「野村義男のおなか(ま)いっぱい お
かわりコラム」7杯目は野村に負けず
劣らないギター愛を叫ぶgo!go!vanil
lasの柳沢進太郎が登場

ギターをこよなく愛するギタリスト・野村義男が、沢山の仲間を呼んでおなかいっぱいの内容でお送りする対談形式のコラム。おかわり7杯目は、野村に負けず劣らないギター愛を叫ぶgo!go!vanillasの柳沢進太郎が登場。
野村義男:本日はgo!go!vanillasからギターの柳沢進太郎さんがいらっしゃいました。宜しくお願いします!
柳沢進太郎:宜しくお願いします!
野村:一緒に話をするのは半年ぶりくらいという事でございまして。僕がラジオをやってた頃によく来ていただいてて、その時は番組内でほぼほぼ機材の話とか楽器の話でおわったんで、今回もそうしようと思います(笑)。
柳沢:あはは(笑)。終わった後のラジオがYouTube配信されてて、聞いてみたんですけど、自分で引くくらいずーっと楽器の話をしてて、これ大丈夫なのかなって。
野村:でもそれ絶対大事なことだと思うんですよ。プロの中にもさほど楽器に興味にないでやってる人もいるじゃない? だから好きだって気持ちは絶対に大事!
柳沢:そうですよね。僕はお会いしてなかった半年間の間にギターを3本くらい買いました!
野村:お、何を買ったの? 言えるもの?
柳沢:まず78年のGibson ES335のワインレッドですね。僕は見てくれ的にボリュートとか大きいヘッドがあまり好きではなくて、もう改造してしまったんですが。
野村:78年ならいいだろうっていうね。
柳沢:ボリュートを削り、ヘッドもちゃんとカバーから計測して型をとってもらってから、小さくして。あとは全体リフ(リフレット)しちゃって。
野村:全体? ネックだけとかではなくて?
柳沢:ボディも含めて全部やりました、ボディもスパークルバーガンディのちょっと退色した感じにしてもらって。良くしてもらっているリペアマンが、カラーがもう僕の思考回路とかなりドンピシャでやってくださる方で、めちゃくちゃ綺麗に仕上がりまして。
野村:馬鹿です、最高ですね!(笑)
柳沢:それが最近やっと完成してきたんですけど、この前ブルーノートでライブさせていただいた時のスライドフレーズ弾く時にそのギターがハマった感じでしたね。
野村:良いね!
柳沢進太郎
柳沢:あとは、65年だけど64年仕様のGibson SG Juniorのポラリスホワイトか。
野村:ほお、素晴らしいね!
柳沢:はじめてワイドネックを弾いたんですけど、チョーキングがしやすいことしやすいこと。実は僕手がめちゃでかくて、だから普通のネックだと細かったり幅が狭くてダブルチョーキングとかすると上がり過ぎちゃったり、ビチッてなっちゃたりしてたんですが、それがないんですよ。
野村:それは弦太くすればいいじゃん!(笑)
柳沢:あ、たしかに!(笑) 弦は意外と好きなやつでずっと固定しちゃっててあんまり試したことないんで、今度ちょっと試してみようかな。
野村:うんうん。それがいいと思いますよ。
柳沢:あとは、そのあとレコーディングでボーカル(牧 達弥)からこんな曲を録りたいみたいなサウンドリファレンスをもらった時に、こういうギターが必要そうだなって思って65年のジャガーを買いました。
野村:背が大きいから合うんじゃないの? 僕なんかギターがでかく見えちゃって絶対ダメだもん。
柳沢:そうかもしれないですね。ジャガーは僕的にかなり当たりで、はまりが凄い良いしフレーズも弾きやすいしで。買う時にいろいろ弾き比べにも行きまして。
野村:はいはい。
柳沢:ネックバインディングなしでトップがインレイのやつとか、バインディングありでブロックポジション、ドットポジションのとか、全部弾き比べましたね。
野村:馬鹿だねぇ~!(笑)
野村義男 / 柳沢進太郎
柳沢:ネックバインディングのないドットポジションのやつは、サウンド的にストラトで代用できそうだからいいかなって思ったんですが、ブロックポジションのを弾いたら僕がイメージするジャガーの音がするって思ったんですよ。
野村:あれはさ、テールピースっていうかトレモロのパーツが長いから、あそこで共鳴するんだよね。
柳沢:共鳴しますよね。あと金属パーツのやっぱ重さとか、木の面積が少なくなってる分のバチっとしたサウンドの感じがあるなと思って。
野村:凄い、そんな実験したことない!
柳沢:良いなとは思ったんですけど、これたぶんオールマイティに使えないなと思ったんですよ。癖が強過ぎて間がないかなってふと思い返したら、この前バインディング有でドットポジションの55年とか65年くらいのやつあったなとなって。
野村:今安くないよ! お高い万円だもん!(笑)
柳沢:御茶ノ水に行って弾いてみたら、小さいアンプで弾いてもすっごい良くて。もう大丈夫だと思いますって、即決で購入しちゃいました。で、レコーディングに持って行ったら、自分が買ってきたギターは超称賛するのに、俺が買ってきたギターをあんまり褒めないボーカルが、ジャガーに関しては超良いじゃん!って喜んでくれて(笑)。
野村:ジャガーのプリセットとかも使う?
柳沢:プリセットトーンもレコーディングで使いましたね!
野村:あれって使えるの?
柳沢: HOG2とかオクターブ上とか足せるもので、ちょっともっこりしたところをわざと下げたのを上げてみたりとかすると、結構太い質感のサウンドになって。普通にプリセットOFFしてるフロントよりも抜けるし太いみたいな、結構使える感じの音になるんです。
野村:へ~。
柳沢:でも、基本的にはフロントですね。もうフロントが良すぎて。リアはまあいわゆるジャガーの音かな。
野村:ジャガーって普通にストラトとかとついてるのと一緒のピックアップでしょ?
柳沢:そうですね。それに金属のピックアップヨークがついてて。それ故にハイの伸びが綺麗にあるんだと思うんですけど。
野村義男
野村:僕も持ってたことあるんだけど、手放してしまったので全く何も覚えてない。
柳沢:それは何年くらいのやつですか?
野村:66年辺りので、白で赤べっ甲だ。白・赤べっ甲をどこまで揃えられるかやってたんだよね。60年代のFenderのカタログ持ってきて、このカタログに載ってるギターを全部集めようみたいな。馬鹿でしょ?(笑)
柳沢:すげぇ~!
野村:マンドリンも含めてほとんど全部揃えたんだけど、ジャズベースだけ高くて買えなかった。ギターだったらその金だすけど、ベース弾くわけじゃなくて色揃えたいだけだし、写真だけとって、全部ほとんど売っちゃった(笑)。テレキャスのべっ甲なんて死ぬほど珍しいんだよ?
柳沢:オリジナルでってことですよね? すげぇ……めちゃめちゃその道に入っていきたい。
野村:いやいや、すでに入ってる!
柳沢:それこそ、1回楽器屋さんで義男さんとお会いした時にあったじゃないですか。僕がちょうど義男さんが入ってきたときにあのフライングVを弾いてて、買っちゃいなよ!って言われれて。
野村:酷いねぇ!他人のことだと思って!(笑)
柳沢:で、僕それ買いまして(笑)。それも改造に出して、ビグスビーつけてロニーマック仕様にして。
野村:ビグスビーつける時に言ったじゃん、お尻のステイは内側向いてなくちゃダメなんだよって。
柳沢:そうなんです、ちゃんと内側むいて板金屋さんにつくってもらって。L字のプラスドライバーないと取れないが誕生して。
野村:プロしかもってないからね(笑)。
柳沢:ピックアップとかは載せ替えちゃったんですけど、それも結構ライブで使ったりしてたりしてます。
野村:素晴らしい!
柳沢進太郎
野村:ちょっと音楽活動の話もしないとって事なので、go!go!vanillasとしてはこのコロナ禍はどうやって過ごしていたんですか?
柳沢:緊急事態宣言が出た辺りくらいから、もちろん自粛だったんです。でも、なんか動いてないと死んじゃうような生き物四人が集まってるバンドなので、SNS上でセッションしようぜ!みたいな話になって。
野村:良いねぇ~!
柳沢:で、うちのボーカルが弾き語りを家で録りましたと。ちゃんとクリックとか聞いてればいいのに、何も聞かずに。
野村:びっくりした、いっせーのせでやってるのかと思っちゃった。
柳沢:それも試みたんですけど、ラグがあって無理でしたね。
野村:まあ、そうだよね。
柳沢:で、そのボーカルが録ったやつに僕がギターとコーラスを一発録りで入れてドラム(ジェットセイヤ)に送って、リズムがフリーなものに必死で叩いて入れて、最後にベース(長谷川プリティ敬祐)が録ってみたいな感じで新曲を作りましたね。
野村:それ凄いな!
柳沢:それをSNSに投げて、今アプリで結構多重録音ってできちゃうんで、ファンの皆にも好きに音入れてみてくれよって感じで。吹奏楽とかやってる子だと、自分でトランペット入れてくれたりとかもありましたね。
野村:そんなこと出来ちゃうんだ。素晴らしいですね。
柳沢:自粛期間ということもあったからか、凄く沢山の方がやってくれたんです。そしたら、そういうステイホームバージョンを作ろうみたいな感じになって、何曲か自分らのアコースティックアレンジをしても良さそうな曲を再アレンジして全員で宅録して、それをデジタルリリースしたんです。で、宣言があけて少し外に出られるようになった辺りで、先駆け的に配信ライブをしようって話になって。
野村:はいはい。
柳沢:他のバンドもまだ決めあぐねてるような状況だったのですが、一回やってみないと分からないよねって、東京タワーのすぐ下の結婚式場みたいなところから配信ライブをやりましたね。天井がもう窓になってて、ちょうど真後ろに東京タワーでっかくどーん!っていうロケーションで。
野村:素敵! 自粛後初めての配信ライブはどうでした?
柳沢:やっぱり目の前にお客さんがいないっていうのは、どう伝えるかっていうのがかなり変わるなって思って。目の前にいたときは目の前にいるお客さんにギターを鳴らす、聞かせるってことが当たり前だったんですけど、そうじゃないってなった時に僕の気持ちがカメラを通してどう伝わるんだろうって。
野村:ね。
柳沢:皆がどんな環境で聞いてるかもわかんないですし、スマホのスピーカーで聞いてる人もいれば、ちゃんといいスピーカーの人もいて。だから、どうやったらその人たち皆に伝わるかなって考える機会になったというか。表現することに凄く頭を使った2、3か月だったかなって思います。
野村:今はどうですか?
柳沢:僕ら配信ライブを1回やったあと、次がもう有観客でフェスっていうのになって、そのあとブルーノートでライブだったので、もうお客さんが目の前にいまして。そうなると目の前にいてくれた方が楽しくて。
野村:だって本来のライブの形がそれだから仕方ないよね。
柳沢:うーん。そうですよね。だし、なんかまあ映像で作品としてみるなら良いなと思うんですけど。配信よりは目の前の人に向けてやるっていうことにフォーカスしたいなって思ってます。
野村:まじめだなぁ~、尊敬する。そういうところ見習わなきゃな。
柳沢:でも、それこそ家なので制作机とか手元でコントロールする感じで、座りながら弾く事が多くなっちゃってたから、ちょっと配置変えて最近はしっかり立って弾くようにしてます。僕はセットリストとか決まると一回通してからリハーサル向かうタイプなので。
野村:見習わなきゃいけないことその2になった。
柳沢:あとは、足元が悪い状況で弾いてもブレないようにしようと思って。割と僕らのライブがアグレッシブで走り回ったりとかするんですよ。最近コロナでそれこそ運動もそんなに出来なかったし、外に出ちゃいけないってなるとブルブル震えるマシンを買いまして。
野村:サーフボードみたいな足を乗っけてブルブルするやつだ!
柳沢:それの上で揺れながらセットリストを通したりしてます。練習も出来るし痩せられるし一石二鳥だなって。
野村:若いから良いよね、僕なんてこの前ももクロのバンドでギターを弾いてきたんだけど、そんな動いてないのに久しぶりにエフェクターを足でガンガン踏んでたら両足つっちゃって、もうあんまエフェクター踏むバンドにいちゃ駄目だなって思った(笑)。
柳沢:(笑)。
野村義男 / 柳沢進太郎
野村:まぁそんなことでございまして、最後にお知らせを。これを読んでる人には始まってるかもしれないですが、ツアーがあるんですよね?
柳沢:はい、11月7日から11月23日の日本武道館まで『ROAD TO AMAZING BUDOKAN TOUR 2020』というツアーを開催します。
野村:これは、お客さんいるライブなんだよね。配信はやるのかな?
柳沢:ファイナルの武道館のみ配信もあります。今回はライブハウスじゃなくてホールツアーで座り席もちゃんと確保されてる会場なので、ソーシャルディスタンスもきっちり守れますし、ライブが出来ることが本当に嬉しいですね。
野村:で、11月18日には『鏡e.p.』がリリースされると。CDを発売してちゃんとライブをやるってことは、go!go!vanillasはとまらないっていうことですね。
柳沢:はい、止まると特にうちのドラムが暴れだして自宅とか破壊し始めちゃうと思うので(笑)。
野村:やっとかないと危険ですね。まだまだ簡単な感じじゃないかもしれませんけど、参加される皆さんは、ガイドラインを守りつつ、是非ライブを楽しんで欲しいですね。
柳沢:楽しんでいただきたいです。頑張ります!
野村:go!go!vanillasが音を生で聞かせるっていうことを選んでくれたことを幸せに思って、チケットが取れた方は現地で楽しんで頂いて、それ以外の皆さんは配信で感じで頂けたらと思います。
柳沢:はい!
野村:こういうバンドがいないと、もう駄目だと思うので是非走り続けてもらいたいと思います。おじちゃん達は治まってからのんびりと始めます(笑)。
柳沢:あはは(笑)。
野村:ということで、今日はgo!go!vanillasで柳沢さんに来ていただきました。ありがとうございました!
柳沢:ありがとうございました!

撮影=大橋祐希
野村義男 / 柳沢進太郎

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