【門脇更紗 インタビュー】
私が作った主人公が
誰かの中で動いてくれたら嬉しい
制作する前に私の中で
“別にいいやん”って気持ちになった
そして、第二弾が「いいやん」。タイトルからも関西の人感があふれ出ていますね(笑)。
そうなんですよ(笑)。せっかく関西出身なんで“いいやん”って。
“ええやん”ではなく“いいやん”と(笑)。
この曲は打ち込みがメインのメロウなサウンドで横揺れが似合うナンバーですね。歌詞を見て思ったのが、コロナ禍に入ってから作られたのですか?
作ってたのはコロナ禍の前でしたね。完成させたのはコロナ禍に入ってからですけど、1月くらいに作った曲です。
そうだったんですね。そうなると普段はバリバリ仕事をこなして頑張っているOLが、休日に自分へのご褒美感覚で過ごす、何もしない一日を描いているように感じました。どんな発想からこの曲は出来上がりましたか?
制作する前に私の中で“別にいいやん”って気持ちになった時があって。その気持ちを軸に作っていきましたね(笑)。
あははは。でも、その小さな感情から楽曲が出来上がるのはすごいことですね。どうやって広げていったんですか?
♪いいやん〜というメロディーと言葉がハマったのがきっかけで。でも、歌詞の世界観としてはすごく頑張りすぎてしまう人にホッとしてもらえたらいいなと思って仕上げました。
では、この歌詞は実体験からくる気持ちですか?
全部ではないですよ。でも、《今日はダイエット気にしなくても》とかは自分が思うことだったりするので、そういう気持ちも散りばめられていますね。
聴いていて面白かったのが、1番のサビで《今日はウーバーイーツ頼っても》と歌ったあと、サビ終わりでチャイムの音が鳴ったり、2番のAメロは《夢のなかだけ順調にすすんでる》の“る”が夢から現実に押し戻されるような音にされていたり。
そうですよね! 編曲されたものを聴いた時、“うまいこと入れてきた!”って思いましたもん。“る”のところもおっしゃっていただいた通り、そうなんですよね。ライヴでぜひともみんなで♪いいやん〜って歌える日が来ればいいなと思っています。
ライヴ映えしそうな曲ですしね。最後に第三弾の「ばいばい」。この曲はこれまでの門脇さんの作品をいいかたちでブラッシュアップしている印象がありました。アコギとEDMを混ぜたサウンド、ダンサブルな要素も入っていて、曲が進んでいくにつれて元気になるというか、足が自然と前に動き出すような感覚があって心地良かったです。
この曲を作ったのは結構前なんですよ。曲の欠片をDropboxでスタッフさんと共有してて、“この曲をブラッシュアップしていこうか”と言われて制作に着手したんですけど、私自身がどんな曲か忘れてたくらいで(笑)。“何ですか、その曲?”とか言いながら聴いて“あ〜、あったな”と思い出すくらいでした。
歌詞は欠片の時から作っていたんですか?
作ってはいましたが、最初はワンコーラスくらいしかなくて。思い出しながら作って、歌詞も変えたりしながらフルコーラス作りました。
曲の雰囲気は欠片の時から想像した通りに仕上がりました?
こういう雰囲気になるとはあまり思ってなかったですね。この曲はブラッシュアップするとは全然思ってなかったので、スタッフさんに言われてから“こういう曲にしよう”と考えました。あまり長く感じさせない曲がいいと思って。“サクッと聴ける”と言うと違うかもしれないですが、配信ということもあったので、ダラダラと聴くよりスッと聴けるほうがいいと思って作りました。
サウンドが徐々に勢いを増していく感じも意図していたんですか?
1番と2番の歌詞がちょっと変わったり、歌い方もちょっと変わるんです。2番のほうが強気な感じが出るようにレコーディングしたんですけど、同時にアレンジもそうしていて。2番からどんどんとテンポが豪華になってくるので、ブワッ!と上がっていけばいいかなと思ってました。
歌詞に関しても先ほどおっしゃっていた「東京は」が門脇さんっぽいなど、みなさんが持っているイメージがたくさんあって。そういうイメージを保たなきゃ駄目なのかなと自分の中で葛藤しながら、新しい自分も出していかなきゃという想いをあえて“白いスニーカー”に例えているのかなと。
今まさにおっしゃっていただいた通りで。人からのイメージで例えば“純粋っぽいね”とか言われたら、それに対して裏切らないように生きたり過ごしたり。でも、今までそういうふうにしてきたことを覆して、新しい自分にするのは勇気がすごくいると思うんです。白いスニーカーを汚すのも同じように勇気がいると思うので、それと同じくらいの気持ちで強気に変われたらいいなと思って作りましたね。
新しいものを汚すのも勇気はいる、でも守り続けるのも良くないし。
分かります。門脇さんの歌詞は具体的に心に響いてくる言葉が選ばれていて、なおかつ主人公が見る景色や感情の揺らぎを疑似体験できることがとても魅力的だと思いました。作詞をする時に大切にしていることはありますか?
決して私が主人公ではなくて、聴いた人が想像する中での主人公が物語の中で動いてくれたらいいなと思っていて。“疑似体験”と思ってくださって本当に嬉しいです。共感もしつつ一冊の小説を読んだ感覚で、私が作った主人公が誰かの中で動いてくれたら嬉しいですね。
詞の中でもここだけは伝えたいというポイントがどの曲にも入っていますよね。
うんうん。難しいですけど、私らしい言葉に変換しようとは思っています。
言葉は実体験から出てくるのでしょうか? それとも誰かの話や本、映画などからインスピレーションされるのでしょうか?
体験からのほうが多いですね。自分の体験から“このお話を書こう”と。でも、補えない部分もあるので、それは映画を観たり、詩集を読んだりして補っています。
なるほど。経験を軸とした物語だから具体性が増しているんですね。サウンド面に関しても、弾き語りのバラード、ポップステイスト、EDMなど今回の配信だけでもいろんな色が楽しめましたが、これから挑戦してみたいサウンドはありますか?
基本的にバラードが一番好きだし、歌うのも好きなので、いいバラードを作りたいと思っています。表現が難しいですが、ちゃんと“今っぽさ”が引っかかる音とともにバラード曲をお届けできたらとは思っていて。あとは、ボサノバ! 『雨の跡』にも入っている「ばたふらい」という曲がそんな感じですね。新しいアルバムを作るとしたら、またいろいろと挑戦したいと思います。
門脇さんはジャンルを固めることはなさそうですね! 新しい曲も楽しみです。連続的に配信をしてきましたが、周りの反応はいかがでしたか?
「さよならトワイライト」をリリースした時に友達から“カッコ良い~!”って連絡がきました! 家の壁にプロジェクターでMVを映してる写真と一緒に(笑)。「東京は」振りに自分が出てるMVだったこともあったので、反響はありましたね。「いいやん」はMVでイラストのダンスシーンがあるんですけど、“あれが可愛い”ってみんな言ってくれて。
MVも要チェックですね! 2020年も終わりますが、2021年はどんな年にしたいですか?
2020年に入る時に“変化の年にしたい” “化けたい”と思っていたんですけど…でも、今年が無駄な一年ということはまったくなくて、今年があるから作れた曲もいっぱいあったし、自分にとっていい一年だったと思うんで、目標だった“化けたい”というのはできなかったけど、2021年は自分にとって“変化の年”としてターニングポイントになる一年にしたいと思っています。
取材:岩田知大
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配信シングル「ばいばい」2020年12月16日配信開始
STARDUST PROMOTION
- ※各ストリーミングサービスおよび
- 主要ダウンロードサイトにて配信
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配信シングル「いいやん」2020年11月25日配信開始
STARDUST PROMOTION
- ※各ストリーミングサービスおよび
- 主要ダウンロードサイトにて配信
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配信シングル「さよならトワイライト」2020年11月4日配信開始
STARDUST PROMOTION
- ※各ストリーミングサービスおよび
- 主要ダウンロードサイトにて配信
カドワキサラサ:1999年、兵庫県生まれのシンガーソングライター。10歳でアコースティックギターを弾き始め、中学2年生でオーディションに参加した。落選してしまったが、その頃からオリジナルソングの制作を始め、ライヴでカバー曲とともに披露。本格的に音楽活動をスタートさせる。17年、18歳でライヴ会場限定のミニアルバム『You and I』を発表。18年にアルバム『雨の跡』をリリースし、神戸と東京にて初のワンマンライヴを成功させる。19年には20歳の誕生日に自主企画スリーマンライヴを神戸と東京で開催した。20年には5作を配信リリース。21年3月にメジャーデビュー配信シングル「トリハダ」をリースした。門脇更紗 オフィシャルHP
「ばいばい」MV
「いいやん」MV
「さよならトワイライト」MV
「東京は」MV