【HERE インタビュー】
もっと自分の気持ちをさらけ出して
書くことができると思った
こんなにロックンロール
し甲斐のある時代はない
では、アルバムについて。「風に吹かれてる場合じゃない」から始まるのがすごく良くて。それ以降の曲の言葉やサウンドに見える覚悟、自信の裏づけを1曲目でしっかり歌えているから、その後の曲たちの聴こえ方や説得力が違ってきます。
尾形
確かに。この曲ができたことで、これまでの楽曲に説得力も出てくるかもしれないですね。あと、これまでのアルバムには13曲くらい入れてるんですけど、今回は10曲でコンパクトに収めたり、いつもはSEで始まっていたのを「風に吹かれてる場合じゃない」の3人だけの音からスタートさせたりしてて。お洒落な曲も最終的に歌詞でぶっ壊すのがHEREなんですが、「いらっしゃい」や「なんかいいね」では新しいアプローチに挑戦しながら、歌や言葉で一貫性を持たせることができたりと、完成したアルバムはかなり満足しています。
武田
僕は勢いとパワーがある曲も好きなんですけど、今回はグルービーな曲も多かったりしたので、技術的な面で成長できてたらいいなと思ってます。「BOON BOON BOONでPON PON PON」は最初に聴いた時に得意じゃないパターンという印象があったんですけど、最近よく聴いていたVulfpeckってバンドのサポートのギタリストのコリー・ウォンみたいなギター弾きたいと思って、そのテイストを無理矢理ねじ込みました(笑)。ちょっとファンキーなグルーブの曲になったのは新境地だったし、こういう挑戦ができると今後10年もバンドが楽しくなるし、ここからもより音楽的な楽しみ方をしながら作品を作っていきたいと思えた一枚になりました。
三橋
今までのHEREの延長上の曲もありながらアルバム中盤で新しい要素を提示できたのはすごく良かったし、いいアルバムになったと思います。
俺は「I Am Your Music」にグッときてしまって。ラストはライヴでシンガロングすることをイメージして作ったそうですが、そこに込められた願いに希望を感じました。
尾形
僕はライヴで一番好きなのが、SEが鳴ってみんながワーッとなる瞬間で。いつかみんなで大声が出せる日を本当に楽しみにしているんです。
アルバムや完成までの話を聞いてると、自粛があったからこそ今作に辿り着けたみたいなポジティブさもすごく感じました。バンドにとって大事な一枚になりそうですね。
武田
まさにその通りです。僕らは過去に「スーパーポジティブ」って曲も出してるんですけど、こういう危機的状況になった時の尾形の切り替えがすごくて。何でも前向きに考えられる才能の持ち主だし、尾形がバンドを先導してくれてるから俺らもやっていけてる。ライフワークとなっていたライヴを取り上げられた時、改めてライヴをやることの楽しさや重要さを認識しながら、あまり悲観的にならずに新しいことにも挑戦できました。配信ライヴという新しいメディアも使って、遠くの人にも自分たちの想いやメッセージを届けることができるのもすごくいいことだなと思えたし。
尾形
年明けの1月にはワンマンをやるって決めちゃってるし、12月にも収録ライヴの5日間連続配信が決定していたり、まだまだ新しいことに挑戦していきたいです。
武田
生でのライヴもまだ規制がある中で、今はまだ真っ暗闇の中をずっと走ってる感じではあるんですが、走れるだけ走ってやろうと思ってます。
うん、こんな時こそロックバンドの出番だと思いますよ!
武田
本当ですね。こんなにロックンロールし甲斐のある時代はないですから!
尾形
この状況でいかにサバイブできるかが大事だし、その生き方を率先して見せていこうと思ってます。やるしかないです!
取材:フジジュン
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アルバム『風に吹かれてる場合じゃない』2020年12月23日発売
HERE
- HERE-018
- ¥3,850(税込)
- ※CD+DVD
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『HERE 6th Album発売記念『風に吹かれてる場合じゃない』』
[2021年]
1/15(金) 東京・渋谷TSUTAYA O-WEST
ヒア:2008年活動開始。ハイテンションという名の“熱中”を追求するロックバンド。18年5月に結成10周年を記念して『ハイテンションフェス』を初開催し、私立恵比寿中学、9mm Parabellum Bullet、アルカラなど親交のあるアーティストが集結。同年9月にはZepp DiverCity(TOKYO)でバンド史上最大規模のワンマンライヴを敢行。20年12月に6thアルバム『風に吹かれてる場合じゃない』を発表し、21年11月にはCD+DVD盤の売上げを『Music Cross Aid ライヴエンタメ従事者支援基金』に寄付するプロジェクト『POWER TO JAPAN 2021』を立ち上げた。HERE オフィシャルHP
「風に吹かれてる場合じゃない」
MV
「最高ですから最強なんです」
MV
「BOON BOON BOONでPON PON PON」
MV