JUNNA

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【JUNNA インタビュー】
2020年の“いま”を刻んだ
20歳のアルバム

このアルバムを歌い切れた時には、
成長した新しい私になれているはず

幕開けに「我は小説よりも奇なり」、中盤に「波打ち際」と哲学的な雰囲気のある楽曲が配置されたことで、このアルバムの奥深さがより際立って感じられるような気がします。

ただ、1曲目を何にするかというのは、曲順で一番悩んだところなんです。「我は小説よりも奇なり」派と「FREEDOM」派に分かれて、私は圧倒的に前者だったんです。曲頭のエフェクトがかったギターからパン!と開けていく感じが、ステージの幕開けをイメージさせてくれて、結局は「我は小説よりも奇なり」に決まり、“じゃあ、そのまま明るい曲調をつげていこう”ということで2曲目に「FREEDOM」を置いたんです。“不安なことも多い今だけど、一緒に走り出すんだよ!”っていう想いが込められている曲だから。

疾走感あふれるアルバム一のアッパーチューンで、2020年の今聴くとより胸に刺さりますよね。曲のジャンルも歌詞の世界観もバラバラな11曲が集まっているはずなのに、妙に統一感を感じるのは、やはり2020年の“今”を刻んでいるからなのかなと。実際“今”や“Now”というワードは頻出していますし。

そうなんです。2020年を切り取って歌いたいという気持ちは私自身にもありましたし、きっと曲や歌詞を書いてくださったみなさんにもあったんでしょうね。自粛期間中は私も“自分に何ができるんだろう?”って考えてしまったこともあったし。逆にじっくりと歌と向きあうこともできました。その中で、初めて作曲をしてみたんです。

それがラストの「いま」ですね。壮大かつシンフォニックなバラードで、アルバムを締め括るにはぴったりです。

作詞は今までに何度か経験あるんですけど、作曲に踏み出すのには結構勇気がいって…。それほど音楽知識があるわけでもない自分が作って認められるんだろうかという不安もあったんです。でも、ストレートに自分の言いたいことを込めた曲だったらできるんじゃないかと作り始めたら、みんなが“この曲は絶対にラストだろう”って言ってくれる曲になって。アレンジをつけていただくと“こんなに変わるんだ!?”っていう新しい発見もできましたし、今後はバラードだけじゃなく、アップテンポにも挑戦していきたいですね。

歌い続けていこうという決意を謳った曲は、ご自身の作詞作曲だからこそ意味がありますし、まさに今だからこそ心に響くものがありました。「あばよイエスタデイ」もエキゾチックな雰囲気を纏う力強い歌声が圧倒的で、ヴォーカリストとして着実に進化されているなと。

作曲のコモリタミノルさんと作詞の岩里祐穂さんは、毎回ご一緒している分、どんどん難易度が上げているように感じられるんですよ! 急に高音になって一気に雰囲気が変わるDメロは特に表現が難しくて、地声と裏声を混ぜて歌ったら面白いんじゃないかとか、かなり試行錯誤しながら歌いました。「La Vie en rose」もノリ良く歌っていくのが難しかった上に、今までやったことのない録り方をしたんです。息遣いだけでの表現だとか、初めての試みもいろいろあったので苦戦しつつ、楽しみながらレコーディングできました。

“苦戦しつつ楽しい”っていうのは新しい挑戦ならではですよね。

特に今回はレコーディングが自粛期間明けだったのもあって、いつにも増して歌えることの幸せを感じられたというか…ひとつひとつの曲に対して、大切さや重みを感じながら歌えた気がします。こんな時だからこそ、勇気が持てる曲だったり、明るい未来を見せてくれるような曲を歌いたかったんです。「コノユビトマレ」(2019年1月発表のシングル)のカップリング曲だった「Sky」の収録を決めたのも、歌詞の内容的に“自分を肯定していいんだよ”って教えてくれる曲だったからで、ネガティブになりがちな今の時期に聴いていただけたら、自分を好きになってもらえるんじゃないかと。聴いてくれる方も“ライヴに行きたい!”っていう気持ちになってくれるんじゃないかなと思っています。

言われてみると「波打ち際」と「イルイミ」以外は、みんなアッパーだったりノリのいい曲ばかりですし、何と言っても2021年2月には待望の有観客の東名阪ツアーも決まりましたからね。

久しぶりに私の歌をフルで届けられるのはすごく嬉しいことですし、初めてのホールツアーでもあるので、また観せ方も変えられるんじゃないかと楽しみしています。ただ、今回のアルバム曲は難しすぎて、“私、本当に歌えるのかな?”っていう心配が…。

特に心配な曲ってどれです?

一番心配なのは「Sleepless」ですね。低音が利いていてロックを感じるのに、またロックとも違ったサウンドになっているのが斬新な曲なんですけど、テンポが速いのに言葉数が多すぎて! 1番と2番でサビの譜割も結構違っていたりするから、しっかりと身体に覚え込ませて歌いたいです。これを歌えるようになったらめちゃくちゃカッコ良いでしょうし、このアルバムを歌い切れた時には、成長した新しい私になっているんじゃないかな?

誰にとっても想定外だった2020年を経て、2021年はどんな年にしていきたいですか?

今年よりは有観客のライヴができたらいいなっていう気持ちはもちろんありますけど、オンラインにはオンラインの良さもあるので、状況に合わせて自分の歌を発信できる機会を作っていけたらいいですね。曲もたくさん出して、みなさんに私の歌をお届けるように、2021年も頑張りたいです!

取材:清水素子

アルバム『20×20』2020年12月9日発売 FlyingDog
    • 【初回限定盤】(CD+Blu-ray)
    • VTZL-178
    • ¥4,000(税抜)
    • 【通常盤】(CD)
    • VTCL-60538
    • ¥3,000(税抜)

『JUNNA ROCK YOU TOUR 2021 ~20×20~』

2/06(土) 大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
2/07(日) 大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
2/13(土) 東京・LINE CUBE SHIBUYA
2/21(日) 愛知・名古屋市公会堂

JUNNA プロフィール

ジュンナ:2000年11月2日生まれ。『ガンダム』『ヱヴァンゲリヲン』と並んで“日本三大ロボットアニメ”のひとつに数えられる作品『マクロス』シリーズ最新作TVアニメ『マクロスΔ』の戦術音楽ユニット“ワルキューレ”のエースヴォーカルとして最年少デビューを果たす。ソロとしては17年6月に1stミニアルバム『Vai! Ya! Vai!』でデビュー。同年11月に発表した1stシングル「Here」は発売初日、10の主要配信サイトで1位を独占。また、日本レコード協会のゴールドディスクに認定された。JUNNA オフィシャルHP

「イルイミ」MV(short ver.)

「我は小説よりも奇なり」
MV(short ver.)

『20×20』Trailer

OKMusic編集部

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