「野村義男のおなか(ま)いっぱい お
かわりコラム」8杯目は活動休止前ラ
ストツアー直前のBrian the Sunから
森良太・小川真司が登場

ギターをこよなく愛するギタリスト・野村義男が、沢山の仲間を呼んでおなかいっぱいの内容でお送りする対談形式のコラム。おかわり9杯目は、年内いっぱいでの活動休止が決定しているBrian the Sunから森良太・小川真司が登場。
野村義男:本日のゲストはBrian the Sunからボーカル・ギターの森良太さん、ギターの小川真司さんに来ていただきました。お久しぶりです!
森良太・小川真司:お久しぶりです、宜しくお願いします!
野村:会うのは1年ぶりくらい?
森:そんなに空いてた感じはしないですね。
小川:半年とか1年とか、僕らリリースのタイミングでコンスタントにお会いしてたので。
野村:そうね、懐かしい感じもないし(笑)。でも会ってない間にコロナがあったからさ、実際どうでした?
小川:想像以上に活動ができなかったですね。
森:ツアーもそうですし、ライブで海外に行く予定とかもあったのでそれも行けなくて。
野村:まぁ行けないもんなあ。
森:完全にこっちの都合ですけど、ビザとかも去年のうちに取ってあったのが無駄になったりもしましたし。
野村:せっかく準備したのにね。実際4月とか最初の頃はどんな心境だった?
森:あの頃はちょっとやばいなぁ、どうなっていくんやろな?って思ってましたけど、今はもう慣れちゃってるかもしれないですね。
小川:3月とか4月って、寒い季節が終わったら落ち着いて、また始まるみたいな淡い期待がありましたね。寒い時期はインフルエンザも流行るしなって。
野村:そうね。
小川:それが、暖かくなってきてもまだしつこくて、また冬が来たってなってるので。
森:外に出ていくことが公には言えないっていう空気がありましたし、実際ほんまに家にいるしかなかったのもあって、曲書くしかないみたいになってました。
小川:ちょうその頃に何か作ろうってなって、「春風」という曲を作って全員リモートの宅録でレコーディングをしましたね。
野村:どうやって録ったの?
森:ドラムも打ち込みでしたし、音もインターフェースにそのまま突っ込んでみたいな形だったので、快適な音かは分からないですが。
野村:まぁしょうがないよね。家で思う存分叩いたら大変なことになると思うし。
森:あはは、そうですね(笑)。
野村義男 / 森良太 / 小川真司
野村:それぞれ何か始めた事とかはなかったの?
森:僕はコロナ期間中に麻雀にハマってしまって。
野村:おー、元々麻雀はやってた?
森:やってなかったんですけど、時間もあるし何かゲームをしたいなと思って、色々試した結果ハマってしまいました。運と実力の要素が混ざってる感じが凄くおもしろくて、新しく始めた事って言うと大げさですけど(笑)。
野村:わかんないよ?意外と今後なにか実になるかもしれないじゃん。麻雀イメージで何かの運を持ってくると。
森:ツモってこれるかもしれない!
野村:麻雀はやったことないからわからないけど(笑)。
小川:あはは(笑)。
森:ギター弾くとか曲を作るはやってましたけど、それ以外は家で映画とかアニメみたりでインプットしてたかな。
野村:前向きでえらいよね、僕なんか弾く必要ないから4カ月くらいギター弾かなかったし。
森:えー!
小川:確かに仕事がないんですもんね。
野村:そうそう。だから仕事があれば練習するとか、曲を覚えるとかするけどさ、何もないから(笑)。改造したりで触ってはいるけど、特に弾かないっていう。
小川:逆に他になにかされてたんですか?
野村:僕はインスタグラムをはじめた!
小川:あー、そのタイミングなんですね。
野村:お二人ともなんか、こうやってポチっとしてくれたけど。
森・小川:フォローしました。
野村:嬉しい限りでございます(笑)。で、小川くんは何か始めた事ないの?
小川:僕は映像の勉強を始めました。自分でカメラと編集ソフトを買ってきて、適当に自分が撮ってきた素材で編集の練習してみたり。元々好きやったんですけど、それを本格的にって感じです。
野村:そのうち自分でプロモーションビデオとかも作れるんじゃない?
小川:そういうことも出来たらいいですよね。やっぱこれからは自分で何でもできる時代だと思うんで。
野村:やらなきゃいけない風になってくるもんね。
森良太 / 小川真司
野村:いつも一緒に話してると、機材とか楽器の話で時間が過ぎてく感じだったじゃないですか。この1年お二人は何か増えました?
森・小川:増えました!
野村:誰から発表する?
森:僕はグレッチのエレクトロマチックの50年リミテッドかなんかで、ボディが黒で金の板になってるやつ。箱モノのギターを家でぺろぺろ弾きたいなって。今までソリッドしか持っていなかったので、それを家で弾いてても寂しくなってくるので、箱モノは鳴るからいいなって。
野村:僕もグレッチって何本か持ってるけど、ネックとかブリッジの感じとかクセあるな~って。なんでグレッチ選んだの?
森:単純にずっとソリッドギター、フェンダー党だったんですけど、ふと顔を上げた時に色々カッコいいギターって世の中にあるじゃん!って思いまして。ちゃんと弾いたことないけど、ギブソンとかも。
小川:ギブソン持ってないもんね?
森:だからこれは偏ってるなって。
野村:偏ってていいんじゃない?
森:偏ってていいんですけど、世の中にはこんなにもいい楽器があるんだなって、楽器屋に行って改めて思って。色々弾いたんですけど、なんかこうビビッときたみたいな。
野村:あっ、じゃあ運命の出会っちゃいました系だ。
森:「今出会ったら今買っとけ」系の。
小川:名言(笑)。
野村:そうそう、もう見つけたときに買わないと。絶対誰かに奪われちゃうから。
森:今まではフェンダー何年のどこで作られたとかを結構気にするというか、ギターをそういう観点で見てたんですよ。グレッチのエレクトロマチックって中くらいのラインじゃないですか、でもこれを手にしてからは人に「エレマチにしたんや」って言われても、これ好きで弾いてるんでって思えるようになって。
野村:じゃあ、今後はそれでステージに出てきたりとか?
森:使う予定です。
小川:まだ一回もスタジオで見たことないけど(笑)。
野村:ほら、箱入り娘!
森:キレイに、可愛がってるところです。やっとブランドじゃなくて、弾きたいって思えるものが素直に出てきました。
野村:その一言が、大人だね。僕なんてもう未だにブランドしかない(笑)。
森・小川:あはは(笑)。
小川真司
小川:僕は、自分で買ったものじゃないんですけど。 僕今サンバーストの335(Gibson ES-335)を使っているんですけど、今までお世話になってた方に赤の335を譲っていただいて。その方も何年もそのギター弾いてなくて結構状態アレやったんで、自粛期間中に自分で一からメンテをしまして。
野村:いいね、楽しいね! 大体同じことやってるね、グレッチ育てるのと335を育てるのと。
小川:ギターのセッティングとかって自分だけのものだったりするじゃないですか? 人の癖がついたギターを、できる限り自分の状態に近づけられるように、弾きやすいように直していくのが一番楽しいですね。
野村:楽しいよねー。僕は人のギターのセッティングするのも好き。この前Charさんのところに行った時に、Charさんが使ってるムスタングが本人も弾きにくいとか言ってたくらい「ん?」って感じだったので、いじってあげるってその場で。
森:えー、おもしろ!
小川:でも僕も人のギターのセッティングいじるの結構好きかもしれないです。若手の子のレコーディングとかを見る機会があって、大丈夫これ?みたいなのを直してあげて。「こんな感じなるんですね」とか、「こんな音出るようになるんですね」みたいなのは嬉しいですね。
野村:嬉しいよね! そういうの考えると気質が一緒だよね。
森:俺は弾くしか脳がないんで、そっち側がわからないですね。
野村:いいんじゃない?全然そういう二人で、二人とも作るの好きとかしたらセッティングで張り合うとかさ。
小川:僕らそこほんまに真逆なんですよ。
森:お互い我関せずで、どっちかと言えばエフェクター作ったりしたいです。
野村:あ、良いじゃない。そのほうがきっとうまくいくんすよ。
森良太
森:電気が好きって言うか。はんだごてのはんだを変えて、ジャックを変えて実験して。これは、ジャックが問題なのかプラグの問題なのか。俺のはんだ付けの問題なのかって。はんだ付け練習したりとか(笑)。
野村:ミュージシャンの先輩ですごい変態がいて、その人と話をしてたらはんだとかピックアップとか、エレキなんて言うのはそこが音に変わっていくんだから、もっとすごいことあるんだよって言われたの。
森:エフェクターボードの裏表!
野村:違う、ギター自体。さあ、今日のは良いクイズだな。
小川:意外なものですよね。
森:ネックのプレートとか?
野村:ネックのプレートはもう大きいよね。
森:あ、もうそれは大きい部類に入るんや。
野村:大きい!
小川:え、じゃあ結構全部大きいやん。
森:あ、わかった。ボリュームポットのノブ!
野村:正解。重量が変わってバランスが変わるんだって。
森:嘘だ、マジですか?
野村:ポットのカバーの数字書いてある回すやつを、重くするのか軽くするのかで音が変わるんだよ。
小川:それは俺やったことないなぁ。
森:気付かんかったな。振動の仕方が変わるからだ。
野村:ヘッドの裏とかにちょっとだけ重りを付けて、ヘッドの方に重心をかけてサスティンを増やすみたいなやつ。
小川:竿のバランスってことですよね、下の方からしたら重たいから。
野村:だから最近の糸巻はさ、重たいの軽いのっていろいろ選べるじゃない? あとベース用のストリングガイドをヘッドの裏につける。
森:そんなので変わるんですね、繊細やなぁ。
野村:すごいよね、専用のやつも売ってるし。両面テープで何グラムとかピッてくっつけるのとか。ただ、良くなってんのかもしれないけど、忘れちゃうから貼る前と貼った後の変化がわかんない(笑)。
野村義男
小川:でもそういうの多いっすよね、楽器って。
森:楽器整体とかもそうやんな。
野村:なにそれ?
森:もうコンコン叩くんすよ。ネックとかの音を聞いて、木目のねじれとか歪み、密度とかを聞き分けて木をマッサージするんですよ。
野村:嘘でしょ?
森:嘘でしょって思って、バーンって弾いたらめっちゃ音良くなってるっていう。怖って思いました。
野村:変わる?
小川:うん、あれは変わりましたね。楽器整体で調べてみて下さい。
森:木も物質やから、理にはかなってるなというか。叩くことで変質するっていう。
野村:いや、信じたくない。でもちょっと見てみたい。
森・小川:(笑)。
野村:今思ってることは、早く帰りたい。今これしか弾いてないっていうテレキャスがあってさ、時間もあるしそれやりたい。あ、意外ともう時間が来てしまいまして。
小川:誰に需要があるんや今の話(笑)。
野村:いやいや、良いんですよ。ここでしかの良い話を聞けたんで。そうだ、今年の9月には生配信ライブで全83曲披露ってなってたけど、これ凄いね。
小川:また頭の悪い企画をやってしまって(笑)。
森:9時間15分かかりました。
野村:え、9時間15分!? 馬鹿だなぁ。
森・小川:あはは(笑)。
森: 20曲くらいに区切って4セクションやって、18時から深夜3時くらいまでっていう。
野村:朝始めればよかったのに(笑)。でも、なぜそれやったかっていうのもありますね。
野村義男 / 森良太 / 小川真司
森:はい。今年の12月末でお休みに入ります。
野村:これは期間とかは?
森:特に決めてないですけど、男の子の30歳って自分の実力を試していきたい年齢でもあるから、各々が自分の人生を自分の責任でもって生きる期間みたいなものを。10年以上バンドしかやってないんで、もっと色んなこと吸収して集まってって。
野村:そんなに仲悪いんですか?
森:いやいや!
小川:あ、でも珍しいくらい良い具合に仲は良くて。こういう話が出た時も皆同じようなモチベーションになってまして。
野村:だってこういうお休みに入りますっていう時、ファンの人の中には誰か仲悪かったの?とか、思ったり心配したりする人がいるじゃないですか。
森:全然ちゃいますね。
小川:元々僕らインディーズの頃から自分らでそれぞれを担ってやっていくっていうスタイルが長かったんで。だから一旦休止しても、またやる時には自分たちで始めやすいというか。今はメジャーデビューとかさせてもらって、色々な方とやらせてもらってる中ですけど、それが4人に戻ったからと言って何もできなくなるわけじゃないっていうわけじゃないので。また自分たちの好きなことを、好きなだけできるようになれば良いかなって思ってます。
野村:じゃあ、大きくなる為のとても前向きなお休みって感じで思って良いんですかね?
森:もちろんです!
野村:で、12月2日にベストアルバム『BEST PARADE』をリリースすると。これは面白かったね、1曲目から最後まで行く間に色々な変化が見えて。
小川:お、聞いていただけましたか。
野村:最初の頃のわかるわかる、狙ってる狙ってるってのがあって、途中から楽曲が急に大人になったりとかさ。そこからのギター弾きまくり時期があって凝ってきて。で、最後のほうに来ると完璧なる大人のロックになってるわけだから、流れが素晴らしいなと思った。そこから1曲目に戻っちゃうとまた若いな~って。
小川:若いってなりますよね!(笑)
野村:これはホント歴史。是非皆さんに聴いていただきたいなって思います。
森:めちゃくちゃ嬉しいです。
野村:結構楽しんで聴けちゃったなっていう感じ。凄く正直なところ言うと、プラモデルとかしながら流し聞きしようかなと思ったけど、面白いなってなってやめちゃったもん。
小川:めちゃくちゃ嬉しい……。
野村:年内でBrian the Sunはお休みという事なので、そのアルバムを何回も聴き直してもらって、そろそろ新しいものが聴きたいなーって時には出来てるかもしれないので、それを楽しみに待ってもらいたいと思います。
小川:そうですね。
森:生まれ変わって。
野村:あとは、ラストツアーもあるという事なので、そちらにも遊びに行ってもらえたら僕も嬉しいです。
森:はい!
野村:という感じで、今日はありがとうございました!
森・小川:ありがとうございました!

撮影=大橋祐希
小川真司 / 野村義男 / 森良太

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