INTERVIEW / sooogood! 裸の季節を経
て、ひとつの到達点ともいえる新作を
上梓したsooogood!。内なる火を灯し
続ける、愚か者たちの“祝祭”を夢見

作詞作曲からアレンジ、トラックメイクなども自身で手がけるSSW、sooogood!が2ndアルバム『Strawberry,Gun,St.Bernard』を12月9日(水)にリリースした。
YOU、藤井隆、アリスムカイデ、GOMESSなど、世代を越えた多彩なゲストが参加し、華やかかつポップなサウンドを展開していた1stアルバム『sooogood!』からおよそ2年。その後もコンスタントなシングル発表などを経て遂にリリースされた本作では、カラフルなシンセ・サウンドは薄まり、代わりにギターを軸としたインディ・ポップな音楽性を展開している。もちろん随所で感じさせるファンクやR&B〜ヒップホップ的な横乗りのグルーヴは健在。しかし、どこかシンプルかつメロウ、そして洗練されたトーンで統一された印象を受ける。
今回はそんなsooogood!に単独インタビューを敢行。前作から今作にかけての変化を訊くと同時に、音楽家・sooogood!だけでなく、シミズコウヘイというひとりの人間の内なる側面にも迫る。
Interview & Text by Takazumi Hosaka
Assistant:Ai Kumagai
Photo by Maho Korogi(https://www.instagram.com/maho_korogi/?hl=ja)
「この先、ずっと着ていけるような服を見つけたかった」
――1stアルバム『sooogood!』(2018年)から今作『Strawberry,Gun,St.Bernard』のリリースまで、シングルをコンスタントに発表していながら、そのどれも2ndアルバムには収録されていません。そういった点からも、今回のアルバムはとてもコンセプチュアルというか、アルバムとしてカチッとまとまった作品だという印象を受けました。
sooogood!:シングル群は自分の音楽を見つめ直すというか、“自分は何がやりたいのか?”ということに向き合って、ある意味初期衝動的に作った作品なんです。sooogood!を始めて今3年目くらいなんですけど、そういった作品を作るということは、自分としてはとても大事な行為だったと感じたんです。それを経た上でアルバムにいきたかった。それは裸の自分に色々な服を着せていくような作業というか。よくわかっていないのに、“これがカッコいいんでしょ”って決めつけて流行りの服を着るのではなく、色々な服を実際に着てみて、“自分はこういうスタイルが好きなんだ”、“こういうスタイルがしっくりくるんだ”っていうことを確認するような工程でした。だから結構歪な作品が多かったと思います。
――なるほど。
sooogood!:センスのいい人は最初っから感覚的に自分のやりたいこと、合っているスタイルっていうのがわかるのかもしれないんですけど、自分の場合はそうではなかった。とにかく色々な音楽が好きなので、見様見真似でもいいからとりあえずやってみようと。ファッションで言うと例えば上はオーバー・サイズで下はスキニー履く、みたいな紋切り型、いわゆる“量産型”からスタートして、そこから色々な失敗も経て、例えば“自分にはグランジっぽいのが似合うな”とか、“もっとアメカジな方が似合うかも”、“ポップな洋服がしっくりくるな”っていうのが明確化されてくると思うんですよね。その中で色々な人やお店とかと出会い、自分の趣味趣向がわかってきて、ようやく自分が完成していく。音楽も一緒だと思います。この先、ずっと着ていけるような服を見つけたかった。そしてそれを具現化できたのがこのアルバムです。
――「DELUXE with Chunky Cookie Club」(2019年)から今年8月リリースの「Good Boy」までの8曲を経て、それが見えてきたと。
sooogood!:はい。個々の曲もめちゃくちゃ好きですし、どれも自分だなと思うんですけど、基本的には裸というか、とんでもねえ格好で歩いている感覚というか。裁縫ガッタガタのオートクチュールを着てる感じ(笑)。あと、一連のリリースに際して思ったのは、こういった“実験”みたいな作品をリリースさせてもらえるという恵まれた環境に改めて感謝しなきゃなと。そういった曲たちは普通は世に出さず、ボツにしてしまうことも多いと思うんですけど、僕は世に発表しておきたかった。歪でストレンジな作品を出しておいて、後々「sooogood!ってこんな変な曲作ってたの?」、「こんな頭おかしい曲作ってたんだ」って思ってもらえたらいいなと。
――今の話を踏まえて、現時点のsooogood!さんから1stアルバムを振り返るとどういう作品だと言えますか?
sooogood!:前作は自分の中ではめちゃくちゃポップな作品を作ったつもりです。すごいポップでキャッチー、“これが世にウケると思う!”ということを考えていた。でも、今聴き返すとすごく歪なんですよね。客演には藤井(隆)さんからYOUさん、アリスムカイデさん、GOMESSくんだったりとか。本当にカッコいい人たちに参加して頂いて、そこは間違いないと思うんですけど、今聴くと“これがポップだと思っていたのか?”と(笑)。
――取材に際して改めて聴き返したのですが、似たような印象を受けました。意外とメロウというか。
sooogood!:そうなんですよね。やりたいことは伝わってくるんだけど、それができていない。それこそ当時はメインストリームにいってやるってくらいの気概だったんですけど、意図せずオリジナリティが出ているというか、未完成な感じがすごくいいなって自分でも思います。勢いで作った作品がこうやって聴こえるのはすごく興味深いですね。
――それこそファッション初心者が組み合わせなどもよくわからずに、おもしろいアイテムを着ているみたいな。
sooogood!:やばい色のモヘア・カーディガンに、ハーフ・パンツ合わせてるみたいな(笑)。アイテム一つひとつは結構いいセンスだけど、全体的にちぐはぐというか。
――1stアルバム以降のシングル期にはどのような音楽を聴いていましたか? 個人的には「DELUXE with Chucky Cookie Club」や「遥か彼方のあなたへ」のゴスペルやアンビエント的な要素は、Kanye WestやChance The Rapperなどの影響なのかなと思いました。
sooogood!:実は僕、Kanye WestやChance The Rapperはあまり聴いていなくて。1番よく聴いていたのはRex Orange Countyかもしれないですね。今ももちろん好きですけど。あとは昔から好きなTyler, The CreatorとかGoldLink、Sminoだったり、Jordan Rakei、HONNE、Zack Villereもめちゃくちゃ聴いていましたね。
――なるほど。今回のアルバムは、すごく乱暴に言ってしまうとインディ・ポップ、もしくはインディ・ロックといったテイストで統一されているように感じました。このサウンド、スタイルにはどのようにして辿り着いたのでしょうか。
sooogood!:結局、僕は海外の音楽が大好きなんですけど、自分に染み付いているバックボーンはJ-POPだなと思ったんです。特定のアーティストさんが、っていうわけじゃなく、昔からJ-POPを耳にして生きてきて、日本語で生活してるし日本語で歌う。海外の方にではなく、まずは日本の、日本語で生活している人に聴いてもらいたい。ということで、今作では思いっきりJ-POPを作ろうと思ったんです。でも、結果としては今おっしゃったようにインディ・ポップ的な作品になってしまった(笑)。
――それはなぜだと思いますか?
sooogood!:やっぱりシングルの制作が大きく影響していると思っていて。海外の音楽からの影響を受けて、そういうことをやろうと思っていた時期の経験が活きているのかなと。コード感だったり、楽器の使い方だったり。あと、一番大きいのは自分がギターをめちゃくちゃ好きだったことを再認識したこと。シングルの期間はいわゆるトラックものを多く作っていて、あまりギターを触らなくなっていたのですが、自分は元々ギタリストだし、改めて“ギターで曲を作りたい”と思いました。そういった事柄が起因しているのかなと。
――例えばUSインディの人気レーベル〈Captured Tracks〉周辺だったり、もしくは初期のThe Strokesのようなタイトで直線的なビート、リズムが印象的でした。sooogood!さんのルーツ、バックグラウンド的には、そういった音楽は通ってきているのでしょうか。
sooogood!:これまであまり通ってきてないんですよね。ただ、よくよく考えたら、ギターで曲を作るとはいえ、基本的に全部家で制作している。もちろんシンセやベース、ドラムも全て自分で打ち込んでいる。そうすると、自然と今おっしゃったようなインディ・ポップ的なサウンドになるのかなと。自分ではJ-POPを作っていたつもりだし、今もJ-POPアルバムだと思っていますが。
――すごく納得します。
sooogood!:きっと、海外のインディ・ポップと言われているバンドやアーティストたちも、オリジナルな人たちは狙ってそうなったというより、結果的にそういうサウンドになったんだと思うんですよね。狙ってインディ・ポップはできないというか。子供心みたいなものなのかなって思いますね。それは子供の時にしか出せないし、自分では知覚できないものですよね。
火を灯し続ける、“愚か者”であるために
――今作の軸というか、全体が見えてくるきっかけになった曲などはありますか?
sooogood!:アルバムの方向性が見えてきたのは、「おそろしく愛すべき子供たち」を作っている時ですね。アルバムの中で一番最初にできた曲という意味では「Best Youth」なんですけど、「Best Youth」はまだシングルの時期と同じような意識で作っていた部分もあるので。
「おそろしく愛すべき子供たち」を家でレコーデングしてる時、あまりにカッコよすぎて笑いが止まらなくなっちゃって。「え? これ誰が作ったん? エグないっすか?」みたいな(笑)。自分で作っている曲を自分でカッコいいって思うのは当たり前なんですけど、ここまでの感覚は本当に初めてのことでしたね。
――「おそろしく愛すべき子供たち」と「Best Youth」の2曲には、少年性というか青春的な感覚を、大人になった今から振り返っているような印象を受けました。こういった要素は今作制作時に意識していましたか?
sooogood!:僕はこのアルバムに“ジャンプみ”があると思っていて。「愛! 勇気! 感謝!」みたいな。アルバム・タイトルの“Strawberry”が僕的には愛で、“Gun”が刺激や青春だったり、“St.Bernard”は落ち着きとか平和、友情とか感謝をイメージしていて。大きくその3つがテーマになっている。今おっしゃった少年性という部分でいうと、振り返るというよりかは僕自身がいつまでもそういったものを今でも持ち続けていると思っていて。初期衝動とか好奇心、怒り、不満、対抗心、羨望、希望などなど、青春時代とか思春期の頃って、そういう感情がめちゃくちゃになってるじゃないですか。そういう感情って常に持っていていいものだと考えていて。でも、みんな大人になっていくと同時に捨てていってしまうんですよね。
――そういった混沌とした、不安定な感情は成長とともになくなる。もしくは、意識的になくそうとする。それが一般的に大人になることだと考えられていますよね。
sooogood!:そう、本当に忘れちゃうんですよ。火が消えるというか。もちろん大人になること、安定することは素晴らしいことだと思います。ただ、だからと言って、さっき言ったような不安定な感情、ギラついた感覚みたいなものは、捨てなくてもいいんじゃないかなって思うんです。友達とかと接していても、歳を重ねるにつれて“みんな、昔は違ったよね?”って思うことが増えてきて。若いときって自分が認められないものに関しては辛辣なこと言ったり、素直に「これはダサい」って言えるじゃないですが。でも、大人になるとみんな優しくなる。多様性を認めると言うと聞こえはいいですが、自分的にはそれがあまりおもしろくないなって思うんです。もっと自分の感情をはっきりと表に出してほしい。弱火でじっくりコトコト煮込んでないで、中華鍋でガツンとやれや! って(笑)。
――わかります。
sooogood!:「Best Youth」にも<君の火は きえるのか? / かなしいな>という一節もあるのですが、時々すごく悲しくなることがあって。大人になっても未だに火を消さない、夢をみている人たち。世間一般からは愚か者扱いされるような人が好きだし、僕もそうでありたい。生活やプライベートを安定させたり充実させることは、それと相反することだとは思わなくて、きっと両立できるはずだと思うんです。
うちの母は50歳になってからバレエを始めて、イギリスにも短期留学したんですが、めちゃくちゃカッコいいなと。よく言う“始めるのは何歳からでも遅くない”を実際に体現している数少ない人なんです。母は常に戦っているし、時には誰かとぶつかることも厭わない。僕のこういった考えは、母の影響も大きいかもしれません。
――コーラスに蜂須賀桜さんが参加した「Best Youth」には、“ミュウツー”や“プレデターズ”、“ペニーワイズ”など、ご自身の少年時代を想起させるような固有名詞も出てきます。ただ、この曲も昔を振り返っているわけではないと。
sooogood!:今の自分を形成しているもの、要素っていう感じですね。曲全体としては、これからの話しをしているつもりです。昔はよかったっていう振り返りも楽しいけど、今この時代も、そしてこれから先も楽しくやっていこうよっていう内容ですね。常に今が「Best Youth」と言えるように。
コーラスの蜂須賀さんとはKlang Rulerの『Midnight session』っていう企画に参加させてもらったのもあって、仲良くさせてもらっていて。すごくいい声だなと思っていたのと、「Best Youth」では僕の男目線だけじゃなく、女性目線もほしいと思っていたのでオファーさせてもらいました。
――アルバムには“ジャンプみ”があるとおっしゃっていましたが、確かに今作は愛というかロマンチックな楽曲も印象的で。例えば「素敵な麗しい別れのために」や「グッドナイトトーキョーロマンス」、「新世界II」などには、ロマンチックだけど少し陰や憂い、悲しさみたいなもが感じられるのも特徴的だなと思いました。
sooogood!:陰や暗さを出そうとは思っていないのですが……これは曲毎に区切って話してもいいですか?
――もちろんです。
sooogood!:曲毎に言いたいこと、やりたいことはもちろん異なるのですが、僕の歌詞はどちらかというとリアルな方向性。実体験や実際に自分が思っていることに起因していることが多いんです。「素敵な麗しい別れのために」に関しては、1番ロマンチックで僕が望んでいる別れ方を描いています。これは逆説的な曲。君と死別したい、つまりは死ぬまで添い遂げたい。<一生一緒にいてくれや>の「Lifetime Respect」(三木道三)的な内容です(笑)。
別れるときは病院のベッドで僕が手を握っている。もしくは相手が僕の手を握ってくれている。そこで「今までありがとう」って言って死別するのが理想だなと。なので、本当に真っ直ぐなラブ・ソングですね。
――<別れのために暮らそう>という一節から、少し陰を感じていたのですが、今のお話を聞いて印象がガラりと変わりました。とてもロマンチックな内容ですね。
sooogood!:そうなんです。麗しい別れのために暮らしたいんだっていう。一方で、「グッドナイトトーキョーロマンス」は別れの曲。“別れてさっぱりした”というような、後悔しないような恋愛は嫌だなって思うんです。長いことズルズルと引きずっているような人の方がいいなって。別れたあとに「やっぱりあの人のことめちゃめちゃ好きだったな」って言っているやつをみると、人間臭くて愛らしくなるというか。それでいいんだよっていう。
これまで愛してきた人たちも色々な形で等しく愛していていいと思うんです。これは別に二股とか不倫をしろっていうわけではなくて。別に直接会うことだけが愛ではないと思うので、その人のことをふとした瞬間に思い出したり、考えたりすることって、いいことなんじゃないかなって。そういう感じの曲ですね。
なので、今作に関してはあまり陰や憂いっていう部分を自分では感じていないんですよね。逆にどの辺りに感じたのかお聞きしたいです。
――例えば「新世界II」の、<あけすけな君の言葉を信じているよ>っていうラインなどはすごく引っかかったんですよね。ドキッとするというか。
sooogood!:なるほど……。確かにそう言われたらドキッとしますし、陰ありますね(笑)。おもしろいなぁ。自分自身としては朗らかな、健康で快活な少年のような作品をアウトプットしているつもりなんですけど、きっと生活している中ではたくさんのモヤモヤを感じていたり、嫉妬や怒りも芽生える。そういった感情が無意識レベルで出ているのかもしれないです。結構さっぱり系だと思っていたのに、実はメンヘラ的要素もあった(笑)。
――でも、健康で朗らかな感覚と、さっきおっしゃっていたように思春期の頃のような尖った、ドロドロした感情は、同居していていいんだっていうことですもんね。
sooogood!:そう思います。大人の安定感や落ち着きとかと、そういった感情は併せ持っていていい。それを『Strawberry,Gun,St.Bernard』で表現できたのかなと。
――なので、話を聞くとめちゃくちゃ腑に落ちるというか。
sooogood!:自分自身も何事にも動じない大人になりたいと思うし、そういう人を見てカッコいいなとも思うんです。でも、なかなかそうはなれない。ちょっとしたことで動揺してしまうし、逆にテンション上がっちゃうこともある。楽しいことは楽しい、悲しいことは悲しい。それでいいじゃんとも思っている。それがsooogood!というか、シミズコウヘイなんですよね。本当にこのアルバムには全部入っていると思います。今、自分の中身をどんどん言語化することができていて嬉しいです。
――せっかくなので、他の曲についてもお聞きしたいです。「祝祭」は少しだけファンタジーというか幻想的な風景が浮かぶようです。
sooogood!:この曲は「Best Youth」に近いことを歌っていて。僕たち音楽家は“愚か者”で、夢を追い続けて、火をずっと灯している。とにかく燃え上がる何かを持っている。でも、これって何も音楽家の特権ではなくて、全ての人がこうあってほしい。別に就職するなとか、そういう話ではなくて。会社に務めて、家庭を大事にしながらでも心に火を灯し続けることはできるはずだと思うんです。でも、現実では僕の大学のバンド・サークルの友人たちも、徐々に音楽や楽器を辞めていくし、気持ちの部分でも火が消えていく。もちろん忙しいとか、色々な理由があるのはわかっているんですけど、そういう火を消してしまう、“賢い人”にはなってほしくない。
「祝祭」はそういった火を消さないで、僕らと一緒に行こうよっていう曲ですね。“愚か者たちの祝祭”は、僕たち音楽家の世界のこと。音楽をやらなくても、楽器をやらなくても、心の中の火は消してほしくないなと。
――では、最後に「KENKO SEIKATSU CLUB」についても。
sooogood!:これはアルバムの中で一番ストレートに、“健康って最高”っていう曲です(笑)。長生きしたいし、老衰でポックリ逝きたい。本当に、健康って大事ですよ。
――(笑)。
軸はブレずに、柔軟に変化し続ける
――今作には、今の人間としてのsooogood!さん、シミズコウヘイさんがストレートに表現された作品なんだということがわかりました。
sooogood!:あまりに自分っぽくなりすぎているから、逆に恥ずかしさとかも一切ないし、とにかくカッコいいと自分で思っています。もちろん他の人からもいい評価をもらいたいですけど、別にどう評されても自分は気にしないなって思えるくらい、強い作品になっていると思います。
――今さらではありますが、今作をどのように聴いてもらえたら嬉しいですか?
sooogood!:最初の方にも言った通り、ギターのカッコよさを再認識したというのもあって、ギターのフレーズとか、重ね方にはめちゃくちゃこだわっています。サビで8本くらい重ねたり、パンを振りまくったりしたので、そういったところに注目してもらえると嬉しいです。あとはやっぱり歌を聴いてほしいですね。今、自分の歌がどんどん好きになってきていて。毎日歌いまくってるので、このアルバムからもすでに進化しているはず。上手くなっているのではなく、よくなっている。本当に、こんなことって自分にとっては初めてのことで。
――1stアルバム時のインタビューでは歌は苦手だとおっしゃっていましたよね。
sooogood!:そうなんですよ。自分でも驚いています。今作の曲って、当たり前なんですけど自分にとってすごく歌いやすくて。家事をしている時や街を歩いている時とか、最近常に口ずさんでいるんです。ミュージシャンは作っている時がピークで、作品を発表すると次のことへ興味が移るとか、よく言うじゃないですか。
――自分の作品をあまり聴かない人もいますよね。
sooogood!:自分もあまり聴かないタイプだと思うんですけど、今作に関してはずっと歌ってる。歌うのが楽しくて仕方ないし、アルバムを通して「音楽は最高!」っていう気持ちになるのが、僕にとっては何よりも幸せなことだなと。ただ、歩きながら歌うのはやめた方がいいかなと思いつつ(笑)。
――(笑)。
sooogood!:あとはコード進行もすごく凝って作ったので、そういう部分にも気付いてもらえたら。歌とかギターを楽しんでもらいつつ、「デザートいかがですか?」っていう感じでコード進行も味わってほしい。説明してくれって言われたら1曲ずつじっくり語りたい。
――今後のお話についてもお聞きしたいです。作品も含めて、今作以降sooogood!としてはどのような活動を展開したいと考えていますか?
sooogood!:“次はもっとこうしたい”っていう部分も見えていて。ひとつはもっとポップにしたいということ。もっとやれるなと自分では思っています。あとはミックスというか、音作りの部分をもっと詰めたいなと。今回は良くも悪くも結構平たいというか、並列的なミックスになっていると思うんです。これはエンジニアさんのせいではなく、僕のサウンド・メイクだったり、アレンジの部分が大きいと思っていて。
――それがインディ・ポップっぽさにも繋がっている気もします。
sooogood!:そうなんですよ。ただ、一方でMoonchildのような、奥行きを感じさせる音像にも魅了されていて。次はそこを突き詰めたい。そうしたら、自分の歌ももっとよく聴こえるんじゃないかなと。
――活動面ではいかがでしょうか。
sooogood!:僕はライブハウスで育ってやっぱりライブハウスが好きなので、ワンマンをやりたいです。先が見えにくい状況ではありますが、早くLIQUIDROOMでワンマンをやって、ソールドさせたいですね。あとは自分のアルバムをJ-POPだと思っているくらいなので、ドラマやアニメの主題歌もやってみたいですし。
――12月11日(金)には自主企画も控えています。久しぶりのライブになると思いますが、意気込みなどを聞かせてもらえますか。
sooogood!:ライブもすごい楽しみで、不安は一切なく、絶対に楽しい内容にできるなっていう気持ちでいっぱいです。本当はもっといっぱいライブやりたい気持ちもあるのですが、それは僕がどうこうできる話でもないし、何よりもこの変化の中で自分がどう立ち回るかが1番大事だと思っています。色々なことに関して、変化していくことはすごくいいことだと思っていて。変わらないものは根源というか、軸、さっき話した自分の内に灯している火だけでいい。学習したり、他の人から影響を受けたり、柔軟に変化し続けながら、自分を磨いていきたいですね。
【リリース情報】

sooogood! 『Strawberry,Gun,St.Bernard』

Release Date:2020.12.09 (Wed.)
Label:CULTIVATE RECORDS
Tracklist:
1. Introduction
2. おそろしく愛すべき子供たち
3. KENKO SEIKATSU CLUB
4. 新世界II
5. Interlude
6. 素敵な麗しい別れのために
7. Best Youth
8. 祝祭
9. グッドナイトトーキョーロマンス
【イベント情報】

『sooogood! & duo MUSIC EXCHANGE presents “NAADAM”』

日時:2020年12月11日(金) OPEN 18:00 / START 19:00
会場:東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGE
料金:
[来場] ADV. ¥3,000 / DOOR ¥3,500
[配信] ¥2,500

出演:

[LIVE]
sooogood!
BREIMEN
GOMESS
sui sui duck
Shin Sakiura

[DJ]

info:duo MUSIC EXCHANGE [03-5459-8716]

・チケット

来場(e+)(https://eplus.jp/sf/detail/3342940001-P0030001) :11月10日(火) 10:00〜
配信(e+)(https://eplus.jp/sf/detail/3343130001-P0030001) :11月21日(土) 12:00〜
info: duo MUSIC EXCHANGE(http://www.duomusicexchange.com/) [03-5459-8716]
■ sooogood! オフィシャル・サイト(http://sooogood.net/)

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