B'z、無観客配信ライブ『Day3』 "道
は違っても ひとりきりじゃないんだ
" 今だからこそより響くメッセージ

B’ z無観客配信ライブ『B’ z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820- Day3』

2020.11.14 Zepp Haneda
松本孝弘(ギター)と稲葉浩志(ボーカル)による最強のロックバンド“B’ z”が初の無観客配信ライブ「B’ z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820-」を開催。デビューした1988年から現在(2020年)までの32年間を“5つの時代(5 ERAS)”に分けて、5週連続でそれぞれの時代の楽曲で構成したライブをお届けする。
11月14日は第3弾「Day3」。ライブ会場となったZepp Haneda(TOKYO)の外観や飛び立つ旅客機が映されたオープニングムービーに続いて、映像がモノクロに切り替わり、松本と稲葉がサポートメンバーと円陣を組み、気合入れをしてステージに向かう姿が見えた。それぞれが所定の位置につき、セッション的な感じで音を出した後に映像がカラーに変わるとこの日のオープニング曲、1999年リリースの「ギリギリchop」がスタート。厚みのあるサウンドとパワフルな稲葉のボーカルが相まって、いきなりトップスピードに入った感覚に。そして炎が揺れる中、ストリングスの音が響き、松本が重みのあるリフを奏で「ながい愛」へ。久しぶりに聴けた名曲への反響は大きく、この曲のタイトルがTwitterのトレンド入り。
2曲を歌い終わった後、「B’ zのSHOWCASEにようこそ!」と稲葉が呼びかけ、タイトなイントロから始まる「F・E・A・R」に突入。「ギリギリchop」を含めて、序盤は1999年にリリースした10thアルバム『Brotherhood』の世界観を楽しませてくれる。王道のロックサウンドをガツンと聴かせる「Seventh Heaven」(『ELEVEN』収録)は、ライブで披露されるのは約19年ぶり。
「無観客というスタイルにも随分慣れてまいりまして、何を言っても返ってこないという静けさ、静寂にもすっかり慣れてしまいました。Day3ということで、その時代の懐かしい仲間(サポートメンバー)も集まってくれて、みんなに届くように精一杯演奏したいと思います。思う存分楽しんでください」と、稲葉が改めてファンに向けて挨拶をし、開放感のあるメロディックな「野性のENERGY」、“会いたい”気持ちを綴り、およそ20年ぶりに披露した「May」、“あなたを最後まで見届けよう”“新しい日々が始まるよ”と背中を押してくれる「GOLD」とシングル3曲を立て続けに演奏。
しっとりと聴かせた後、稲葉が「今日のDay3をどのようにご覧になってるんでしょうか。手巻き寿司とかやってる方もいらっしゃるかもしれないですね。ゆっくり味わいながらライブを楽しんでください。新しいライブの楽しみ方かもしれませんけど、どうぞご自由に楽しんでいただきたいと思います。こっちはどんどんやっていきますから」と言って、爽やかな風を感じさせてくれる「Blue Sunshine」を聴かせた。
「ここでセットチェンジということで、我々移動します」と、松本と稲葉がステージ袖から退き、ドレッシングルームに入って2003年の渚園での公演で着た衣装を紹介。「初めてじゃないですか。こういうところを紹介するのは」と、配信ライブでしか出来ないファンサービスを。さらに廊下を移動してバンドメンバーの楽屋を訪問。稲葉の楽屋に入りたそうにする松本に「今いいです! いつか」と入室拒否。松本は楽屋表示サインにDay2のMCでも振られた切手コレクションの一部を飾り、「僕くらいになると惜しげもなくやっちゃうから」と得意そうな表情を見せる。続いて通路に飾られたポスターの解説や思い出話をするなど、Zepp Haneda(TOKYO)のバックステージをどんどん紹介していく二人。ロビーの豪奢なシャンデリアを「これ、好き」と気に入った松本は、ライブハウス常設の物ではなく今回のSHOWCASEのために設置されたものだと知ると「じゃあ、終わったらもらっちゃって大丈夫だ」と冗談も飛び出した。ドリンクバーのところには今回のライブグッズが展示されていて、随所に遊び心が感じられる。
「じゃあ、ちょっと一服させてもらって」と通路に用意されていたソファーセットに座る松本。「ライブの途中ですよね?」とスタッフに確認しつつも稲葉もソファーに座り、「いまだかつてこんなに休憩が入ったことがあるでしょうか」と言いながら、赤いマグカップで乾杯。テーブルの上にはDay3の時期の楽曲の歌詞と譜面が置かれていて、「『Raging River』なんてありましたね」と稲葉が懐かしそうに話すが、松本は「どんな曲だっけ?長い曲だ! あぁ、思い出しました」となんとか思い出した様子。別の曲の譜面を見ながらやり取りが続き、そのまま休憩かと思いきや、譜面を見て松本がアコギを鳴らすと、稲葉が歌い始めた。思わぬ形で一度もライブで演奏したことのない「Thinking of you」をサビ前まで披露するという嬉しいサプライズ。「これ、どうですか?」とまた別の曲を松本に薦める稲葉。そして松本のアコギに合わせて再び稲葉が歌い始めるが、「これ、さっきやったじゃん」と松本がストップをかけた。演奏しかけた曲は先ほど披露した「Blue Sunshine」。こういう寸劇で和ませてくれるところもB’ zらしいと言える。さらに二人だけで「熱き鼓動の果て」の1フレーズを聴かせ、「ステージが準備できたみたいなので」と立ち上がり、「続きをやっちゃおうかな」と言いながらステージへ。
ステージに戻った二人はサポートメンバーと合流し、「熱き鼓動の果て」を演奏。円形に組まれたステージで、前半とは全く違う雰囲気の中で後半戦が始まった。「円陣と言いますか、みんなの顔が見える形、どうですか?」と稲葉が尋ねると、松本は「いいねぇ」と笑顔で返答。その流れで松本が美しいイントロを奏で、背景のビジョンに三日月が映し出される中「今夜月の見える丘に」へ。続く「IT’ S SHOWTIME!!」で一気にテンションを上げ、ライブ会場の観客がビジョンに映し出された「juice」でライブ感もアップ。「Hey! 聞こえてますか? どうなんですか? ここで一緒に声出しましょうか」とコール&レスポンスで盛り上げる。
メンバー紹介を挟み、美しいピアノの旋律から始まる「ONE」へ。切ないメロディーと“また会いましょ いつかどこかで”というフレーズが、今のご時世だからこそより響いてくる。「SHOWCASE Day3、いかがだったでしょうか? 今日も皆さんの熱い愛情、想い、ひしひしと感じながら一丸となってプレイさせていただきました。本当に見てくださってありがとうございます! 見てくださってる全ての方々にこの曲を捧げたいと思います」と、「Brotherhood」を演奏。“道は違っても ひとりきりじゃないんだ”というフレーズが「ONE」の歌詞と同様に、今はまた特別なメッセージに感じられる。最後の稲葉のロングシャウトは圧巻。そしてラストの曲は、シリアスなムードをポジティブな空気に変える「ultra soul」。金の紙吹雪が舞い、「今日も最後まで見ていただいてありがとうございます! また来週!」と感謝の気持ちを伝えてDay3が終了した。
Day3は1999年から2003年までの軌跡を振り返ったステージとなった。「B’ z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820-」はまだまだ続く。次回、「Day4」は11月21日(土)19時から配信予定。4番目の時代(ERA)、どんな定番曲、どんなレア曲が聴けるのか楽しみにして待とう。
B’z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820-

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