亜咲花 完全復活!術後初のワンマン
ライブで力強い歌声を披露 オンライ
ンライブレポート到着

2020.11.20(Fri) 亜咲花オンラインライブ『亜咲花ワンマンライブ2020 ~ERA~』
2016年に当時、”高校2年生のアニソンシンガー”として鮮烈にデビューした亜咲花。今回は彼女が11月20日(金)に行ったオンラインライブ『亜咲花ワンマンライブ2020 ~ERA~』のレポートをお届けする。
今回は2020年4月に声帯ポリープの切除手術を行ってから初のワンマンライブということもあって、ファン待望の、そして固唾を飲んで見守ったオンラインライブだったかもしれない。しかし、いざ蓋を開けてみれば、いつもの彼女らしい明るくパワフルなパフォーマンスとトークで、あっという間に過ぎていった二時間となった。
無人のステージが映し出されたところから配信は開始。ライブの開始を告げるカウントダウン動画が流れ始め、ステージ上にバントメンバー、そして亜咲花が登場。彼女の最新シングルで、TVアニメ『ひぐらしのなく頃に 業』のOPテーマにも起用されている「I believe what you said」の3曲目に収録されている最新チューン「Last Friday Night」からライブがスタート。作詞も彼女本人が行なっており、「♪もうドキドキ止まらない〜」という歌い出しからも、まさに彼女自身がこの”金曜の夜”を最高にエンジョイしている様子が画面いっぱいに広がってきた。
続けて歌うのは「Never ending true stories」。こちらはゲーム『勇者ネプテューヌ 世界よ宇宙よ刮目せよ!! アルティメットRPG宣言!!』のEDテーマにタイアップされている1曲ということもあり、曲のタイトルはもちろん、曲中にもチップチューン的な8bitのピコピコサウンドが散りばめられた軽快なダンスナンバーだ。
2曲を終え、改めて挨拶。今回は自身初のオンラインライブであったり、ガールズバンド編成であったりと、初めてづくしであることを前置きに「ごめんね、先にひとことだけ言わせて。”慣れないね”」と語り、笑いを誘う。
前述の手術の件なども話題にしつつ、「生まれ変わって、パワーアップした亜咲花を、今日このライブで皆さんに証明してみせます!」と熱い意気込みで締めて、彼女の言葉を借りるならば「攻め攻めの曲コーナー」へと突入する。
続いて披露されたのはTVアニメ『ひぐらしのなく頃に 業』OPテーマの「I believe what you said」。満面の笑みで歌ってトークをしていた先ほどとは一変、クールな表情でシリアスに歌い上げる彼女からは、作品への確かなリスペクトを感じた。
5曲目は「SCREEEAM!!!」。こちらも「I believe what you said」のカップリングとして収録されている初披露の曲だが、タイトル通りの激しいロックナンバーとなっている。曲の途中では「みんな一緒に!!」といつものライブのようにコール&レスポンスを求めるシーンもあり、モニター越しの視聴でも気分が昂ぶってくる。
そしてSCREEEAM!!!のアウトロから間髪入れず、「Round of new thing」へ。「さぁ、皆さんタオルの準備は出来てますか!?」と声を上げ、曲の1番へと突入、ライブのボルテージも一気に最高潮へ。最後にはマフラータオルも投げ捨て、全力のステージングを終え、直後のMCコーナーでは「これが…久しぶりのワンマンライブか……(笑)」と息を上げながら思わず本音が漏れる。
“攻め攻めの曲”のあとは、「特に思い入れのあるしっとりめの2曲をお届けします」と本人の口から語られ、披露されたのは「Marine SNOW」。TVアニメ『ISLAND』EDテーマ(9話以降)にも起用されている1曲だが、直前のMCでの「全力で歌うので、しっかりと受け止めてください」という宣言通り、力強く、そして確かにその想いを込めて歌い上げていた姿が印象的だった。
続いて披露されたのは、ミニアルバム「19BOX」より「Singbird」。「白い雪のように…」という歌い出しは、まさにこの流れにピッタリの曲であるし、彼女の声に寄り添うように鳴くギターがより一層、心に染み渡たるようだ。
今回のライブでは参加応募はファンクラブ会員限定ではあるが、応募者の中から抽選でzoomを使用して視聴者がライブに参加できるコーナーも設けられており、ここではそんな参加者たちと一緒に1曲歌う、という一幕も。
「このような状況でも、みんなとひとつに繋がれるのが嬉しい!」と技術の進歩に感謝しつつ、披露されたのは「The Sunshower」。曲の途中、亜咲花がカメラに背を向け、背後のモニターに映るファンと一緒に手を振りあったりと、終始和やかで優しく温かい空間が形成されていて、思わずこちらも微笑んでしまう。こちらはショートアニメ『へやキャン△』の主題歌にもなっているが、まさに野クルの部室のような、そんな穏やかなワンシーンを垣間見た気がした。
ここからライブは後半戦に突入。ライブ恒例のアニソンカバーコーナーということで、1曲目は『涼宮ハルヒの憂鬱』から「冒険でしょでしょ?」、続けて『天元突破グレンラガン』から「空色デイズ」の2曲をカバー。アニソンシンガーになりたくて、歌手デビューを目指してきた彼女にとって、このコーナーがいかに重要であるか、そして何より「ただのオタクに戻れる瞬間」であることを再認識。
そんな流れで来年、2021年1月から放送予定のTVアニメ『ゆるキャン△ SEASON2』のOPテーマを担当することを改めて発表。
ここから3曲続けて披露されたのはTVアニメ『ゆるキャン△』1作目OPの「SHINY DAYS」、TVアニメ『ゆるキャン△』シリーズイメージソングの「Isn’ t it fun?」、そして「1000mile」。
「Isn't it fun?」の途中では上着を脱ぎ、彼女の歌声には更にエンジンがかかる、まさに曲名の通り「楽しんでる?」と語りかけてくるようなステージングに引き込まれるようだ。続く「1000mile」で「SHINY DAYS」からのカントリー風なグルーヴの流れが郷愁を誘い、改めてライブの終わりが近づいていることを感じさせる。
続くMCパートでは改めて新体制であるガールズバンドのメンバー紹介をおこなった亜咲花。女子だけの編成ということもあって、和気藹々とした雰囲気が画面越しにも伝わる。また、1年ぶりかつ手術後初のワンマンライブということもあり「不安の方が大きかった」と正直な心境を吐露。
喉の手術に加えて昨今の情勢もあり、彼女にとっても2020年は大きな困難の年となったが、それでも開催した今回のオンラインライブも然り、改めて「歌手になってよかった」と自分を見つめ直す良い機会にもなったと語った。
そして、今度はそんな自分の姿をみて、”アニソンシンガー”を志す、そんな次の世代の子が生まれてきてくれるように頑張るのが、今の夢である、と胸の内をさらけ出した。
そこから披露されたのは「終わらない夢」。1stアルバム「HEART TOUCH」の最後に収録されている1曲だが、そんな彼女のMCを聞いた直後に改めて聞くと、また違った意味合いをひしひしと感じた。
アニソンシンガーとしての矜持、ファンへの感謝など、様々な想いを込めて、彼女は深々と頭を下げた。そして最後の曲は、こちらもTVアニメ「ISLAND」EDテーマである「Etarnal Star」。亜咲花らしく明るく元気なこの1曲を最高の笑顔で歌い上げる。完全復活、最高のステージングであったと言えるだろう。
ライブは一旦ここで終了。ここからはファンクラブ会員限定のアフターショー、言うならばアンコールパートだ。
今回のライブTシャツにお色直し、そしてコメントを拾いながらのMCパートからスタート。「初めてこのメンバーでライブしたけど、女の子同士だと、距離感が最初から近くていいよね〜!」という亜咲花と、「それは亜咲花ちゃんがコミュ力高いだけだよ」というバンドメンバーからの意見に、「きっと、帰国子女だからフランクなんだよ!」とチャットのコメントですかさずフォローが入る…という微笑ましいシーンが見られたのもFC限定ならでは。
そんなトークも楽しみながら、アンコールパート1曲目に披露したのは「GET DOWN」。前言撤回。アンコールパートに突入してもなおパワフルな彼女は復活どころか、まさに120%のパフォーマンスを見せてくれた。また、ライブ初披露のこの曲にコメントも大盛り上がり。
「やっぱり皆もこういうロックなのが好きなのか〜、バンドメンバーの皆は弾いててどの曲が楽しい?」という亜咲花の問いに対して「私もこの曲が今日やってて1番楽しかった!」と今日イチバンの盛り上がりを見せたのだった。
アンコールパート2曲目は、デビューシングル「Open your eyes」のカップリング「ILLUMINA」。
「収録当時はあんまり歌詞の意味まで汲み取れていなかったけど、今歌うと「深い歌詞だな…」と思う自分に、大人になったな……(笑)」と語り、個人的に歌いたかった1曲だったのでチョイスしたのだという。(本日のセットリストは彼女自身で決めたとのこと)それに対して「ILLUMINA待ってました!」「久しぶりにライブで聴けるとは…!」というコメントもチラホラ。
アンコールパート、ラストはTVアニメ『セントールの悩み』ED曲の「Edelweiss」。今回のオンラインライブでの開催は、自身にとっても良い経験になったと締めくくりつつも、曲の節々で「みんな一緒に!」や「飛ぶよ〜!」といったコール&レスポンスが自然と多くなり、彼女自身(我々も、もちろんそうだが)やはりライブ会場での生のパフォーマンスをしたい/見たい、という気持ちが無いわけではない、むしろそうしたいという想いが感じ取れた。
しかし、そんな後ろ向きな気持ちをバッサリと切ってくれるような、気持ちいいくらいに全力のパフォーマンスと最後、本当にラストのひとこと「またね〜〜ッ!」という元気な挨拶と大きく手を振るその姿に、たくさんの元気をもらえた充足感でいっぱいの金曜の一夜となった。
レポート・文:前田勇介

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