沢口靖子、小柴陸(関西ジャニーズJ
r.)、生瀬勝久、3人のトライアング
ルが光る リーディングアクト『一富
士茄子牛焦げルギー』初日開幕

画家、絵本作家のたなかしんが、2019年に新聞連載小説として執筆し、第53回日本児童文学者協会新人賞を受賞した「一富士茄子牛焦げルギー」(いちふじなすうしこげるぎー)。演出家・河原雅彦が、朗読と演劇の中間ともいえる「リーディングアクト」という特殊な形式で上演するリーディングアクト『一富士茄子牛焦げルギー』が開幕した。
キャストが台本を読む「声」から想像で作品世界を膨らませる楽しさ、キャストが互いに視線や言葉を交わし、シーンが目の前に現れる生の演劇の贅沢さ、両方が体感できる。
さらに今回、たなかが舞台のために書き下ろしたイラストが随所に映像として映し出され、シンガーソングライターの瓜生明希葉の情感豊かな音楽も加わり、「朗読」「絵」「音楽」が三位一体となった、目で、耳で、心で体感する、家族の物語だ。
「おとん」と「僕」、父子2人の年始の朝。餅を焼きながら聞いていた、おとんの夢の話は奇想天外な内容だった。夢の中に出て来た「富士山」に、「夢を叶えてあげる」と言われたらしく、おとんはとっさに、「餅が焦げないようにしてほしい」とお願いしたそうだ。そんな馬鹿げた話をしていたところ、オーブンの中の餅は、一向に焦げていなかった…。
リーディングアクト『一富士茄子牛焦げルギー』 撮影:須佐一心 
おかん」役は沢口靖子、「僕」役は小柴陸(関西ジャニーズJr.)、「おとん役」は生瀬勝久。関西出身の3人が、関西弁で丁々発止のセリフのやり取りを繰り広げる。時にキャストは「語り部」や「僕の親友」といった他の役も演じながら「焦げルギー」のリアルで切なく、奇想天外な世界を紡いでゆく。
沢口は、朗らかで家族を大きな愛で包む「おかん」を、唯一無二の美しさと個性を持つ声で生き生きと演じている。
「僕」を演じる小柴は、ジャニーズ公演以外で初めての単独外部出演となるが、瑞々しい感性と一途な表現力で、おとんやおかん、日々起こる様々な出来事をまっすぐに受け止める優しい「僕」を好演する。
生瀬の「おとん」は、飄々とした空気の中に、息子に向ける愛情深い目線が印象を残し、物語を引っ張っていく。
3人のトライアングルが絶妙にひびき合い、お互いを想う“家族”の世界をぜひ体感してほしい。
なお本公演は、公演終了後、大阪公演で収録された舞台映像の配信を2月12日(金)から2月14日(日)まで行う。
初日に向け、演出家の河原雅彦からコメントが届いた。
河原雅彦コメント
僕的に初めての朗読劇の演出です。いまだに加減やルールが分からないままですが、とにかくこのご時世ですし、シンプルに楽しいヤツを、との思いで作ってみました。
原作の持ついかんともし難い切なさ、優しさ、たくましさは、今回集まって下さった素晴らしい俳優さんが達が、実直な思いを胸に客席に届けてくれると確信しています。ま、言うても朗読劇ですので、肩の力を抜いてごゆるりとご鑑賞下さいませ。             

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