一期一振を演じる本田礼生 ヘアメイク:横山裕司(Lomalia)/スタイリスト:津野真吾(impiger)

一期一振を演じる本田礼生 ヘアメイク:横山裕司(Lomalia)/スタイリスト:津野真吾(impiger)

【インタビュー】舞台『刀剣乱舞』天
伝 蒼空の兵 -大坂冬の陣-、一期一
振役・本田礼生 「今まで見たことが
ない一期一振の一面が見られる」

 名だたる刀剣が刀剣男士と呼ばれる個性豊かなキャラクターとして登場し、歴史上の戦場を駆けめぐりながら部隊を編成・育成するシミュレーションゲームを原案とした舞台『刀剣乱舞』(以下、刀ステ)の最新作、舞台『刀剣乱舞』天伝 蒼空の兵 -大坂冬の陣-が1月10日から上演される。シリーズ初となる2作連続上演の先陣を切る本作で一期一振を演じる本田礼生に、シリーズ初出演への心境や意気込みなどを聞いた。
-シリーズ初出演となりますが、出演が決まったときの心境は?
 シリーズが長く続いている作品は、ファンの方々と一緒に作り上げている部分が少なからずあると思うんです。その中に新しく参加するというのはとてもいいことでもあり、難しいことでもあると思っているんです。そして、それが一つの楽しみでもあり、不安でもありました。刀ステの魅力は殺陣だという印象もありますが、僕はドラマ(物語)が一番の魅力だと思っています。刀剣男士とその刀剣に関わっていたあるじとの関係や葛藤を演じられるのはとても楽しみです。
-一期一振に対するイメージと本作での見どころは?
 爽やかで落ち着きがあって、藤四郎兄弟の長兄としてたくさん弟がいるので「お兄ちゃんらしさ」があり、穏やかで優しく上品なイメージがあります。ただ、刀剣男士として強いところだけでなく、過去にはいろいろな出来事があり、抱えているものもあります。そういった人間らしいところも魅力だと思っています。本作では、豊臣秀頼が登場するので、一期一振も思うところが出てくることでしょう。今まで見たことがない一期一振の一面が見られると思います。
-ビジュアル撮影で衣裳に袖を通したときはどんな気持ちでしたか。
 やはり背筋が伸びました。ピンと(笑)。一期一振としてりんとしつつ、穏やかだけど、戦いになったときの強さや、キリッとする部分などいろいろな思いが入ってきて、刀剣男士になったんだという実感がとても湧きました。
-本作の見どころは?
 客席が360度回転するIHIステージアラウンド東京が劇場ということではないでしょうか。僕は以前に観劇で訪れたことがありますが、それでも劇場見学に行き、客席を回してもらったときには「すげー!」となりました(笑)。それと劇場の奥行きや高さもかなりあるので、今まで見たことのない高さのセットになると思います。それだけでも迫力があって見る価値があると思います。
-本作の公演後に「大坂夏の陣」の公演が連続で行われるというシリーズ初の2作連続上演となりますが、そのことについてはいかがですか。
 そこに重きを置いているわけではないですが、やはり意識しているところがないわけではありません。もちろん本作だけでも完結した物語として楽しめますし、「大坂冬の陣」の後に「大坂夏の陣」を見ていただけたら、つながりがより分かってさらに楽しめると思います。
-稽古はどのような状況ですか。
 大きな劇場なので実寸での稽古はできないですし、稽古場に劇場とほぼ同じセットを組むことができないので、脚本・演出の末満(健一)さんが、「本作は全員で想像力を働かせないと実現しない舞台になっている」とおっしゃっていました。セットの模型の客席を手動で回しながら、僕らは景色を想像しながら稽古をしているので、そういった意味では難しさも感じています。ですが、末満さんはビジョンを明確に伝えてくださるので、こういう想像力を働かせる必要がある作品でも、末満さんが先導してくださることで座組みがガチッとまとまっています。
-殺陣に対して準備していることはありますか。
 日本刀を持つ役というのが2作品目になるので経験値は低いですし、今回は殺陣が何百手もあるということで、そこに対して周りに不安を抱かせたくないですし、何よりも刀剣を持っている時間が自分に一番足りないと感じているので、日常生活でも木刀や刀剣を持って家の中で歩いています。常に身近に置いています。そのかいもあって最近はかなりなじんできています。
-藤四郎兄弟の長兄にあたる一期一振が、鯰尾藤四郎、骨喰藤四郎と共演することも楽しみです。演じる前嶋曜さんと北川尚弥さんの印象は?
 尚弥とは別作品で数年前に共演していてよく知っているので、久しぶりに一緒になって頼もしくなったなという印象でした。曜ちゃんとは今回が初共演ですが、すごく努力家だと感じました。2人とも僕より年下なので、本当の弟のように見えています(笑)。
-前嶋さんと北川さんとの稽古はいかがですか。
 「兄弟感」というのは何だろうというのを3人で議論しています。僕も男3人兄弟の末っ子なので分かるんですけど、それはシンプルなことで、気を遣わない仲というか。普段は見せない一面が出たりとか、ちょっと柔らかくなったりとか、他の刀剣男士に対してこうは言わないけど、兄弟だったらこう言うとか。そういう点でも台本を解剖しながら議論ができているので、3人そろってお芝居をするシーンは今から楽しみです。
-いまだ新型コロナウイルスの影響が大きいですが、稽古場ではどのような対策がされているのでしょうか。
 稽古中のマスクはもちろんのこと、座席に仕切りがあったり、飲食に関しても厳しく制限されていたり、木刀の貸し借りをしないなど、あらゆる面で徹底されています。演劇的な部分でやむをえないところはありますけど、それをやるならもっと対策を徹底しなければという意識が稽古場の中にすごくあるので、そこはお客さまにも安心していただけると思います。
-自粛期間を経て、演劇や本作に対してどのような思いがありますか。
 このご時世に、演劇を行うという行為自体がすごく矛盾していると思うんです。人を集めて、人前で大きな声を出すのが演劇なので。ですが、舞台を見に来てくださる方にパワーを与えられることって絶対にあると思いますし、それがエンタメの一つの本質でもあり、演劇界の後押しになるとも思っています。僕個人だけでなく、そして舞台『刀剣乱舞』だけに限らず、演劇界の一つの挑戦だという思いは少なからずあります。
-改めて、公演への意気込みをお願いします。
 人気のあるシリーズ作品で、初出演ながら座長を任せていただけることをとても光栄に思っています。一期一振という役はとても大好きで、稽古で演じていてとても愛せますし、たくさんの方に見ていただきたいと思えるものになっています。暗いニュースが多い昨今ですが、本作を見ることによって何かしらのパワーの源になってもらえればうれしいです。そして何よりも、本作が成功することが「大坂夏の陣」への最高のバトンパスだと思うので、全力を尽くしますので、応援のほど、よろしくお願いいたします!
(取材・文・写真/櫻井宏充)
 「TBS開局70周年記念 舞台『刀剣乱舞』天伝 蒼空の兵 -大坂冬の陣- Supported by くら寿司」は、1月10日から3月28日まで、都内・IHIステージアラウンド東京で上演。
公式サイト https://stage-toukenranbu.jp
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