2020年はみなさんにとってどんな1年になりましたか? DIGLE MAGAZINEでは、今年を振り返る年末の特別企画として、アーティストやDJなど様々な方に、ベスト・トラックや、2020年をどんな風に過ごしたのかをお伺いしました。
第23回目は、音楽家・
が登場。

PROFILE 全楽曲の作詞・作曲・編曲・全演奏・録音を一人で行う、新鋭の音楽家。16歳から楽曲制作を始め、今後発表されるであろう未発楽曲はすでに300曲以上。現代人の内面を鋭く抉りだした独特の詞世界、90年代を彷彿とさせるキャッチーなメロディラインを、先鋭的なサウンドプロダクションにのせ歌う。その楽曲からは歌謡曲に由来する歌心も感じる、新しさと普遍的な良さを兼ね備えたポップスで、SpotifyやApple Musicなどのストリーミングサービスを中心に注目を集める。Bon Iver、Dirty Projectors、James Blakeなど海外ミュージシャンを敬愛する音楽愛好家でもある。

Best Tracks of 2020

タケトモアツキ:
今年はコロナの影響もあってか、即効性や目新しさよりも、自分の生活にいかに寄り添ってくれるか、という普遍性や優しさを音楽に求めていた気がします。国内だと藤井風さんの登場に驚かされました。すでに去年末『何なんw』を聴いて友達にオススメしまくっていたくらい衝撃的で、さてアルバムはどうなることかと首を長くして待っていましたが、『優しさ』でコテンパンにされましたね。久し振りにコテンパンにされた気がします。Moses SumneyとMac Millerのアルバムもよく聴いていました。前者は去年からの流れというか、肉体性のあるアグレッシブなグルーヴを楽しめる作品で、後者は結果的に遺作になってしまったということで勝手に思い込んでいるだけかもしれませんが、そこはかとなく感じられる”終わり”の空気感に胸が締め付けられる作品という、何だか対照的な二作品ですね。HONNEの「no song without you」とかPeter Cotton Taleの「Do Your Thing」なんかは最初聴いたとき泣きそうになりましたね、なんか当時の閉塞感も相まって。こう振り返ってみると全体的に3月~6月あたりの、緊急事態宣言、自粛していた期間周辺のリリースを多く選んだ気がして、やはり記憶と音楽ってリンクしてしまうものだと思いました。曲順はランキング的なことではなく、流れとして気持ちよく聞けるように考えて選曲しました。プレイリストとして気に入っています。

タケトモアツキの2020年

2020年はあなたにとってどんな1年でしたか?
タケトモアツキ:
年末にこういった企画に参加できる時点で、僕にとっては大きな飛躍となった一年だと思います。去年バンドを解散して、そこからどれだけの時間をかけてでも、自分が求める最高の作品を作ると意気込んで、ひたすら自宅で制作に打ち込んでいたので、去年末とかは本当に廃人でした。来る日も来る日も制作、でも全然求めている作品に辿り着けない、才能ないのかな、と長らく燻っていました。そういった経緯もあり、元々今年は制作に重きを置いた活動をするつもりでいたので、そもそもライブをする予定もなく、音楽活動に支障はありませんでしたが、音楽リスナーとしては、本当に辛い一年でした。それでも自粛期間、丸二ヶ月を制作に充てられたことで『無口な人』という作品を完成させることができ、6年振りに本格的な活動を始動させることができたし、この作品を通して色々な人たちとの出会いもあったので、来年以降の展望も色々と見えてきて…音楽の可能性や価値、居場所が奪われたかのように感じられる出来事も多い今年でしたが、そんな状況を打破するのも、やはり音楽なんだと今は思っています。だから前を向いていこうよ、なんて気軽には言えないし、言うつもりもないけれど、それでも悲観するよりは、今だからこそできる音楽の楽しみ方、音楽との向き合い方を考えていった方が、僕はワクワクします。ずっとこのままなのは絶対に嫌だけど、今は今しか感じられない音楽の鳴り方(配信ライブなど含め)を、できる限り楽しむように心がけています。本当の光に気づくきっかけの一年だったのではないかと思います。みんながその光に気づくことができるような楽曲を作り歌い続けたいと思いました。いつかまた、ライブハウスで大合唱したいなあ、と何度も願った一年でした。
12月31日はどう過ごしますか?
タケトモアツキ:
紅白見るかな…?でも例年大晦日は毎年作曲作業していますね。あの独特な空気感の中でしか生まれないものがあるんです。それを捕まえないともったいない気がして。
2021年にやりたいことや予定していることは?
タケトモアツキ:
この原稿を書いている時点ではまだ完成していませんが、多分2020年内には2ndアルバムが完成しますので、上半期はそのリリースが中心になると思います。すごく手応えのある作品です。『無口な人』の時は、まだソングライティングやアレンジの面で詰められる余地があると思いつつ、その荒削りな部分も含めて作品の魅力と思いリリースしましたが、今作は結構やり切ったというか、現状の自分のスキルの全てを詰め込むことができた作品な気がします。だからこそ本当にたくさんの人に届いて欲しいし、出世作になって欲しいと強く願っています。どんどん先行シングル切るので、ぜひ毎月聴いてください。
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