BMK インタビュー “逆境に負けない
グループ”がメジャーデビュー、シン
グル「モンスターフライト」に迫る

BOYS AND MENの弟分グループであるBMKが、2021年1月13日にメジャーデビューシングル「モンスターフライト」をリリースする。本記事では“凧のように逆風を受けるほど上昇する、逆境に負けないグループ”である彼らを紐解くとともに、コロナ禍で延期というアクシデントを経ての念願の“メジャーデビュー”について、メンバー全員(松岡 拳紀介、米谷 恭輔、佐藤 匠、中原 聡太、三隅 一輝)に登場してもらいたっぷりと語ってもらった。
――コロナ禍で延期となっていたメジャーデビュー日が、いよいよ1月13日に決まりましたね。紆余曲折を経たぶん、デビューできる感慨深さがあるのではないでしょうか。
佐藤:今年の夏にメジャーデビューする予定が延期になって、不安な時期もありましたけど、ようやくデビュー日が決まって本当に嬉しいし、これまで応援してくれたみなさんに心から感謝を伝えたいです! ただ、兄貴分であるボイメン(BOYS AND MEN)や、共にBOYS AND MEN 研究生として活動して先にデビューした祭nine.と同じフィールドでこれからやっていくんだっていう実感が個人的にはまだあまり沸いていなくて。こうして取材を受けることにもまだ慣れていなくて緊張していたりもしつつ、この初々しさは失わずに、初心を忘れずに活動していきたいなという想いもあります。
米谷:たくみん(佐藤)も言った通り、僕たちはもともとBOYS AND MEN 研究生として活動していて、兄弟グループである祭nine.が先にメジャーデビューを果たして。仲間を送り出す喜びはもちろんあったものの、正直言って悔しさもあったので、自分たちもメジャーのフィールドで活動していけることになってめちゃめちゃ嬉しいです。どうしても延期せざるを得なかったっていうもどかしさはありましたけど、これからよりたくさんの人を巻き込んでいくぞというワクワクと楽しみを胸に、デビュー日である1月13日に向けて自分たちをもっともっと磨いていきます。
松岡:最近はライブになかなかお客さんを入れることができず、配信ライブという形をとっているんですけど、それでも応援してくださる方たちがたくさんいてくれているので。僕たちだけじゃなく、日本全体がコロナで翻弄されていますけど、メジャーデビューが決まった今、やってやるぞ!っていう気合いに満ちています。
中原:このメンバーの中では、僕が一番BOYS AND MEN 研究生歴が長くて今年で活動7年目になるんですけど、メジャーデビューは自分自身の夢でもあり、BMKとしての夢でもあったので。このメンバーで、応援してくださっているみなさんと一緒にその夢がついに叶えられるんだと思うと本当に感慨深いです。
三隅:祭nine.が先にデビューしたとき、おめでとう!っていう気持ちももちろんある反面、自分が選ばれなかったショックもすごく大きくて。当時高校2年生だった僕は、ボロ泣きしながら学校に行ったんですよ。それだけに、今回のデビューはめちゃくちゃ嬉しいし、メジャーデビューという一度きりの貴重な機会を大切にしたいなと。先輩のボイメン、兄弟グループの祭nine.みたいに、全国各地でリリースイベントを開催することはコロナ禍ではできないですけど、「モンスターフライト」というめちゃめちゃ素敵なデビュー曲をいただけたからには、ひとりでもたくさんの人に届くように、メンバーみんなで考えて行動していきたいです。
――みなさんの熱い気持ち、とても伝わってきます。BMK(Big Monster Kite)のコンセプトは“凧のように逆風を受けるほど上昇する、逆境に負けないグループ”ということですが、みなさん自身が思う、グループとしての強みというと?
中原:ライブを中心に活動してきたからこそ、ステージに出たら誰よりも輝ける!っていう自信はあります。あと、これまでも“崖っぷち”をテーマに「がけっぷち純情」という曲をリリースしたり、会場を満員にしないとCDリリースができないっていう条件を課したり、自分たちを追い込んだ活動をしてきているので。挫折を味わってもド根性で頑張っていくんだ、ということをリアルに伝えられるはずだし、高い壁にぶち当たったときのやってやるぞ精神、反骨精神はどのグループよりもあると思っています。
――時に心折れそうになること、ないのでしょうか。
佐藤:いやぁ、全然ありますよ。もうムリ!って(笑)。
――そういうとき、どうやって乗り越えてきたのでしょう……。
佐藤:自分がダメだったら、ほかのメンバーに影響したり、迷惑をかけてしまったりするし。結果はもちろん、過程も全員が100%で頑張ったんだって誇れなかったら絶対にバレるんですよ。お客さんにはもちろん、事務所の社長やスタッフ、先輩であるボイメンメンバーにも。全員で足して100%では意味がなくて、100%が5人集まって500%にならないといけない。だから、結論としては……やるしかないんです!(笑)
三隅:だね(笑)。活動初期のころから応援してくださっている方もたくさんいて、2020年2月に名古屋センチュリーホールでデビュー発表を(延期前に)したときには、みんな泣いて喜んでくれたんですよ。そういう方たちのことを思うと、心が折れたとしてももう一度つなぎ合わせて、へこたれている場合じゃないぞ!と思うんです。
――ファンの方たちは、みなさんにとってかけがえのない存在なのですね。
全員:はい!
――加えて、お互いに支え合えるメンバーでもあったりして?
米谷:そうですね。最近では、役割分担も明確になってきて。もともとボイメンのファンだっただけにファンの気持ちがよくわかるたくみんは、BMKのYouTubeチャンネルの動画編集をしてくれているし、けんぱ(松岡)は元気担当だったりとか、そうちゃん(中原)は……。
松岡:愛されキャラであり、イジられキャラだよね(笑)。
佐藤:そうそう。お仕事現場じゃなくて、5人だけでいるときにもイジられキャラを発揮するからね。
松岡:楽屋にいるときとかもね。
米谷:僕らは知らない、そうちゃんの地元の友だちにもイジられるんでしょ?
中原:うん(笑)。なんだろうね、どこに行ってもイジられる(笑)。
――中原さんはムードメーカーなのですね。
三隅:そうちゃんがいると絶対楽しくなりますから(笑)。
米谷:そういうみかちゃん(三隅)は、賢いし真面目男子なんですけど、楽屋では毒舌だったりもして。ステージ上でも、みかちゃんの入れるツッコミがいいスパイスになっていたりもします……SPICEさんでこれを言えて嬉しいです(笑)。
――うまいこと言っていただいてありがとうございます(笑)。リーダーである米谷さんは、やはりみなさんのまとめ役的な存在ですか。
三隅:ですね。メンバーが好き勝手にいろんなことを言ってもちゃんと拾ってくれるし、時にはうまいこと流してくれるし(笑)、いつでもまとめてくれますから。
佐藤:うん。みんなのことをちゃんといつでも見てくれていて、ありがたいなって思う。
米谷:いやいや……ラジオで僕がちょっとミスしたりすると、みんなで総攻撃してくるんですけどね!(笑) いい距離感で、お互いに支え合って、高め合っていけるメンバーです。
――お互いを理解して、尊重できるメンバー。素敵です。
米谷:そういう5人で約3年活動してきて、このメンバーであるっていうことも強みだよなとも思います。
松岡&佐藤:そうだね、うん。
中原:本当に、この5人でよかったと思います。
三隅:やめてよ、泣いちゃうじゃん!(笑)
――そんなみなさんのデビューシングル「モンスターフライト」表題曲は、先ほど中原さんが言っていた「挫折を味わってもド根性で頑張っていくんだ」という言葉通りの強くたくましいナンバーで、決意の言葉たちに高揚して、背中を押してももらえます。
三隅:そう感じてもらえたならすごく嬉しいです!
佐藤:キーチェックをして仮歌がきた段階では、夏にメジャーデビューをする予定だったわけですけど……その後紆余曲折あって考える時間がたくさんあったぶん、レコーディングするときにはいろいろな想いも重なって。延期になったことで、より全力で、全身全霊で歌えたような気がします。
中原:今まで僕らがどう過ごしてきたか、その歴史がギュギュっと詰まっている楽曲でもあるしね。僕らがBOYS AND MEN 研究生のころからお世話になっているYUMIKO先生が、祭nine.とわかれて活動してきたBMKの3年間を想って、石の上にも三年にかけて書いてくださった<あたため続けた石>というフレーズにしても、グっとくるものがあります。
三隅:わかる。僕は<曇天も雲ン上は快晴>っていうフレーズも好きなんですよ。頑張り続けていたらいつか結果は出るっていうことを信じて活動してきたし、そのひとつの結果がメジャーデビューでもあって。もちろん、ゴールではなく新たなスタートではあるんですけど、これからも<曇天も雲ン上は快晴>であることを信じて頑張り続けていきたいなと思います。
松岡:僕は、<こんなんじゃ物足んねぇよ>っていうフレーズを歌うというかしゃべっているんですけど、そこ、お気に入りですね。配信ライブではそのときそのときの気持ちをのせているこの言葉を、早くお客さんの前で直接届けたい!という気持ちも強くあります。
――音源で聴いても、とても熱い<こんなんじゃ物足んねぇよ>ですもんね。
松岡:もともとはクールな感じでいく予定だったんですけど、僕らしく熱くいかせてもらいました。
三隅:けんぱ(松岡)の声質にしかできない<こんなんじゃ物足んねぇよ>だよね。俺も好き。
松岡:ありがとうございます!(笑)
米谷:僕のお気に入りは、2番のサビ終わりの<いますぐ乗り込んでこい! Monster Kite>。みんなと一緒にいくよ、誰も置いてけぼりにしないよ、っていうメッセージがすごくいいなと思うので。今は配信ライブだけで直接は会えなくてもいつか絶対に会えるし、メジャーにいっても心の距離は変わらないからね、という気持ちで歌っていたりもします。
佐藤:僕はサビの<はみ出して>っていうフレーズが好きです。自分たち然り、「元気を与えたい」っていうグループはたくさんいると思うけど、メジャーデビューするからにはそれだけで終わりたくないなと思っていて。歌詞そのまま、<止まってたんじゃ 退化の一歩>だし、<図々しい!? 言われて凹んで 明日忘れろ>な姿勢で攻めていきたいです。この曲を聴くと、僕自身、すごく背中を押されます。
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――また、通常盤、初回限定盤A、初回限定盤Bには異なるカップリング曲が収録されていて、それぞれにガラっと異なる表情で魅せてくれますね。通常盤に収録の「ヒカリフル」は、「モンスターフライト」とは異なり、寄り添ってくれるような応援歌で。
三隅:そうなんです、「モンスターフライト」は頑張っている人の背中を押せるように力強く歌っているんですけど、「ヒカリフル」は頑張っている人に寄り添うような歌にしたくて。
――歌い方もまったく違いますよね。
三隅:まるで別人のようですよね(笑)。
中原:僕は2番サビ終わりの、<どうかキミの抱く夢が今日で終わらせないように>というフレーズがすごく好きです。ステージに立っている僕たちの姿を見て、夢に向かって頑張る姿ってかっこいいな、明日も頑張ろう、自分も夢を追ってみよう……そんなふうに思ってもらえたらいいな、という想いがずっと自分の中にあるので。
松岡:僕は、<諦めること 忘れきった みち その航路を 誰が奪えるだろう>というフレーズが好き。僕たちも祭nine.とわかれてからいろんなことがあって、でも諦めずにやってきたらメジャーデビューできることになって。諦めずにいたから歌える歌詞なんじゃないかと思うし、この先も諦めずに頑張るぞと決意を新たにした言葉でもあります。
米谷:僕は、自分が歌っている<降り止まない雨が ボクらを遠ざけて あるはずの約束 流していくけど>というフレーズが好きです。夏にメジャーデビューするという約束が延期となり、ファンのみなさんと会えなくなってしまった自分たちに重なって、すごく感情が入るんですよ。激しめのロックダンスはもどかしさを表現できているとも思うし、メロディ、歌詞、振付すべてがいいバランスで絡み合って、1曲を通して僕たちを語ってくれている素敵な曲になったなと思います。
佐藤:本当に。僕は<不意にこぼれた あのメロディ>というフレーズが好きなんですよね。不景気な時代、暗い時代って周期的に訪れるように思うんですけど、そういうときって閉塞感を打ち破るようなどでかいグループが現れて、エンターテインメントで世の中を明るくしているような気がするんですよ。今もまさに暗い時代なわけで、今度は自分たちが、いろいろな方の力をお借りしながら<あのメロディ>をみなさんに届けられるグループになれたらいいな、って思います。
――さらに、初回限定盤Aの「午後10時のon the road」では一途な恋心を切なく歌っていたり、初回限定盤Bの「BIG RAGE」は賑やかな自己紹介ソングになっていたり、みなさんの多彩な表現力に驚かされたりもします。
三隅:恋愛経験が乏しい僕は、「午後10時のon the road」を歌うにあたって感情移入がなかなかできなくて(苦笑)。恋愛リアリティショー番組をたくさん観て、恋愛感情を沸かせるところから始めました。ちなみに、歌詞は主人公の男の子が告白する前の気持ちで終わっているわけですけど、午後10時ということはその日が終わるまでにあと2時間あるわけじゃないですか。なので、告白してめでたく結ばれたバージョンと、結ばれなかったバージョンを想像しつつ、結ばれても結ばれなくても頑張った過程は素敵だし、それは夢を追う人にも通ずることだなって思いながら歌いました。
中原:なるほどね。僕は、恥ずかしいけど真っ直ぐで、伝えたいけどうまいこといかなくてっていう「午後10時のon the road」の主人公はどこか自分とリンクするなって思って。もし自分が同じ立場だったらどうだろうって考えながら歌ったら、YUMIKO先生に「めちゃめちゃ暗い」って言われてしまいました(苦笑)。すごく苦戦した歌ではあるんですけど、自分なりに新しい表現をできたような気はします。
松岡:僕はこういう純な恋愛ソングが大好きだし、この曲の歌詞はすごく想像しやすくて。<おちゃらけたいつもの俺じゃ どうせ素直に聞いてくれないんだろう?>と歌っていた1番、<おちゃらけたいつもの俺じゃない だから素直に受け取ってくれ>って歌う2番で、この主人公の成長を感じられるし、同じように片想いしている人たちはきっと勇気をもらえるんじゃないかなと思います。
佐藤:共感しちゃったりもするだろうね、きっと。<気が利かない & 言葉足らずは分かってるよ>って言って、<「好きだ」「好きだ」ってイメトレもちゃんと>していたのに、告白する前に<黙ってその手を握る>っていう、完璧にはいかない感じがかわいらしいし(笑)。
米谷:わかる(笑)。葛藤の中で気づいたら時間が過ぎていく様子、不器用だけどひたむきに誰かを想う主人公がていねいに描かれているこの曲、本当に素敵です。リズム感が難しくて僕もレコーディングでは苦戦したんですけど(苦笑)、こういう綺麗なバラードは自分たちにとって初挑戦なので、楽しくもありました。
松岡:「BIG RAGE」のほうは、自己紹介ソングということで自分たちで歌詞の案を出したりとかもしてね。
佐藤:おかげで、なかなか的確にそれぞれのことが描かれていると思います(笑)。
三隅:BMKのことをまだ知らない方も、「BIG RAGE」を聴けばメンバーそれぞれのキャラがわかると思うので。
中原:お客さんを入れてライブをできるようになったら、メンバーそれぞれの見せ場も作れると思うので、楽しみにしていてほしいです。
――「モンスターフライト」でメジャーシーンに羽ばたくBMKが、この先どんな夢を描いているのか、ということも気になります。
米谷:状況次第ではあると思うんですけど、まず、お待たせしてしまったファンのみなさんに直接「メジャーデビューしたよ」という報告をしたいですね。そして、いずれはBMKがまだやったことのない全国ツアーを開催して、僕たちの熱量を各地に直接お届けしに行きたいなと。BMKのことをたくさんの方に知って、愛していただきたいし、困難な時代でもみなさんを笑顔にできる存在になれるように、これからよりいっそう励みます!

取材・文=杉江優花 撮影=大橋祐希

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