが音楽の力なんだと思いますし、素敵だなぁって。あっ、涼平くんはその都度発信してるよね。
千葉
うん。当時の思い出とか、あの時はこうだったとか、外に発信してこなかったことをツイートしています。
あと、ベストアルバムの発売日と同じ3月14日にはオンラインライヴ『20XX“THE MUSEUM”』が開催されますが、どんな内容になりそうですか?
橘
オンラインでやるからには、演出を含めてオンラインならではの内容にしたいですね。普段のライヴとは別モノとして、みなさんに楽しんでいただけたらいいなって。
千葉
今回のオンラインライヴが決まる前から、もし自分たちがやるんだったらライヴ会場でやっていることをそのままやるんじゃなくて、オンラインでしかできないことをやりたいって話してたんです。すごく作り込まれていて、ライヴだけどライヴじゃないような…まぁでも、これもひとつのライヴだよね。
橘
そうだね。ここからw-inds.の20周年が始まるし、新体制となって初めてのライヴでもあるので、いいスタートが切れたらいいですね。発信するスタイルがひとつ増えたという感じで、今後普通にライヴができるようになってからもオンラインライヴというのはやっていけたらいいなって考えてます。
新体制になって、ふたりの役割分担が変わったりしましたか?
橘
涼平くんがよくしゃべるようになってくれました。
千葉
あははは。
橘
昔は(緒方)龍一くんがよくしゃべってくれて、涼平くんは見守るという感じだったんですけど、最近は同じぐらいしゃべってくれます。
新体制、そして20周年ですが、これからどんなことをやっていきたいですか?
橘
感謝の気持ちを伝えていきたいです。そして、ふたりでの新体制になって自分たちの可能性を探っているところでもあるので、みんなで探しながらエンターテインメントを楽しんでいければいいなと思っています。
千葉
この20年の中でいろんなことをやってこれました。でも、逆に言えば、ここからは何でもできるんじゃないかと思うんです。20周年ですけど、一年目に戻ったようなリセットした気持ちもあるので、“こうじゃなきゃいけない”っていう縛りもありませんし、ほんと何でもできる…前向きな気持ちでそう思っています。
取材:田中隆信