Member 月山 悟(Vo&Gu)、ムクヒラショウゴ(Ba&Cho)、青木優治(Dr/Support)

Member 月山 悟(Vo&Gu)、ムクヒラショウゴ(Ba&Cho)、青木優治(Dr/Support)

【ヨルノアト インタビュー】
抒情的なコード感で魅せる
ヨルノアトのオルタナロック

ステージに立つ時は
今日この場限りという気持ち

月山さんによるスポークンワードというか、語りがほぼ全曲に入っていますが、これはムクヒラさんが作るようになってから?

そうですね。僕が作った曲も一曲だけギターソロの前にしゃべるくだりがありましたけど、ムクヒラが作るようになってからどうやっても歌が乗らないところがあったので、“じゃあ、しゃべるか”となったのがきっかけでした。

歌詞は月山さんのパーソナルな想いを歌っていると思うのですが、誰が聴いても思いあたる節があるように感じます。歌詞を書く上ではどんなことを意識していますか?

基本的には出来上がってきたデモを聴きこんで、自分の感じたイメージをムクヒラに伝えつつ、彼がどういう意図で作ったのかも踏まえ、なんとなく輪郭を決めていきます。内省的と言うか、情景描写が少ないずっと心の中を話しているみたいな歌詞が多いです。他のことも書きたいとは思いながら、今、自分から自然に出てくるのはそういう歌詞なんです。本当はひと言で聴いている人の心に風景がパッと浮かぶようなキャッチーな歌詞にも惹かれるけど、それが出てきたとしても取ってつけたような言葉になりがちで、そうなると他の“あなたに力になりたい”みたいなことを歌っているバンドの方がうまく表現してくると思うので、無理にそこに入っていく必要はないと思っています。

無邪気に夢を歌っているわけではないけれど、それでも夢を諦めたわけじゃない。そう思っているようですね。

そうですね。現実は理解しているはずなんだけど、なんか…心の中に残っちゃっているものがある。カッコ悪いけどそれが自分だって、そういう感じですね。

どの曲からもそんな想いがひしひしと伝わってきます。個人的な話も少し聞かせてください。月山さんが音楽を好きになったきっかけは?

明確に音楽に目覚めた経験っていうのはなかったんですけど、音楽はずっと好きでしたね。小さい頃から音楽がかかっている家庭だったんです。グループサウンズとか、フォークが多かったですね。そのあと、小学校の高学年ぐらいからラジオを聴くようになって、高校に入る時、入学祝いにギターを買ってもらったんですけど、ギターを鳴らしたら楽しくて、途中就職でバンドを辞めたりもしましたが、結局再びやり始めて今に至ります。

一番聴いた音楽のジャンルはやはりパンクですか?

いえ、十代の頃はずっとメタルでした(笑)。実はバリバリのメタラーだったんです。で、20歳をすぎた頃にミクスチャーにはまりました。その後、社会人になったタイミングで一度音楽を辞めて、その時に後追いですがHi-STANDARDを聴くようになって、そこからHUSKING BEEも聴き始めました。ヨルノアトの前に組んだバンドはRage Against the Machineのコピバンから始まりましたね。そこからオリジナルをやるようになってミクスチャーからハードコアに行ったんですけど、そのバンドを辞めて最後にもう一回だけ自分を出し切れるバンドをやろうと組んだのがヨルノアトでした。

そういう意味では、ヨルノアトの音楽は月山さんのパーソナリティーや生き方と直結しているわけですね。

はい。自分の中で思ったことをそのまま出せるというか、出してもいいんだと思えるところはありますね。前のバンドがミスクチャーからどんどん激しくなっていって、ハードコアになった時、最初は音楽の一ジャンルだと思いながら取り組んでいましたけど、あれは生き方というか、己の中にその素養がないとできない音楽だとわかったんです。滲み出る怒りや暴力性みたいなものが自分の中になかったんです。僕の性格は、迷ったり、女々しかったりするところが強いので、そういう意味ではヨルノアトでそっちの方向が出せるようになったので満足しています。

ところで、『Invitations』というコンピレーションアルバムをリリースしたり、自主イベントを企画したり、自分らだけではなくシーン全体を底上げしようとも考えているようですね。

このバンドを始めてから気づいたのが、現在ほとんどのジャンルにはお客さんがいないこと。言ったら、そのジャンルをやっているバンドだけで集合体みたいになっていて、その中でお互いを見るようになっている。そういうところでやっていても広がらないじゃないですか。ヨルノアトを始めたばかりの頃は、どこにハメていいか分からないとライヴハウスのブッカーさんに言われていて、結果としていろいろなバンドと対バンすることになり、多方面に知り合いが増えていったんですよ。そこで、ジャンルを超えてお互いにフックアップしあって、イベントに呼び合う機会になったらいいなということで、『Invitations』というコンピを出すことにしました。それがシーンの活性化につながるだろうと考えたんです。

その成果は?

さらに知り合いのバンドが増えました(笑)。横のつながりが強まったのは良かったと思います。ただ、誤算だったのはサブスクがここまで流行ったこと。『Invitations』は第5弾まで出したかったんですけど、ご時世的にもそういう状況じゃなくなっちゃいましたね(苦笑)。僕らもサブスクに切り替えましたし。そうなると、コンピではなくてプレイリストを作っておいたらいいという話でしかないので、『Invitations』は第4弾で終わりなのかな? またやれたらいいとは思いますけど、やり方は考えないと。これまで通りやっていても意味はないと思っています。

『Invitations』を作るにあたっては、どんなバンドに声をかけたのですか?

ジャンルはバラバラですけど、基本的には音源うんぬんより、ライヴがいいバンドですね。僕らもやっぱりライヴを観てもらうと、“音源と全然違う”と言ってもらえるんですよ。熱量が違うという意味で、“ライヴで観たらエグいね”みたいに言っていただけるので、売れている売れていない関係なく、ライヴに説得力があるバンドを選んでいます。

ということは、ヨルノアトもライヴにはかなり力を入れていると?

もちろんです。やりたいことはそこなので。ステージに立つ時は、今日この場限り。持ち時間の中で何ができるか。過去どうだったとか、未来こうなりたいとか関係なく、今日は今日しかないんだからってところでモチベーションを高めて、なんなら今日で解散してもいいぐらいの気持ちでやっています。

OKMusic編集部

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