一都三県を対象とした緊急事態宣言を
受けて緊急事態舞台芸術ネットワーク
が声明文を発表

「緊急事態舞台芸術ネットワーク」( 英語名:Japan Performing Arts Solidarity Network)は2021年1月7日、「一都三県を対象とした緊急事態宣言発出を受けて」と題された声明を発表した。
「緊急事態舞台芸術ネットワーク」とは、2020年2月26日に政府による突然の自粛要請を受けて以来、公演の中止延期が相次いだ舞台芸術界が危機的状況であるとの認識のもと、国内 223 の舞台芸術関連団体により緊急的に形成された業界ネットワーク。今回発表した声明(全文)は次のとおり。
一都三県を対象とした緊急事態宣言発出を受けて
2021年1月7日  緊急事態舞台芸術ネットワーク
このたび菅義偉内閣総理大臣により発出されました「一都三県への緊急事態宣言」を受け、緊急事態舞台芸術ネットワークといたしましても、舞台芸術活動従事者に対して、より徹底した感染対策を講じ、お客様により安心安全な鑑賞環境を提供していただくよう、今⼀度、呼びかけを図ってまいる所存です。
国内223の舞台芸術関連団体が参加する当ネットワークでは、昨年5月の発足当初より、感染拡大防止のためのガイドライン作成や周知、各種支援策に関するサポートなどを行ってまいりました。とりわけて、公演における感染対策徹底の呼びかけについては、恐らく各業種でも最も厳しいレベルの対策を取っており、把握する限り、現在まで、劇場内観客席でのクラスター感染は起きておりません(※)。
これも、業界全体が常にガイドラインを遵守し、感染予防に努力を傾けてきたこその成果と考えております。なお、イベントにおける感染が低リスクであるという事実については、昨日6日、西村康稔内閣府特命担当大臣が定例会見にて、スーパーコンピューター「富岳」での科学的検証を引かれ、示されている通りです。
一方で、昨年2月のイベント自粛要請に端を発する、公演延期や中止に伴う金銭的・人的損失そのものは、拡大の一途を辿るばかりです。舞台芸術界も、多くの業界と同様に、大元からの受注で生計を立てる更に「中規模」「小規模」のスタッフ会社やフリーランスの存在があります。公的その他さまざまなご支援には感謝しつつも、いまもって膨大な数の人間が、生活に困窮し続けていることが現状なのです。
今般の宣言によるイベント開催制限の厳格化についても、真に実効的で必要な制限にとどめるよう政府・自治体にも要請を行って来ました。発出を受けてまずは各項目を精査し、具体的な対応策を検討、構築してまいりますが、同時に、政府に対して、現場の困窮と新たに発生する損失への必要な支援を求めてまいります。
今、崩壊しかかっている、いかなるところのいかなる人々の日々の営みも、ともに回復されていかなくてはならない、その思いは従前のままです。「密」を避けるがゆえに「鬱」になりつつある社会において、舞台芸術も含めて「文化」は、失ってはいけない人間の「心」そのものであると思っております。
舞台芸術の力が多くのお客様の日々に潤いをもたらすと信じ、引き続き社会に寄り添いながら、安心安全に「劇場の灯」を灯し続けることに一意専心してまいります。何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
末筆ながら、日夜、新型コロナウイルスと向き合う医療従事者の皆様、そして感染終息に向けてご尽力されておられる皆様お一人おひとりに心から御礼申し上げます。
※昨年7月に演劇公演のクラスターとして報道された新宿の事例は、その後の調査報告で来場者参加のゲームイベントであったことが判明している。
https://www.zenkoubun.jp/info/2020/pdf/0803covid_19.pdf

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