市倉有菜&巴山萌菜がコラボオンライ
ンライブ開催決定インタビュー「今で
きることはすべてやりたい」

アニメ『アイカツ!』の歌唱担当“ゆな”“もな”としてSTAR☆ANISでも活動していた市倉有菜&巴山萌菜がSPICE初登場! 現在はソロ歌手として音源をリリースし、巴山さんはRe:versedとしてドラマ『賭ケグルイ』のOPテーマ「一か八か」を担当するなど、それぞれ意欲的に活動する二人が2021年1月にコラボライブの配信を発表。出会った当時のエピソードや、歌にかける思いなど語ってもらった。

◆「アイカツ!」の歌唱担当で「歌える曲の幅が広がった」
――SPICE初登場ということで、まずは簡単に略歴からお聞きしていきたいと思います。お二人にとってお仕事として歌を歌うのは、「ディアステージ」に入って『アイカツ!』の歌唱担当になってからが初めてだったんですよね。
市倉:私はそうです。
巴山:私も初めての歌の仕事は『アイカツ!』でした。
――ディアステージに入る前から歌手になりたいという強い気持ちがあったんですか?
市倉:私は石川県出身なんですけど、小さいころから歌手になりたくて、めちゃくちゃオーディションを受けていたんです。だけどぜんぜん受からなくて、それでも絶対に歌手になりたいと思ってとりあえず東京に出てきたんですね。当時すごく流行っていた秋葉原のメイド喫茶なら歌も歌えるという話を聞いてメイド喫茶で働くようになって、そこでディアステージの話を聞いて絶対に働きたいと思ったんですけど、2回落ちていて。
――一筋縄ではいかなかったと。
市倉:本当にそこに賭けていってるんで。3回目に受けてから「連絡が返ってきてないんですけど、落ちているなら落ちているって言ってください」って電話して。5分くらい経ってから折り返しの電話をもらって合格したので、あのとき電話して良かったなと思っています(笑)。
――熱いエピソードありがとうございます。巴山さんは?
巴山:私は幼いころすごく引っ込み思案で、人前で何かを表現することとか何かをすることにものすごく勇気がいる、なかなか前に一歩踏み出せないような子供だったんですよ。だけど、もともと歌うことは大好きで、家族とか友だちとかにいろいろなきっかけをもらって歌手になりたいと思って。歌手の絢香さんの歌に自分も支えられてきたから、絢香さんのように歌を歌いたいと、音楽の学校に通いました。卒業してから音楽仲間でユニットを組んだりしていたところ、『アイカツ!』の歌唱担当のオーディションというか、そういうお話があると聞いてお仕事を始めたという形です。
撮影:加藤成美
――SPICEのアニメ・ゲームジャンルでのインタビューになりますので、読者の方には『アイカツ!』で歌唱担当、STAR☆ANISで活動されていた二人という紹介がいちばんピンとくるのかなと思います。せっかくですので、当時の経験で、現在のソロ歌手としての活動につながっているなと特に感じているものなどあればお聞きしたいなと。
巴山:私はアニメ『アイカツ!』のお仕事をするまで、アニメとかアニソンをまったく知らないで生きてきた人間なんですね。『アイカツ!』と出会ったことによって、こんなに素敵なアニソンがあるんだ。こんなに感動するアニメの世界があるんだということを知って、シンガーとして活動していくなかで、ポップスのシンガーのほかにもうひとつジャンルが増えたというか。一般的なJ-POPとアニソンの両方を歌えるようになったことがすごくありがたいなと思っています。
市倉:私はレコーディングをさせていただくのももちろん、私はちゃんとしたお仕事ということ自体『アイカツ!』が初めてで。私は4人の歌唱担当をさせていただいてたんですけど、やっぱりキャラクターと声優の方がありきなので、どのようにすれば違和感なく歌声をお届けできるかと考えて、私が普段しないような歌声を出せるようになれたというか。「私ってこういう歌い方もできたんだな」みたいな。(レコーディングで)ディレクションしていただきながらできるようになりました。聴くジャンルもそうですけど、自分が歌える曲の幅が広がったなと思います。
巴山:私もキャラクターに合わせて声色を変えたり、キャラクターをイメージして歌うことということを学ぶことができたのは大きかったです。「今度このカバー曲はどうやって歌おう」となったときに、自分の歌いたいように歌うだけでなくて、その楽曲や作品をイメージしてもっとかわいく歌ってみようとか新しい表現をしようとか、シンガーとして活動するうえでの表現の幅が広がるきっかけになりました。
◆STAR☆ANISでの活動で「22時くらいまで一緒に練習していた」
――アニメの本編では、アイドルとして、芸能人としての心構えを説くようなエピソードもけっこう出てきますけど、そういうところからの影響もあったりは。
市倉:めちゃくちゃ受けました。受けたよね?
巴山:うん。
市倉:本当に、自分がその子になっちゃっているから、1話ごとに「うわっ!」って思うこととかすごくあって。そのなかでも、とくに私たち、萌菜ちゃんとやっていたのは1期だったので、STAR☆ANISができるまで、(星宮)いちごちゃんがスターの階段を上っていく道のりが表れていて。作中でケンカしたりする話もあったりするんですけど、「仲間っていいな」って。ライバルなだけじゃないんだな。みんな敵じゃないということを学びました。
巴山:私も影響を受けたし、自分が担当しているキャラクターの歌が自分自身にも響いてくるというか。キャラクターとリンクしているから、もう、毎回が感動で。「まさに今の自分だ」と思って歌いこんでいました。歌唱担当のお仕事を経ていくうえで、巴山萌菜自身もアニメと一緒に成長しているからこそ、より意味の深い歌が歌えたなと思います。
――市倉さんが「仲間っていいな」とおっしゃっていましたが、当時のお二人の関係はどういった距離感だったんですか?当時から、一緒にコラボライブをしたいと思えるような仲だったとか。
市倉:いや……。
巴山:あはは(笑)。
――ちょっと穏やかじゃない感じ……ではないですよね?(笑)
市倉:いや、お互いに嫌いとかじゃないんですけど、確実に距離はあって。分かりやすくいうと挨拶くらいしかしない、みたいな感じだったんですよ。
巴山:先輩と後輩みたいな。
市倉:萌菜ちゃんって最初からめちゃくちゃダンスも歌も上手だったんですよ。今でもすごく覚えてるのが、私が萌菜ちゃんのバックダンサーとしてのステージがあって。私はダンサーで入っているのにいちばん下手だったんです。萌菜ちゃんと一緒な振り付けだったんだよね。
巴山:うん、同じ側の。
市倉:それで、できない自分が悔しすぎて、練習の途中で「うわーっ」て泣いていたら、萌菜ちゃんが22時くらいまで一緒に練習してれたことを未だに覚えていて。そこでけっこう私はグッとなった感じがありました。
巴山:一緒に練習していたのは覚えているけど、そんなに遅くまで残っていたんですね。
市倉:「やりましょう」って言ってくれたんだよ、萌菜ちゃんが。
巴山:私はあとから歌唱担当として入って、後輩としてこれまで守ってきた先輩の「アイカツ!」というものを自分が入ったことで崩さないように、さらに盛り上げていけるようにということを考えながらやっていましたね。最初は先輩ってどんな人なんだろう、ドキドキするな……みたいなところはあったんですけど、有菜さんはすごく優しく話かけてくれたり。
市倉:本当? 大丈夫だった? それまで私からけっこう距離を取っていたところは良くなかったなという気がしていて。
巴山:私から見たら、そんな距離感は感じなかったんですよ(笑)。練習が終わったら一緒に帰ってくれたりとか。そのときに、歌が好きという共通点があって話もしていたし、私はそれが嬉しかったです。もちろんほかのみんなも歌は大好きなんですけど、シンガーとして将来やっていきたいという仲間に出会えたことがうれしくて。本当に有菜さんがいて良かったし、今こうやってライブをしようという話になるのも、当時から歌に対して熱意があることを知っていたことが大きいと思うから。一緒にやってくれてありがとうございます。
市倉有菜 撮影:加藤成美
◆ライブでは「今できることはすべてやりたい」
――当時のいい話はいくらでも出てきそうですが、それだけでいただいている取材時間がいっぱいになってしまいそうなので、今回のの話に移りたいと思います。そもそも、今回この二人でライブをしようという話はどういうきっコラボライブかけで出てきたんですか?
市倉:そもそものきっかけはかなり前に……。ささかまリス子さん(『アイカツ!』では神崎美月の歌唱を担当。現在は3人組ユニットMia REGINAとして活動)が「二人は歌が好きだし、志も一緒で歌をやっていきたい人たちだから一緒にライブをやればいいよ」と言ってくれたことがあって。歌うジャンルも違うので、いろいろなことができるんじゃないかな? と提案してくれたことがあったんです。そういうことがありつつ、二人でいろいろ考えて一緒にライブをやりたいねという話になりました。
巴山:本当は有菜さんと一緒にライブするんだったら、会場をお客さんでいっぱいにしてライブがやりたいという気持ちがあったんですけど、コロナの影響でお客さんを呼んでライブするのはどうかなということを考え始めて。だいぶ悩んだ点ではあるんですけど……。
――配信ライブではありますが、「青山RizM」という会場を借りて行うということで、しっかりしたライブを作ろうという意思が見える部分もありますね。
市倉:こういうときにこそ、一人ひとりの持ったものを、さらに良い形で。「私たちは歌いたいんだぞ!」という気持ちをお届けできるライブになれたらいいなと。ちゃんとしたライブ会場もあって、配信ライブという形を取らせていただいた所存です。
巴山:(笑)。私も一緒で、有菜さんとやるならちゃんとやりたいという気持ち。どんな形が「ちゃんと」というのかわからないけれど、ライブハウスで二人でステージに立って歌いたいと思っていたので。だから、出し惜しみもせず、ね。
市倉:今できることはすべてやりたいなと。そういう気持ちですね。
――「できることすべて」のなかで、どういうことを考えているのか、言える範囲で教えていただけますか?
市倉:そうですね、アカペラをちょっと入れてみたりカバーをしたりとか。たぶん、お互いそうなんですけど「萌菜ちゃんってこういう歌が歌えるんだな」とか「有菜ちゃんってこういう歌が歌えるんだな」とか。「二人になったらこうなるんだな」「こういう魅力もあるんだな」ということを、たぶん皆さんあまり想像できないと思うので、感じてもらえるように。それぞれソロで歌う時間もありますけど、今持っているすべてを出せるような形にしたいと思っています。
巴山:そうですね、うん。観てくれている人たちが、どんな想像を膨らませてくれるのかなというところも楽しみにしています。
巴山萌菜 撮影:加藤成美
◆「本番で合わさったときにどう覚醒するかがものすごく楽しみ
――なるほど。そんなお互いの歌について、どういったところを魅力だと思っていますか?
市倉:私は、萌菜ちゃんは本当に本当にていねいで、歌詞をすごく大切に歌う方なので。オリジナルもカバーも、歌詞がダイレクトに入ってくるんです。私が同じ曲を歌ってもこうはならないなというか。萌菜ちゃんの歌に対する真摯(しんし)さとか、この曲のこういうメッセージを伝えたいんだということが聴いていてすごくわかる、本当に素直で実直な歌を歌う方だなと思います。
巴山:有菜さんはとにかくパワフルで、歌い方に芯があって。聴いてくれているみんなに元気というか勇気というか…とにかく歌が好きだっていう熱量が伝わる歌い方とか、私にはないところをたくさん持っていて。実際に有菜さんのオリジナル曲を聴いたり、今回カバーしたい候補曲のリストとかを見ても私が選ばない曲がたくさんあって。有菜さんの良いところも学ばせていただきながらやっていきたいなと。
市倉:ウヒャー。
――すごい声が聞こえましたけど(笑)。
市倉:それはこちらこそですよそんなのは。こちらこそですよ。
巴山:(笑)。でも本当に、有菜さんの歌を聴いていると元気になるし、お話していても“有菜さんワールド”がありますし。歌いながら感極まって涙しちゃうみたいな、そこまで気持ちがあふれるような感情移入の仕方とか、そんなふうになっても歌いきれるところも素晴らしいなと思います。
――コラボライブの完成形がある程度見えていてそこに向けて仕上げていく感覚なのか、想像を超えそうなわからない部分が大きいのか、現時点でどういった感触ですか?
市倉:曲を選ぶときにも、二人で歌うならこんな感じだなというイメージはできているんですけど、たぶん歌ってみると……さらに良くなると思います!
巴山:私もイメージはできているし、リハーサルとかもするけれど、本番で合わさったときにどう覚醒するかがものすごく楽しみなところではあります。
――では、もう本番を観て確かめるしかないと。ちなみに、配信ライブのやり方として、配信サービスの機能やTwitterなどを使ってコメントを読めるようにしている方もいれば、カメラの向こうを意識しつつ通常のライブのように歌を届けるという方もいます。お二人はそのあたりどういったイメージで考えていますか?
市倉:自分たちのなかでこういうライブにしたいというのは決めていたんですけど、話してみたら意外と「そういうのじゃないよね?」という話になったんですよ。曲数を多く詰め込むだけじゃなくて、せっかく配信でやるからコメントとかいただけるのであれば、読む時間とかもあったほうがいいよねって。
巴山:歌うこと以外にも面白いことができたらやっていきたいなと思っています。コメントを読むなり、普通にライブハウスでお客さんを呼ぶ形じゃないからこそできる演出も考えてやれたらいいなと。
撮影:加藤成美
◆「画面越しであろうと『あなたに届けているんだよ』と」
――なにかそういう参考になるようなもの、たとえば配信ライブでご覧になったものとかありますか?
市倉:私はツイキャスとかニコ動とかは観てますね。
巴山:私はめちゃめちゃ観てます。Uruさんのライブがすごく衝撃だったのと、この間のamazarashiさん(12月12日「末法独唱 雨天決行」)はまだ見れてないですけどチケットを買っていて。歌だけじゃなくて人気声優さんの朗読とか、舞台も友人の舞台に足を運べなくてオンラインで観たりとか。かなり私はオンラインで観ています。
――そういったものを観る側の立場で、配信ライブのメリットやデメリットに感じることとかありますか?
市倉:私はライブを観ていて、カメラ目線をくれたりするとめちゃくちゃ「ハッ!」ってなっちゃって。私だけを観てくれたぞっていうのがあって。配信なので全体像ももちろんあって、カメラで抜いていただくわけなんですけど、一瞬でもそういう時間があると嬉しかったので、そういう気持ちになっていただけるような人間だといいなと思っています。
巴山:なかなか観られないものを観られるという点では配信はすごく良いなと思うんですけど、ライブだから体感したいという気持ち的には、足を運びたいと思っちゃいます。でも、映像でしか観られない何かが。たとえばアフタートークとかオフショットとか、そういう付加価値があると嬉しいと思います。あとは、映像の演出とかですかね。この人これまでこんなことやったことないのに……! みたいなことが観られると楽しいと思います。
――2020年はいろいろな方が配信ライブをやって、画面越しで思いや熱量を伝えるための試行錯誤をしています。そういった部分で、やろうと思っている演出や意識していることはありますか?
市倉:演出……というとまたちょっと違うような気がするけど、ただ立って歌っているだけでは確実に届かないなとは思っています。それは自分の実力のなさなのかなとも思うんですけど、それこそ萌菜ちゃんが言っていたみたいに座って観たりとか、画面の見え方をを変えてみるとか、いつもやらなさそうなことを何かやれたらいいなと。
巴山:私は最近も動画配信をほぼ毎日やっていて。画面の向こうの人と話すことが多いんですね。動画配信サービスがコメントを返してくれてお話ができるようなものになっていることもありますけど、画面越しではあったとしても私からしたら伝え方は変わらないし、目の前にお客さんがいるのと同じように歌を伝えないと画面の向こうには伝わっていかないと思っていて。だから、画面越しであろうと「あなたに届けているんだよ」ということはひとつの強い意志として持っていたいです。お客さんからしたら、それを体感できないから、そこをどういうふうに楽しんでもらうかというところが演出や見せ方の部分になると思うんですけど。
――そのあたりで気負う部分はなくライブに臨めると。
巴山:気負うことはぜんぜんないですね。夏に3カ月連続のオンラインワンマンライブをやったんです けど、初めて無観客でやったときは「あ、いつもと違う......」となりました。やっぱり最初はあの無観客の空気感が。「手拍子してよ......」って(笑)。でも、その経験も踏まえて目の前にお客さんがいなくても、お客さんが観てくれているのは、リアルでも無観客でも私だから、しっかりしなくちゃと。今回は有菜さんとやるライブだから、ひとりでオンラインライブをやるよりもっと楽しんでもらえるものになると思っているし、有菜さんと一緒にやることに今回の意味がめちゃくちゃあると思っています。
――ライブは2021年1月31日、お二人の年明け一発目のライブになるということになるんですかね?
市倉:私はそうです。
巴山:私もです。
――それでは景気よく1年をスタートできるライブになるように、最後に意気込みをお聞かせください。
市倉:歌が大好きな二人がお届けするライブなので、楽しみにしていただけたら嬉しいです。
巴山:私も同じで、歌が大好きな有菜さんと今回ライブができるということが本当に楽しみだし、待っていてくれている人もたくさんいると思うので、期待以上のものをお届けできるようにがんばりたいと思います。観た方が「いつかまた生で観たい」と思ってくれたら嬉しいです。
撮影:加藤成美
インタビュー・文: 藤村秀二 撮影:加藤成美

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