特別功労大章受章者(代理人)ら

特別功労大章受章者(代理人)ら

第65回「映画の日」中央大会開催、「
鬼滅の刃」がゴールデングロス賞最優
秀金賞受賞

特別功労大章受章者(代理人)ら 第65回「映画の日」中央大会の式典が12月1日、都内ホテルで開催された。今年は新型コロナウイルス感染予防のため人数を絞った形で主な映画業界関係者、受章者が列席。冒頭、11月18日に逝去した東映の岡田裕介会長を偲び黙とうが捧げられた。
 12月1日は、日本における映画産業発祥(日本初の有料公開)を記念する日として1956年に「映画の日」に制定されている。式典では、映画業界で40年以上勤務した永年勤続功労章受章者43人の表彰が行われ、日本映画界に多大な貢献をした者に贈られる特別功労大章を、創業125年を迎えた松竹会長の大谷信義氏が受章。また、視聴覚障がい者のための映画のバリアフリー化の推進に大きく貢献した、映画館広告のサンライズ社に感謝状が贈られた。
 続けて、今年の映画界に最も寄与した作品に授与される第38回ゴールデングロス賞の授賞式が行われ、興収275億円を突破した「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が日本映画部門で最優秀金賞を受賞。優秀銀賞は興収53億円の「今日から俺は!!劇場版」、興収38億円の「コンフィデンスマンJP プリンセス編」、興収33億円の「映画ドラえもん のび太の新恐竜」が受賞した。例年より少ないながらも、いくつかの大ヒット作が生まれた。
 外国映画部門では、2019年11月に公開され、最終興収133億円を記録した「アナと雪の女王2」が最優秀金賞を受賞。優秀銀賞は興収73億円の「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」、興収47億円の「パラサイト 半地下の家族」、興収30億円弱の「TENET テネット」が受賞した。ただ、今年はハリウッド大作の公開延期が相次ぎ、例年よりもヒット作が少なく、邦画・洋画の興収を合わせると、現在までの統計では昨年対比約40%程度という、大変厳しい情勢となっている。
 「映画の日」執行委員会の迫本淳一委員長は、「本年の映画界は、昨年の興収最高記録から急転直下、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受け、2000年以降の最低記録になりそうだと聞いている。映画関係各社や映画館は非常に厳しい状況下にあるが、その中で一筋の光明も見えてきた。『鬼滅の刃』が公開され、映画館を救う驚異的なメガヒットとなっている。映画館数は、コロナ禍以前からの開業計画があったため、全体としては昨年に比べ30スクリーンほど増え、本年末には3610スクリーン前後になる。コロナ禍のダメージを完全に払拭するためには、改めて国民の皆様に対して映画鑑賞の素晴らしさ、楽しさを認識してもらう必要がある」などと語った。
 なお、新人脚本家を発掘し、創作活動を奨励する第46回の「城戸賞」は、脚本406編の応募があり、10編の最終審査作品の中から島田悠子氏の「御命頂戴!」が準入賞を受賞。岡田鉄兵氏の「出戻りサト子」、生方美久氏の「ベランダから」が佳作に選ばれ、表彰された。

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