井上芳雄、 平原綾香ら豪華出演者に
よるミュージカル界初のオンライン音
楽フェス『The Musical Day~Heart
to Heart~』が大盛況で開催

2020年12月13日(日)ミュージカル音楽にフォーカスした、 新しいスタイルのミュージカルフェス『The Musical Day ~Heart to Heart~』が開催された。
本ライブは、自身もミュージカルの舞台に立つ俳優として活躍する上山竜治自らが発起人となり、俳優仲間に声をかけたところから実現。スペシャルサポーター・宮本亜門のオープニング映像で始まり、 井上芳雄大原櫻子、尾上松也、海宝直人、上山竜治、西川大貴、平原綾香、宮澤エマ、吉原光夫、ROLLYが、続々とミュージカルソングを披露し、最後は音楽監修の本間昭光もサプライズ登場した。
(左から)上山竜治、宮澤エマ
当日は上山と宮澤が出演俳優を代表して自らMCを務め、開会の挨拶により幕開けとなった。「楽しみでものすごく興奮しているのとドキドキの緊張感であふれています!(上山竜治)」「私たちもこの後登場する俳優陣の皆さんもスタンバイしながら皆さんと同じ画面を見ていますので一緒に楽しんでいきましょう!(宮澤エマ)」と初の無観客ライブ配信というスタイルに緊張を感じながらも、観客と一体感を感じよう!というリアルな熱気を感じられる始まりとなった。
ここからは歌唱順にレポートを紹介しよう。
1.宮澤エマ「You’ ve got a friend」
宮澤エマ
開会の挨拶を務めた宮澤がそのままトップバッターとして、 ミュージカル『ビューティフル』より「You’ ve got a friend」を披露。宮澤自身は舞台で歌ったことのない歌だが「コロナ禍の自粛期間を通じて独りぼっちなんじゃないか、と思う瞬間があったものの、電話一本やオンライン飲みでも私には友達がいると思えたことはとても大きかった」ということで、「この曲を通して、 ミュージカルを皆さんの友達と思って聴いてほしい」という思いで選曲に至ったという。
2.西川大貴「僕こそ音楽」
西川大貴
宮澤に続いて歌う流れにも関わらず、MCが緊張のあまり紹介を忘れ、紹介無しに舞台に上がる事態となった西川。そんな中でも「ミュージカルがうまくいかなくて苦しいときも、等身大の自分として歌える歌。今しんどい人もありのままでいいんだという想いを伝えたくて選んだ」と堂々の歌唱を披露した。
3.海宝直人「陽ざしの中へ」※収録出演
海宝直人
来年に話題の舞台を控えている海宝は、多忙の中、収録出演という形で出演。海宝にとって、 歌で物語や感情を表現することを学び、大きな意識の転換となった作品だという、ミュージカル『ノートルダムの鐘』より「陽ざしの中へ」をセレクト。海宝が演じた役柄であるカジモドが、肉体的に大きなハンデを背負い、差別を受けてノートルダム大聖堂にこもるも、意を決して外に出る際に歌う楽曲で、「コロナ禍で自粛が続いて公演ができない中、だからこそできることを表に出て行ってやっていこうという今の想いと重なる部分がある」と語った。
4.上山竜治「キッチュ」
上山竜治
発起人である上山が選んだ曲は、『エリザベート』より「キッチュ」。ずっと演じてみたかったという、ルキーニ役として舞台に出演予定も、「コロナ禍になり中止になってしまったからここで歌いたい」という思いの丈をぶつけるような力強さを感じる歌声だった。
5.スペシャルゲストROLLY「サイエンス・フィクション」
ROLLY
登場から、曲に入るまでのトーク、歌、合間にみせる投げキッス、曲が進むにつれ盛り上がるギターさばきは、会場をROLLY一色にし、緊張のほどけてきた会場にさらなるエンジンをかけた。
MCも思わず興奮を見せる中、The Musical Day出演のオファーに対し、「“私みたいな人がでていいのか”という思いもありましたが、母の仏前に問いかけたら“おまえがやりたいんだったらやってみろ”と言われたので」と炸裂するROLLY節。The Musical Dayに対し、「生で観る素晴らしさは、それはそれであるけれど、感染の心配のない中でベストのカメラアングルでみられることは素晴らしい」と語った。
6.尾上松也「Stars」※収録出演
尾上松也
多忙な中、収録出演を決めた松也が選んだのは、 ミュージカル『レ・ミゼラブル』より「Stars」。 自身は『レ・ミゼラブル』に出演したことはないながらも、力強い歌詞に対し、メロディーに孤独と切なさを感じる点は「歌舞伎が得意とする心情の表現に近い」とコメント。
収録ながらも華を添えた松也による「ここからもどんどん盛り上がりますので、 後半戦も瞬きせずにご覧ください!」との言葉で、デュエットやサポートコーラスも際立つライブ後半が始まる。
7.平原綾香「JOYFUL, JOYFUL」
平原綾香& サポートボーカルメンバー
平原は、年末感を感じるこの時期ぴったりのベートーヴェンの第九をもとにした「JOYFUL, JOYFUL」を披露。普段のライブでは、観客とともに盛り上がる楽曲のはずが、コロナ禍でそうはいかない状況の中で、サポートボーカルのメンバーと息を合わせ、盛り上がりをみせた。
8.上山竜治&平原綾香「WRITTEN IN THE STARS」
上山竜治&平原綾香
「今年は、携帯の通信が遅くなったとか、そういうことでも上山さんには色々お世話になりました」と茶目っ気たっぷりに語る平原に「僕は別にそんな詳しくないんで必死に調べました」と上山。そんなほのぼのした二人のやりとりと、悲恋を描く楽曲のギャップも楽しめるデュエットとなった。
9.井上芳雄&宮澤エマ「A Whole New World」
井上芳雄&宮澤エマ
「ついに登場です!」と紹介されるも、「スタッフさんが僕を素通りして、吉原さんを僕と間違えて声かけにいったんですよ」と笑い飛ばし、場を和ませた井上。「異色なふたり」と上山に言われるも、井上と宮澤の目をあわせて歌う姿に、アラジンとジャスミンが浮かび上がってくるような魅力的なデュエットだった。
10.井上芳雄&西川大貴(TAP)「I Got Rhythm」
井上芳雄&西川大貴
はじめての共演となる、井上と西川。井上の余裕の歌声と西川のタップを盛り上げる演出、 ミュージカルだけでなく、演出、作家、タップと多彩な西川とのコラボは、当日初めて合わせたとは思えない仕上がりだった。
11.大原櫻子「Fly Fly Away」
大原櫻子
直前まで舞台に立ち、駆け付けた大原櫻子。ミュージカル『Catch me if you can』より「Fly Fly Away」は、自身が大ファンの楽曲だそう。「お客さんに届ける機会があったらまた歌いたかった」との想いで、リハなしで会場に立ったとは思えない力強い歌声を披露した。
12.井上芳雄「明日への階段」
井上芳雄
発起人の上山とは、『エリザベート』で共演するはずも、コロナ禍で中止になった影響で、 今回が初共演。そんな井上に上山が自らリクエストしたという、ミュージカル『ルドルフ The Last Kiss』より「明日への階段」。「ずっと第一線でミュージカルをやってらっしゃる芳雄さんが若手に背中を押してくださっているよう」という上山の言葉に、ミュージカル界の俳優同士の想いをも感じることができる、ミュージカルファンにとって非常に熱い場面にもなった。
13.吉原光夫、 上山竜治、 西川大貴、 大原櫻子、平原綾香、 宮澤エマ「One Day More」
(左から)吉原光夫、平原綾香、大原櫻子
最後に特別出演の吉原も加わり、ライブを締めくくるのはミュージカル『レ・ミゼラブル』より「One Day More」。ミュージカルファンからの支持も高いこの曲は、The Musical Dayを最後まで盛り上げた。

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