ヤユヨ、究極のスローバラード「君の
隣」完成ーーバラードを歌うのがすご
く好きで、作っていても、歌っていて
も楽しい

8月5日にデビューミニアルバム『ヤユヨ』をリリース。そのタイミングでインタビューをしたのだが、そこから早5ヶ月。前回、なぜほとんどの楽曲がミディアムやスローな曲調なのかを訊いたのだが、11月27日(金)リリースの配信シングル「君の隣」は究極のスローバラードが完成した様に思う。こんな状況のままで迎える冬の不安定さを歌った楽曲であり、本当に胸が締めつけられる。押し付けがましさが無く、自然に耳を傾けられて、私たちの心に寄り添ってくれる、そんな素晴らしいスローバラードだ。久しぶりに出来るようになったライブ、レギュラー出演中のラジオ(MBSラジオ『アキナの週刊ヤングフライデー』毎週金曜日23時~放送)、メンバーの事などから、来年大学4年生になるなかでの将来など、色々な事についても訊いているので、是非とも読んで頂きたい。
リコ(Vo.Gt / ヤユヨ)
ーー8月にリリースされた1stミニアルバム『ヤユヨ』のリリースタイミングでインタビューしたのですが、その後、ラジオ番組のレギュラーなど露出が増えましたよね。
はい、本当に嬉しいですね。でも、ラジオは難しいです。ただ、お相手が芸人さん(アキナ)なので、その分は楽しませてもらってます! 自分が喋るのは上手じゃないんで、勉強にもなりますね(笑)。
ーー前回、「インタビューに慣れない」と話されてましたが、今はインタビューに慣れましたか?
全然ですね。慣れないというか、「これで合ってるのかな?」みたいな感じになるんです。読んで下さる方も増えたからこそ、少し考えてしまいますね。自分のインタビューを読むのも恥ずかしいし、「こんなん言ってたんや……」、「かっこいい事を言ったら良かった……」みたいな反省もあります。メンバーの中だと、ぺっぺ(Gt)の方がカッコ良い事を言えるんですよ!
ーーぺっぺさんは、そんなにカッコ良い事を話せるんですか?
大学でも国語系の学部なんで、説明上手で言葉選び上手なんです。個人的な事を相談するなら、ぺっぺと決めていて。私は「こういう事が嫌、こういう事が嬉しい」という内容もうまく話せないけど、ぺっぺは、その内容をパッとまとめてくれて。MCとか、ラジオでも、そんな感じですね。はな(Ba)も聞き上手だし、変わってるところもあるので、テレビに出演して一番笑いが取れるのも、はななんです。昨日もテレビ収録があったんですけど「何フェチ?」みたいな話題で「肘フェチ」と言っていて、「意味わからへん!」と盛り上がっていました。
リコ(Vo.Gt / ヤユヨ)
ーーなるほど(笑)。あと、前回のインタビューからでの変化でいうと、観客の前でのライブが少しは出来るようになったことだと思います。
夏から久しぶりにライブが出来るようになったので、めちゃくちゃ楽しいです! 大阪城野音でのライブも経験できました。野外自体が初でしたし、開放感が凄かったです。自粛期間に入るまでは数えられる本数しかライブをしていないし、お客さんも3人とか10人とか、多くても何十人みたいな環境だったんですけど、野音は何百人もいらっしゃって。自粛期間中に自分たちのことを知ってくれた人が、こんなにいるのかと実感できて感動しました。緊張はしましたけど、気持ち良かったです。でも、どこかで「これで大丈夫なのかな」という不安もあります。お客さんに、どう思われているのか考えちゃうんですよね。めちゃくちゃ反省もしますし……。配信ライブは後で観れるので、「わー! こんな感じで、お客さんに観えてるんや」と思いますね。ただ自分が楽しんでいるのを観てもらうだけじゃなくて、後から自分が観ても良かったなと思えるようになりたいです。あとは、MCはもちろん、もっとメンバーも巻き込んで、お客さんの方を見れたらいいですね。まだまだヤユヨを初めて観る人の方がたくさんいらっしゃるので、お客さんも「どうやったらヤユヨのライブを楽しめるか」を掴めてない方が多いと思うんです。例えば、今は座席がある場所で観てもらうことが多いんですが、お客さんも立って観ていいのか、悩んでしまってたみたいで(笑)。マネージャーには2回くらい「立たせろよ!」と言われましたね。
ーー立って観てもいい場合は、立つタイミングを演者が作ってくれたら、お客さんはわかりやすいですからね。
今はガイドラインがあるからこそ、私たちがお客さんを戸惑わせてしまったら駄目ですよね。そういう意味では配信ライブは特に難しいです。お客さんの顔が見えないですから。
リコ(Vo.Gt / ヤユヨ)
ーー曲作りに関しても聴きたいのですが、前回は自粛期間中で人に会わないとモチベーションが湧かないから、曲作りが進みにくいと話されていましたよね。
モチベーションが無いなりに、色々と思い出しながら作った曲や、前からあった曲を再構築したりと、曲の作り方は変えてみようとしています。前は作詞から作ってましたけど、コードから作ってみようとか。例えば、漫画とかを読んで、その主題歌を作ろうとか。そういう感じで歌詞を作ってみたりもしています。今回の「君の隣」は、ぺっぺに「こんなコードを考えてん!」と渡されてから歌詞とメロディーを書いて、みんなでアレンジをしました。このやり方は初めてですけど、やりやすかったです。自分的にも好きなコード進行だったし、切ないバラードを感じたので、その印象から作っていきました。
ーー色々と曲作りをしていくなかで、「君の隣」をリリースしようと決めたのは早かったですか?
早かったですね。前回のアルバムリリースの時から大元は出来ていましたし、ちょうど冬っぽさもありましたし、君の隣にいたいという気持ちを歌詞に出していけたらなと、自粛期間中に考えていたんです。「君の隣」というタイトルのワードの強さもありますしね。
リコ(Vo.Gt / ヤユヨ)
ーー自粛期間中は冬じゃないのに、冬をテーマに曲を作れるのは凄いですよね。
歌詞を書いたのが2月くらいだったからですかね。でも、色々と考え始めたのは夏くらいからで、最後のサビとかはレコーディングのギリギリまで悩んだんです。<もどかしい冬の帰り道も、私の隣で>という歌詞も、本当は冬というワードを入れずに、冬を表現したくてむちゃくちゃ悩みました。だけど、ぺっぺが<冬の帰り道>という歌詞を提案してくれたので、思いきって冬というワードを入れたら、しっくりきたんです。
ーークレジットでは作詞作曲リコさんになっていますけど、そうやって、みんなで作っているんですね。
本当だ! クレジット、リコになってる!? メンバーと作る事は多いです。一通り、私が作って、「ここの歌詞を」とか「ここのコードを」みたいな感じで、みんなで話し合いながら作ってます。
リコ(Vo.Gt / ヤユヨ)
ーー前回のインタビューでもミディアムやスローのテンポの楽曲が多いという話をしたんですが、今回は前回よりも、よりスローバラードで、僕は大好きでした。
私、バラードを歌うのがすごく好きで、作っていても、歌っていても楽しいんです。今回は、ちゃんとしたバラードを作ってみたくて。「7月」(前作収録楽曲)もゆったりとしていますけど、結構ロックな感じもあるんです。だから、もっとバラードを意識してアレンジをしたら、こんな感じになりました。あと、バラードを聴かせるのって難しいんです。切なさを声と顔で表現するみたいな(笑)。こないだ北海道のライブで「君の隣」を歌ったら、顔が真剣すぎて渋くなっちゃって。でも、「これが「君の隣」だ!」と余裕な感じで歌う曲でも無いと思うんです。
ーー切羽詰まってではないですけど、自然な感じで絞り出すように歌われるスローバラードは確かに沁みますよね。それにしても、今の若手はテンポが速い楽曲が多いなか、ヤユヨはミディアムだし、スローですよね。前作収録の「今度会ったら」という楽曲を、前回のインタビューで「速い曲」と言ってましたけど、別に速くないですからね(笑)。
私的には速いんです! ライブだと、ジャンプしながら歌ったりして大変なので「今度会ったら」が速さの限界です(笑)。今も速い方向の曲にもチャレンジしてますけど、バラードもいっぱい作っていきたいです。ミディアムテンポのJ-POPみたいな曲も作りたいですし。
ーー前回も聴きましたけど、何で、そんなにミディアムテンポの曲やスローバラードを作るんですかね?
メロディーが大事だからですかね。前と同じ事を言っていますけど(笑)。
ーー例えばフェスって、騒がす、踊らすという意味で、速いテンポの楽曲がわかりやすかったりするじゃないですか。そんななかで、ヤユヨのミディアムやスローバラードが、どうフェスとかで響くかも楽しみなんですよ。
フェスとかになったら、どうなるんだろう……。持ってる曲をフェス風にアレンジするとかはあると思いますけど。
リコ(Vo.Gt / ヤユヨ)
ーー速いテンポがわかりやすいフェスのために新曲を作ったりしないのは、本当に良いですよね。そして、来年以降、ヤユヨがどうなっていくかが、本当に楽しみです。
そっか、もう来年か! ガイドラインにもよりますけど、自分たちでライブ企画をしてみたいですね。今は呼んでもらってばかりなので、ヤユヨ主催で何か出来たら良いなと。あと、アコースティックライブもしてみたいです。それに、まだ全国各地でライブが出来ていないので、企画をする前に、もっと色々な場所でライブをしたり、来年、大学4年生で最後の学生生活にもなるので、今のうちにもっと色々やっていきたいです。
ーーライブハウスでも野外イベントやフェスでも観たいです! そして、大学卒業後は関西を出て、東京に行ったりするのかなとも、勝手に思ったりしているんですが、いかがですか?
あんまり東京とかは考えてないですけど、いつかは行くんだろうなと。でも、「関西にも居たいし……」みたいな感じで、ゆらゆらしてます。まあ結局はメンバーがどうしたいかが大事なので。特に地元愛が強すぎるわけじゃないというか、元々、何に対しても執着心が物凄くあるタイプでもないので、また、その時になったら考えたいですね。

リコ(Vo.Gt / ヤユヨ)
取材・文=鈴木淳史 撮影=日吉”JP”純平

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