【仲村瞳の歌謡界偉人名言集】#175
歌手・小林幸子の言葉

作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー、バンドマン、振付師、……そして、歌手。きらびやかな日本の歌謡界を支えてきた偉人たちを紹介するとともに、その方々が発したエネルギー溢れる言葉を伝えます。常軌を逸した言動の裏に、時代を牽引したパワーが隠されているのです! このコラムで、皆様の生活に少しでも艶と潤いが生まれることを願います。

涙が枯れるまで泣いたら、しゃがむの。
しゃがんだあとは立ち上がるしかないん
だよ。とりあえず何があっても

より

2020年8月、演歌の女王・小林幸子とロックミュージシャン・松岡充が、異色ユニット・シロクマを結成。10月7日に、シングル「しろくろましろ」をリリースした。松岡充は、同曲のプロデュース、作詞、作曲、デュエットをするにあたり、小林に取材を行なったという。その時、小林から人生訓として松岡に語られた言葉のひとつが今回の名言。この言葉は、小林のtwitter(2020年9月12日)によると、小林のデビュー当時、師である大作曲家・古賀政男に言われた言葉「人は悲しい時、泣いて泣いて 涙が枯れたら、しゃがむんだ、そして、立ち上がるんだ」がもとになっているようだ。松岡が作った「しろくろましろ」を初めて聴いた時、小林は号泣したという。同曲のタイトルも、小林の言葉「白を黒に変えられたら、またそれを真っ白に戻せばいい」がもとになったもの。これらの言葉は、今を生き抜くためのヒントになるかもしれない。
小林幸子(こばやしさちこ)
1953年12月5日生まれ、新潟県新潟市出身。歌手、女優、タレント、実業家。1963年、9歳の時にテレビ番組『歌まね読本』でグランドチャンピオンとなる。その番組の審査委員長であった古賀政男にスカウトされ、1964年には新潟市内で肉屋を営んでいた家族と上京。古賀事務所に所属し、同年、古賀作曲の「ウソツキ鴎」で歌手デビュー。約20万枚のヒットとなり、「天才少女歌手・ひばり二世」として一躍脚光を浴びる。子役としてもデビューしている。1968年、青春ドラマ『青い太陽』に主演。エンディング曲と挿入歌も歌っている。その後、低迷期となり15年間に渡り、全国各地を一人で行脚し、地方興行を続けた。その間、小林幸子(日本コロムビア)、小林さち子(ビクターエンタテインメント)、岡真由美(テイチク)、小林幸子(ワーナー・パイオニア)などと度々改名。1979年、『おもいで酒』が200万枚を超える大ヒットとなる。『第21回日本レコード大賞』の最優秀歌唱賞、『全日本有線放送大賞』グランプリを獲得。同年、『第30回NHK紅白歌合戦』で紅白初出場を果たす。その後も、「とまり木」、「ふたりはひとり」、「もしかしてPartII」(デュエット曲)、「雪椿」などのヒットが続き、スター歌手の座を不動のものにする。1991年から2009年まで紅白での美川憲一との派手な衣装対決は紅白恒例となり、注目を集めた。1983年、新宿コマ劇場で初の単独座長公演を行う。1987年、個人事務所の幸子プロモーションを設立。1997年、テレビアニメ『ポケットモンスター』のエンディングテーマソング「ポケットにファンタジー」を歌う。2006年、第27回松尾芸能賞大賞受賞。同年、紺綬褒章を受章。2013年2月には台湾で開催される伝統行事『台湾ランタンフェスティバル 2013』の開幕式典に国賓級の待遇で招待される。日本人歌手としては初。2020年8月、松岡充とユニット・シロクマを結成。デュエット曲「しろくろましろ」を発表(8月9日に先行配信。10月7日にCD発売)。同曲は『ニコニコ超会議 2020 夏』のテーマソングに起用される。
仲村 瞳(なかむらひとみ)
編集者・ライター。2003年、『週刊SPA!』(扶桑社)でライターデビュー後、『TOKYO1週間』(講談社)、『Hot-Dog PRESS』(講談社)などの情報誌で雑誌制作に従事する。2009年、『のせすぎ! 中野ブロードウェイ』(辰巳出版)の制作をきっかけに中野ブロードウェイ研究家として活動を開始。ゾンビ漫画『ブロードウェイ・オブ・ザ・デッド 女ンビ~童貞SOS~』(著・すぎむらしんいち/講談社)の単行本巻末記事を担当。2012年から絵馬研究本『えまにあん』(自主制作)を発行し、絵馬研究家としても活動を続ける。2014年にライフワークでもある昭和歌謡研究をテーマとした『昭和歌謡文化継承委員会』を発足し会長として活動中。

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