坂本真綾 両A面シングル「独白↔躍動
」で刻んだ『FGO』との関係性 「今は
作り手の一人に混ぜてもらっている感
じ」

12月9日にニューシングル「独白↔躍動」を発売する坂本真綾。今回は12月5日より全国ロードショーの『劇場版 Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- 前編Wandering; Agateram』主題歌「独白」と、配信シングル「躍動」(スマートフォン向けゲーム『Fate/Grand Order』第2部後期主題歌)が収録された両A面シングルとなっており。坂本真綾と『Fate/Grand Order』の強い結びつきを感じる一枚となっている。25周年イヤー後半戦を突っ走る坂本に今回のアルバムについて、そして有観客で行われたツアー『坂本真綾IDS!presents Acoustic Live &Talk 2020』についても語ってもらった。

独白をただ聴いてあげるような曲で、むしろ救われる人がいるかも知れない
――今回、シングル「独白↔躍動」がリリースされますが、2曲とも『Fate/Grand Order(以下FGO)』の主題歌となります。まずは「独白」の話を聴いていこうかなと思っておりますが、androp内澤崇仁さんとのタッグということで、まず歌ってみての感想をお聞きできれば。
今回は『劇場版 Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- 前編 Wandering; Agateram』の主題歌ということで、エンドロールに流れる楽曲なんです。監督や原作の奈須きのこさんからの要望も受けて、前半はスロー、後半はアップテンポで「組曲のような楽曲がいい」というようなオーダーを受けていたんですけれども、このちょっと難しいオーダーを内澤さんが引き受けてくださるか……どんなイメージで作ってくださるかな?と。
――不安があった?
けっこう丸投げしちゃったような感じだったんですけど、非常に的確にイメージ通りの曲を上げてくれたっていうことと、内澤さんがいつもandropでやってらっしゃる音楽ともまた違う、私と作品のために書いてくれた楽曲だなっていうのがすごく伝わってきて嬉しかったですね。久しぶりにお会いしたんですけどね。
――久しぶりだったんですか。
「レプリカ」以来ですね。ほぼ同年代、あれから、着々と力を付けていらっしゃるなあっていうのが伝わってきて、頼もしい気持ちで。安心して歌ったっていう感じですね。
――拝聴して、緩急にハッとさせられるところがあるというか。弦とピアノの使い方もとても豪華だなっていう印象があったんですけど。
はい、弦がすごいドラマチックで、かなり難しい旋律にいってると思いますけど、印象的ですよね。
――作詞部分でご自身の中でのポイントみたいなものはあったりするんでしょうか。
今回、劇場版のストーリーにかなり寄り添って書いています。脚本を読みながら、ラストシーンの主人公の顔にアップにかかって流れてくるテーマ曲だということだったので、ラストシーンは「えーっ、この後どうなっちゃうの?」って言うぐらい、かなり絶望的な場面で終わるんですね。絶望的な場面で終わるのに、何か前向きな言葉は似合わないなと思って(笑)。
――ははは!
今回はとにかく絶望に徹しよう、っていうような気持ちで書いていたんです。自分で曲を歌うときって、何にも救いが無いような曲はあんまり歌いたくなくて、どっかに希望を残しておくことが多いんです。実は今回後半の主題歌も私が作詞を担当させてもらうことが決まっていて、後半に救いがあるから、前半は救いナシ!って決めて、とにかく今この湧き上がってくる悲しみとか、後悔とか、ネガティブと思われるような感情をぜんぶ吐き出して終わるような歌詞にしたいと思って書きましたね。
――そこに関しては末澤(慧)監督さんだったり、奈須(きのこ)さんたちとのやり取りがあってという感じでしょうか。
そうですね。流れるタイミングとして、お客さんがエンディングを観ながらまだ物語に浸っている時間だと思うので、とにかく主人公の心情を描くっていうことを意識しました。映画を観てない人からしたら、「この人いったい何があったんだ?」っていうくらい、自分の後悔にさいなまれている歌ですけど。
――確かに(笑)。
人間誰でも、そういった出来事って、少なからず経験するものだと思うので、そういうときに、「大丈夫だよ、明日があるさ」みたいな曲を聴きたい人もいれば、「いまそういうこと言わないで!」っていう、ポジティブな言葉を聴くと逆に落ち込むみたいな瞬間もあると思うんです。私も経験があるんですけど(笑)。
――たしかにありますね、そういう時。
今回は「大丈夫だよ」とは言わないで、「ほんとうに苦しいよね」っていうその独白をただ聞いてあげるっていうような曲にしたら、むしろ救われる人もいるんじゃないかなあという気がして。
――悩み相談してても、答えが欲しいんじゃなくて、ただ聞いてほしいって時あります。
この「独白」っていうタイトル通り、この人も別に、誰かにそれをこう、ぶちまけているというよりは、心の中で絶叫しているという感じなので。それを、「ああでもないこうでもない」ってこっちが意見するのも違うし、まとめに入るのではなくて、この心の中だからこそ吐き出せる、ちょっと粗暴な考えっていうのも、たまにはあっていいのかなって。
『FGO』ユーザーが歌詞の世界を理解しようとしてくれているのが嬉しい
――そしてもう一曲、「躍動」です。こちらはユアネスさんとの初コラボですが、印象としてはいかがでしたか。
もう本当にいい子達でした。
――お姉さんの意見ですね(笑)。
若いメンバーばかりなんですけど。今回すごく気合を入れて臨んでくれて。他のアーティストに曲を提供するっていう経験も初めてだったということもありますし、『FGO』っていう大変人気のある作品の楽曲っていうことで、多分プレッシャーとか緊張もあったと思うんですけど。それがいい形に作用して、すごく誠実な感じが伝わってくる音楽を書いていただいたという気がします。
――過去にもthe band apartさんだったり、la la larksさんだったり、それこそandropさんもそうですけど、けっこうロックバンドから楽曲提供を受けることも多い印象があります。ロックバンドとの競作というのは、真綾さんの中でどういうものでしょうか。
別にそんなにどのジャンルの人とかっていう風には分けて考えていないんです。でも、特に『FGO』の楽曲に関して言うと、今までもその流れがあったかなあと思いますね。la la larksのメンバーだったり、伊澤一葉さんもそうだけど。その作品に合う作家を選ぶと、たまたまロックバンド系の方々が続いてるって感じですかね。別にそれで、ロックバンドだからどうとか、こっちが何か変わるか?っていうと、そんなことはないんですけど。そのとき歌いたい曲とか、求められているテイストに寄り添ってご一緒していると言うか。
――なるほど。
やっぱり自分がバンド経験してないので、その中に入って、ちょっと「なりきりバンド結成」を味わえているというような。楽しいなっ、ていう(笑)。
――『FGO』の楽曲としても、「色彩」「逆光」「空白」「躍動」「独白」と5曲、『FGO』とのつながりって、かなり深くなっていると思います。改めて、『FGO』というもののコンテンツに対しての関わり方って、自分の中で変わってきた部分ってありますか?
あります。やっぱり最初はゲームの主題歌っていうものは、どのくらいユーザーさんにとって浸透するのかってちょっとわからなかったんです。でもこの作品の特性として、物語を楽しむゲームだったっていうのもありますし、詩(歌詞)の世界をすごく理解しようと思って、何度も聴いてくれるユーザーさんが多くて、そこがすごく嬉しかったのもあるんです。
――そうですね、『FGO』はテキスト量も圧倒的に多いし、その物語を読み進めたいからクエストをクリアするという部分もあると思います。
だから2作目からは、そういった熟読してくれるユーザーさんを楽しませる歌詞を書きたいっていう風になっていったんです。奈須先生ともその都度、すごく深く打ち合わせをすることで、制作サイドがどんなテーマを持って作ってるかとか、どんな話にしていきたいかという過程を知ることができて。
――それはファンからしたら一番羨ましく思うポジションですね(笑)。
私も最初はちょっとお客さんの気持ちで見てたんですけど、今は作り手の一人に混ぜていただいているような感じです。『FGO』ユーザーに何を届けたいか、どんな気持ちを味わってほしいかっていうのを、一緒に届ける側にいるのが非常に楽しいことですね。例えばアニメの作品だと、オンエアが始まる前に楽曲を作り終わって、あとはオンエアされるのを観るだけでしたけど、アプリゲームだと今後の展開をお届けしている最中に関わっているので。
――たしかにそれはそうですね。
作品が盛り上がっていく過程も近くで見れたし、実感も味わえたし、信頼して歌詞を書かせてくれる奈須先生にも応えたいっていう気持ちがあるし。すごくクリエイティブな気持ちにさせてもらってるなと思います。
――リアルタイムにユーザーの反応を見ながらって、確かにアプリゲーム独特なのかもしれないですね。
ただ、タイトル漢字2文字シリーズは、自分の中では2、3曲で終わると思ってたんですよね(笑)。
――ははははは。
この先もずっと続いて、もし「もっと書いて」って言われたら、もうどれがどの曲だか誰にもわからなくなって、っていう恐れがありますけど(笑)。
――オーダーがくれば、できる限り漢字2文字の曲タイトルでいきたいっていうのもあるんですか?
なんか、『FGO』と言えば、みたいな感じがあった方が良いんじゃないかなと思ったんですけどね。こんなに続くと思ってなかったから、最初は(笑)。
――縛りになってきちゃってる(笑)。
ただ、日本語の面白いところで、たった2文字でもいろんなことが言えるっていうか。
――そうですね。
「色彩」「逆光」っていうのは、なんかその現象を表すちょっと無機質な言葉でしたけど、「躍動」っていうと、そこに振動とか体感的なものがのっかって来たり。「独白」っていうのは、普段あんまり使わない言語かもしれないけど、なんか漢字2文字でいろんなテイストが出せるのは、けっこう楽しんでもいて。もし続くなら、何か新しい表現を引っ張り出してくれるかもしれないので、続けられたらいいかなって思いますね。
――「独白」っていうタイトルは本当にぴったりだなと思ってて。歌詞を見ながら聴き終わったときに「ああ、これは確かに独白だったな」っていう……。
そうですね、長い独り言ですね。
想像力を持って、色んな可能性を信じて行動していいということを残したかった
――そして、さらに今回、『MAAYA』盤と『FGO』盤で収録曲も分かれています。その中で、ちょっとお話聴きたいのは、「いつか旅に出る日」っていう曲なんですけれど。これは真綾さんが作詞作曲を担当されています。今日は作曲家・坂本真綾の創作方法もお聞きしたくて。
はい。
――作詞っていう部分ではさっき仰ったように、打ち合わせがあったり作品があって曲に合わせて言葉をはめていくっていうのがあると思うんですが、曲作りはどういう風にやられてるのかなと。
本当、自分でもよくわかんないんですけど(笑)。
――そんな(笑)。
だいたいのイメージはあるんです。でも弾き始めて、その場の閃きでどんどんできていくので。なんか計算通りいくことができるわけじゃないんですよね。そこが面白いっていうのもあります。
――作っていく中で変わったり生まれたりする。
自分でもどんなものが生まれてくるのか、本当に、鍵盤に向き合うまでわからないっていうか。でも、やればやるほどなにか理想に近づいてきている感じもあって。特にここ、数作自分で作ったものに関しては、けっこう自分でも気に入っているんです。やりたいことのイメージと、実際できる曲がすごく近づいてるのは、いいことだなと思っています。
――いろんな作曲の仕方あると思うんですよ。例えば、鼻歌をスマートフォンで録って、それを起こして、みたいな方もいるんですけど。基本的に鍵盤に向かうことが多い?
先に気持ちいいと思うコードを探していって、メロディを考えて。ひとつメロディができると、次のメロディが浮かぶんで、それに合うコードを考えて……っていう感じを4小節ぐらい、下手したら2小節くらいずつ作っていって、みたいな。
――少しできて、それがきっかけで次が見えてきて。
そうですね。歌詞書くときもそうなんですけどね。だいたい、Aメロから書いて行くことが多いです。
――今回のこの「いつか旅に出る日」というのは、ご自身の中ではどういう楽曲になっているんですか?
これは歌詞のイメージが先にあって作り始めました。今年の4月の緊急事態宣言中に、時間もたくさんある中で曲を作ってみたんです。単純にあまりどこへも行けない時間で、最初のうちは、こんなに休むの久しぶりだな、なんて、心のどこかでちょっと非日常を楽しんでいる自分もいたと言うか。こんなに休んじゃっていいのかしら、みたいな。
――そうですよね、やれることも制限されていましたし。
だけど2週間ぐらいしてくると、とても不安な気持ちとか、この先予定が立たない未来って、こんなに不安なのか、って思うんですよ。今まで手にしていた普通のことっていうのがどんなにかけがえのないかって、みんなが思ったことだと思うんです。
――確かに自由に何処かに行くことができないというのは思ったよりしんどかったですね……。
と同時に、これは今頑張れば過ぎ去ることだって思っている自分もいて。例えば、人生で自分にとって何か悪いことが起きたときも、永遠には続かない、これは過ぎ去るものだ、っていつも思うようにしているんです。今回も、長い歴史の中で言ったら、これはいつか終わることなんだってわかっているけど……もしかして今の時期、まだ何年かだけしか生きていない小さな子どもたちは、この数カ月がものすごい長い割合として、人生の中で起きていて。あれしちゃだめこれしちゃだめって言われ続ける毎日は、長く影響を残しちゃうんじゃないかって思ったんです。本来持っている、どこへでも行ける自由や、なりたいものに挑戦できるチャンスみたいなものを、なんか「ダメダメダメ!」っていっぱい言われながら育ったら、諦める癖がつかないかな?と思って。
――ああー。
想像力を持って、もっといろんな可能性を信じて行動していいんだよってことを、今のうちに言葉にして残しておきたかったっていうのが、何かあったんですよね。別に、誰かに向けてと言うよりは。自分がこれからの人たちに、何を遺しておきたいかっていうのを、こういった機会に改めて考えさせられたのかもしれないというか。だから言葉ははっきり、ゆっくり伝わるバラードで、優しい曲にして、聴いた人が、自分の未来を自然と想像できるような、想像したくなるような曲になればいいかなと思って作ってみました。
――僕は拝聴したときに、25周年を迎えられた、今坂本真綾が紡いだ「ポケットを空にして」みたいな印象だったんです。
おー、確かに。
――「今はこうだけど、次はこうだよね」じゃないですけど、次を感じさせる楽曲と言うか。何か、この楽曲に関しては、ご本人がどう思われるか解りませんが、菅野さん(菅野よう子さん)の血を若干感じると言うか。
それはちょいちょい言われますね。どっかに通じる何かがあるんじゃないか。通じると言うか、影響を受けている部分があるんじゃないかっていう人の言葉はよくいただきますね。
――なんとなく、楽曲がまとうオーラと言うか。
確かにこの「いつか旅に出る日」は特にシンプルな編成ですし、コーラスとピアノだけなんです。菅野さんが作り出す世界観の中でも、私が特に好きだったのが、ピアノと歌だけのものだったりもするので。確かに、私の好みの土台を作った人は菅野さんなのかもしれないですね(笑)。
FGO盤
難曲が私を成長させている
――もう1曲、『FGO』盤の方には、「逆光」のアンプラグドバージョンが入ります。こちらはなぜこういう形で?
前に「逆光」のシングル出したときにも、「色彩」のアンプラグドバージョン入れたんですよ。それがすごく好評だったっていうのと、前にアコースティックライブ編成でツアー回ってた間に、「色彩」をアコースティックアレンジでやって、それが好評でCDに入れたんですね。今回も今ツアー中で、アコースティック編成なんですけど、そこで「逆光」やったらどうなるのかなあっていう話が出て、そのツアーのセットリストにも入れたかったっていうのもあるんです。ああいう激しい曲がガラッと違うアレンジになるというのが好きなので、ここでやってみようかなと。
――凄くしっくりきてましたね。
発売になってから、かなりライブでも歌っている曲なので、歌としても、CD出したとき以上に育ってきていると言うか。表現がいろいろできるようになっているのかもしれないですね。
――「色彩」「逆光」はけっこう歌われてますもんね。
歌ってきましたね、この数年。最初は、「色彩」録ったときも、レコーディングではいいけど、ライブで歌うの大変だなと思って、嫌だなあとかおもってたんですけど(笑)。
――そんな!(笑)
人気が出ちゃったので、「まあ一応歌っとくかあ」みたいなところから「あれ、意外にライブ映えするな?良い感じだな?」って。「逆光」も「いや、今度こそムリだよこれ」って思ってたんですけど、なんか歌ってみると、「エモいな!」みたいな。意外にライブで大丈夫だった、っていう(笑)。
――それは、今後「独白」もそうなってくるかもしれないですね(笑)。
「独白」はね、歌ってる時も「これヤバイな、ライブどうやるんだろう?」みたいなのはありましたけど(笑)。
――たぶん、それもそのうち「案外イケるな?」って。
そうなんですよね、難しい曲だからこそライブでやったときの、何とも言えない高まりが聴いている人も、歌っている方もあるというか。正直言うと、レコーディングよりライブの方がアツくなっている感じがするので。
――それは感じますね。
CDで聴き慣れている人も、ライブで聴いて、より好きになってくれる曲に育ってきているなと思うんですよね。だから『FGO』曲を、ライブで歌ったらイマイチだったって言われないように、『FGO』曲は意地でも生で歌えるように頑張らないといけないですね。
――真綾さんも成長されてるっていう。
そうですね。こういう難曲が私を成長させているっていう(笑)。ありがたい。
まだまだ楽しいことが待っていると言いたい
――今お話もいただきましたが、このインタビュー時点では、『IDS! presents Acoustic Live & Talk 2020』が開催され、すでに数箇所回られているんですよね。
はい。
――この間、ミュージカル『ダディ・ロング・レッグズ~足ながおじさんより~』はあったと思うんですけど、ご自身の主催イベントで人を呼ぶって久々だと思いますが、いかがですか?
この時期久しぶりに生の音楽を浴びにきているっていうお客さんがすごく多いなあっていうのは、見ててわかるって言うか。1曲目のイントロが始まっただけで感極まった表情している人とかもいるぐらいなんです。やっぱりみんなそういう時間必要だったよね……っていうのをお互いに感じますね。配信とかいろんな工夫が今はされているけれども、同じ空間で同じ音を楽しむっていうのは、特別で贅沢なことだなあっていうのは実感してます。
――開催に当たってっていうところは、迷ったり悩んだりするってことあったりしたんですか?
まずひとつ、ミュージカルが無事全公演、地方も含めてできたときに、やりながら考えたことと言うか、わかったこともいっぱいあったので、それをもって、自分のツアーではどうやっていくかっていうのは、参考にできる部分はありましたね。
――無事好評のうちに終演しましたね。
はい、世の中がどうなるか、私が考えてもわからないことなので、何か起きたときはもうしょうがないって切り替えていくしかない、変化していかなきゃいけない場面はあるかもしれないけど、「できない」ことはやらないだけで、「できる」ことをやるだけ、っていう風に考えて。でも実際にやってみると、そうやって来てくれるお客さんは、本当にいろんな状況が許してチケットをお求めになってくださった方だけど、どうしても今は行けないって人もたくさんいるので、客席を半分にしても、なかなか会場によっては、いつもよりはお客さん少ないっていうところもありましたね。
――チケットを取った後に行きづらくなっちゃう可能性もありますからね。
そうなんですよね。だから、そこは無理せずに、ただ一人でも誰か、「今、どうしても必要だ」と言ってくれる人がいれば、その人のために行くことはぜんぜん無意味じゃないと思っています。私たちの仲間たちも、この数カ月仕事ができずに歯痒い思いしてたツアースタッフの人たちもたくさんいますし。皆で仕事ができるっていうことは、本当にありがたいことだなと思っています。
――初日札幌・北海道からスタートしてますが、リハをして、旅支度をして、移動してって言うのも、久しぶりなのでは。
そうですね。ミュージカルも地方公演がありましたけど、そのときも今回も、移動はしても会場とホテル以外どこも行かないので。なんか、どこに来たのか実感がなかなか湧かないですけど(笑)。
――着く、ホテル、会場、ホテル、帰るみたいな(笑)。
この間、飛行機に乗ったのがすごい久しぶりで。私、飛行機大好きなんですよ。札幌に行くときに、「あー!飛行機ー!やっぱり好きだなあ!」と思って。もう、窓の外を見るだけで嬉しかったっていう感じが(笑)。
――真綾さんの25周年イヤーも後半戦ですしね。
はい、一応やっています。何だかんだいろいろ延期や中止もありましたけど、そんな中でアルバムも出せてシングルも出せてツアーもできて、ミュージカルもできて。かなり恵まれていたと言うか、私としてはかなりありがたいことが多かったので、気を緩めずにではありますけど、こんな中でもできることは頑張んなきゃなというのと、一応来年の春までが25周年イヤーなので、その間には、もう少し何かできればいいなと思ってます。
――改めて4月までの、25周年イヤーの残りをどう駆けるか、一言いただければ。
そうですねえ。まあ、予定がいろいろ立ちにくい世の中ではありますが、そんな中でも、楽しいことを想像しながら。なるべく皆さんを楽しませることをお届けできるように今すごい準備しているところなので。25周年イヤーまだ終わっていませんよということを一応お伝えしておきたいですね(笑)。
――そこは声高に伝えておかないと(笑)。
ははは(笑)。まだまだ楽しいことが待っていると言いたいですね。そして、「独白」が主題歌になっている『劇場版 Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- 前編Wandering; Agateram』も、一旦公開延期になったものが、年内に公開できるっていうところまできたのは、やっぱり何かが少しずつ前に進んできているという実感もあって、すごく嬉しいことだと思っています。みんなで一緒に協力して、乗り越えていきましょう!
インタビュー・文:加東岳史

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