Aqoursとファンの「失われた世界」が
初のオンラインライブで甦る! 「ラ
ブライブ!サンシャイン!! Aqours O
NLINE LoveLive! ~LOST WORLD~」D
AY1レポート

Aqours活動5周年となる今年10月から開催予定だったものの、新型コロナ禍の情勢を鑑みて中止となった6th Liveツアー。だが、応援してくれているファンに輝きを届けるべく、Aqours初のオンライン配信無観客ライブを10月10~11日の二日間に渡って開催。Aqoursの9人が初めてのオンラインライブでどんなパフォーマンスを繰り広げたか、その幕開けとなったDAY1の様子をレポートでお送りしよう。

幕開けを飾るのは3つの輝きを放つユニットナンバー! そしてその輝きが一つとなって現れたのは?
学年別に分かれたAqoursの面々によるオンラインライブならではの注意事項アナウンス、そしてインパクト満点のビジュアルの洪水で話題を呼んだ『コットンキャンディえいえいおー!』を初めとするソロナンバーPVが開演前の空気を盛り上げる中、午後7時にいよいよオンラインライブの幕が上がった。
サーカスやカーニバルのイメージに彩られたグラフィカルなステージと共に映し出されたのは、桜内梨子(CV.逢田梨香子)、津島善子(CV.小林愛香)、小原鞠莉(CV.鈴木愛奈)らGuilty Kissの三人の紹介PVとネオンサインで描かれた曲タイトル「New Romantic Sailors」。そしてPVが終わると同時に、ステージにはCDジャケットイラストと同じ情熱的なデザインの黒と赤のドレスをまとった三人が登場。
ゲームの世界へと飛び込むようなビデオ演出とともに冒険への旅立ちとトキメキを描いた歌を熱唱。オンラインライブならではのAR演出もふんだんに盛り込まれ、客席では自宅などから応援するファンに代わって満場のコンサートライトが振られ、間奏では三人がヨハネのポーズを決めてから、ファンに向かって「ヨハネアイ」「梨子ちゃんレーザービーム」「嫉妬ファイヤー」が放たれると、実況ツイートがライブ開始早々から一気に盛り上がっていく。
続いて登場したのは高海千歌(CV.伊波杏樹)、渡辺 曜(CV.斉藤朱夏)、黒澤ルビィ(CV.降幡 愛)のCYaRon!。
派手なライティングとレーザーが飛び交うステージに登場した三人は、ミニスカート&パニエに三人のイメージカラーをあしらった背番号付きユニフォームというスポーティーな出で立ちで、がんばって未来へ向かって進む人達への応援歌「Braveheart Coaster」を披露。
ラストに三人による手描きのイラストやメッセージが描かれた横断幕をかかげ「オンラインでも盛り上がっていこー!」とネットの向こうで応援してくれているファン達に熱いエールを送った。
ユニットごとのステージのラストを飾るのは松浦果南(CV.諏訪ななか) 、黒澤ダイヤ(CV.小宮有紗)、国木田花丸(CV.高槻かなこ)のAZALEA
キャビンアテンダントをモチーフにしたきらびやかなドレスを身にまとった三人は、新たな世界への旅立つことへのワクワクを唄った「Amazing Travel DNA」を皮切りに、あふれる恋心をポップに紡いだ「空中恋愛論」、そしてクールなダンスナンバー「メイズセカイ」の三曲を見事なパフォーマンスとともに連続で唄いきった。
三月に予定されていたユニット単独公演が緊急事態宣言の影響で中止となってしまったため、この三曲は今回がライブ初披露。「LOST WORLD」という今回のライブタイトル通り、あの日見られたはずだったAZALEAの失われたステージを甦らせるという粋なセットリストでユニットステージは幕を閉じた。
次はどんなステージが始まるのか…実況ツイートで期待を高めるファンのテンションを、画面から響く意外な声が一気にMAXへと引き上げた!
「20XX年、世界は混沌に疲れ切っていた…!」
ベテラン声優・千葉繁氏のナレーションと共に画面に映し出されたのは、今年のエイプリルフール企画としてファンの度肝を抜いた「シャゼリア☆キッス☆ダダンダーン」のスペシャルPV! 「一万回倒れても一万一回立ち上がるのだーっ!」という今回のオンラインライブを象徴するような台詞を経て、曲が始まると同時にステージにはイメージカラーのセーラ服にプロテクターを身につけたシャゼリア☆キッスが勢ぞろい!
「倒すよダダンダーン ファイヤーキック」のくだりでは見事な回し蹴りを決めたり、スクリーンに流れるPVが伊豆・三津シーパラダイスのゆるキャラ「うちっちー」も登場する初公開のフルコーラスバージョンなど、熱気とサプライズに満ちたステージが繰り広げられた。
そしてライブはここからいよいよ本編へと突入していく。
幻の6th LIVEがここから始まる…オンラインだからこそできたAqoursの熱いパフォーマンスがここに!
「ゼロからイチへ! Aqours、サーンシャイーン!」
配信画面に映し出されたのは、ファーストライブの舞台裏で円陣を組み、気持ちを一つにする五年前のAqoursの姿。そこからスタートしたのは過去のライブを名場面とともに振り返っていくスペシャル映像だった。「青空Jumping Heart」と共に映し出される記念すべき1st LIVE、ステージに登場したSLと共に「HAPPY PARTY TRAIN」を熱唱する2nd LIVE、伊波杏樹が「MIRACLE WAVE」で劇中の千歌とシンクロするように高難易度のバク転を決めて大歓声を呼んだ3rd LIVE、ついに辿り着いた東京ドームでAqoursシップとともに新たな航海へと出発した4th LIVE、そして劇場版の世界をライブで再現した5th LIVE…。
ファンがAqoursとの思い出に浸っていると、画面に映し出された浦の星交響楽団がまだ誰も聴いたことのないシンフォニーを奏で始めた。それはAqours 6th LoveLive! DOME TOUR 2020で使われるはずだったオープニングテーマだった。そして壮大ながらも楽しげな音楽とともに新たなコスチュームに身を包んだAqoursのイラストが次々と登場する、ライブでおなじみのオープニングPVが始まり、ここからが今回のライブの本番…失われた6th LIVEの片鱗が明かされると気付いたファンの実況ツイートが興奮と声援で一気にヒートアップ!

そしてオープニングが終わると画面は海をイメージしたセットへと衣替えをしたステージへ。そしてその中央に現れたのAqoursの9人を乗せた巨大なクジラ…6th LIVEのマスコットキャラクターとして誕生した新たな仲間・クジラの「ぽえぽえ」だ。そして海原をイメージしたような青と黒の新衣装をまとったAqoursが送るオープニングナンバーは、ライブ初披露となる「Fantastic Departure!」。海辺の町から始まったAqoursが、クジラの背に乗って新たな世界へと飛び出していくという5周年の始まりに相応しいナンバーを、クジラの背からステージへと広がって熱く唄い上げた。

「私達、浦の星女学院スクールアイドル Aqoursでーす! 結成5周年ー!」
今回のオンラインライブ初となるMCパートでは、滝のように流れていくファンからの応援・声援コメントの数々に感動して「すごい!」「ありがとう!」と嬉しそうに応え「コメントしながら一緒に盛り上がって楽しんじゃってくださーい!」とメッセージを送るAqoursの面々。
そしてライブ前半のユニットパートを振り返り、AZALEAの三人は「初めて三曲と衣装をお披露目できてとても嬉しかったです」「Guilty KissCYaRon!のワクワクした感じを私達も一緒にやれて良かった」とうれしそうに語った。そしてシャゼリア☆キッスについては「どこにいっちゃったんだろうね?」「今度会った時にしっかり御挨拶させてもらおうね」ととぼけて笑いを誘う一幕も。
Aqoursとしてのライブが久々だったことを鈴木愛奈が「1年と4カ月ぶりですねー」と鞠莉らしく答えたのを受けて、伊波は「皆さんともお久し振りに会っている感じがすごくします」「オンラインでも私達の心は繋がってると思って楽しんでもらえたら嬉しいなと思います」と様々な場所からこのライブを応援してくれているファンに語りかけた。
続いてステージを彩ってくれた「ぽえぽえ」や、三種類のデザインに分かれた新コスチュームを詳しくお披露目。そしてライブ恒例のメンバー紹介では、果南のハグがソーシャルディスタンスで阻止されたり、ダイヤの「ブッブーですわ!」がAqoursの面々に向けられたりと、オンラインライブの状況を逆手に取った小ネタも交えて、再びライブパートがスタート。
「LOST WORLDなんていうタイトルはだいぶ善子ちゃ…ヨハネちゃん感があるよね?」
「くっくっくっ…LOST WORLD後半戦、まだまだヨハネ達の歌、聴かせてあげる」
そんな前振りと共に始まった後半戦のオープニングナンバーは、津島善子役:小林愛香がセンターを務める「Deep Resonance」。仲間と共に闇を駆け抜けていく激しいロックオペラを、迫力満点のボーカルと真っ赤なステージとそこに差し込むまばゆい光のライティング、小林の腕の動きに合わせてAR魔法陣が浮かび上がるなど、堕天使ヨハネの世界観を描き出すかのような演出がふんだんに盛り込まれた迫力のステージとなった。
そんな迫力を引き継ぐように始まった次のナンバーは、Aqoursには珍しい重々しいメロディとダークな雰囲気が魅力の「Aqours Pirates Desire」。海賊となって欲しいものを諦めず奪い取れという歌に合わせて、Aqoursの面々は黒い海賊旗を振りかざしながらのダンスパフォーマンスを披露。そして曲の後半では渡辺 曜役:斉藤朱夏がぽえぽえの上で巨大な海賊旗を振り回す迫力のパフォーマンスを見せて、そのパワフルさに実況ツイートも歓声に包まれた。
海賊旗がカメラを遮って画面が暗転した後、一転して華やかにスタートした10曲目は『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバルALL STARS』でお披露目されたAqoursのオリジナルナンバー「Wake up, Challenger!!」。激しくポップなダンスナンバーを、ステージスクリーン上でのゲームPVとシンクロしながら唄い踊る、Aqoursらしさ全開のパフォーマンスが繰り広げられ、いよいよオンラインライブも終盤へ。
「私達Aqours、こうしてこの9人で五周年を迎えられたことを、みなさんに心から感謝しています」
曲を終えて、実況ツイートの声援に応えながら伊波がこの日を迎えられたことに心からの感謝の言葉を贈った。そしてこの日のために9人で準備してきた想いを込めた曲として選んだラストナンバーは、Aqoursの始まりの曲「君のこころは輝いてるかい?」だ。
ステージ上で円陣となった9人を、その中心からぐるりとカメラで捉え、そして客席へと向かっていく全員の後ろ姿から曲がスタートするという、無観客のオンラインライブならではのカメラワークで曲がスタート。新型コロナ禍の状況でみんなと出会えない時だからこそ、この曲でみんなの心を照らし励ましたい…そんなAqoursの想いが伝わるようなパフォーマンスが繰り広げられ、それを受け止めたファンの声援ツイートがあふれる中で、ライブは一旦幕を閉じた。
どんな状況でもAqoursの輝きは止まらない! 熱いアンコールとともに嬉しい告知も続々と!
Aqoursの面々がステージを去ると、画面に映し出されたのは砂浜に描かれた「Aqours」の文字とリアルタイムで更新され続けるファンの声援ツイート…ここからアンコールができるとファンが察すると、一気にツイートは「アンコール!」の声で埋めつくされていく。そしてカラフルなレーザービームの乱舞と、スクリーンに映し出された「沼津の美しい景色」と共に始まったアンコール一曲目は、Aqours5周年を記念して愛にあふれる大事な場所=地元への愛をユーロビートに乗せて唄う「JIMO-AI Dash!」。ノリノリのダンスとボーカルによるAqoursのパフォーマンスに、アンコールで盛り上がった実況ツイートの熱量も再びヒートアップしていった。
歌い終えたAqoursの9人は、オンラインライブならではのコメントによるアンコールに感激して、声援を書き込んでくれたファンに感謝の言葉を贈る。そしてファンのみんなに伝えたい情報があるけど、ライブ恒例の学校の鐘が鳴らないとできないという前振りに、小原鞠莉役:鈴木愛奈がビブラートの聴いた「嫉妬ファイヤー!」で応えて、見事におなじみの鐘の音が鳴り響き発表コーナーへ。
Day1ではゲームセンターで展開中の『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル
~after school ACTIVITY~』のPlayStation 4版の製作決定や、12月23日~2021年1月7日に静岡県沼津市・キラメッセぬまづにて「ラブライブ!サンシャイン!! 5周年展示会 -Pieces of Aqours-」の開催決定が発表。さらにDay2ではオンラインライブ第2弾の今冬開催や、2021年2月27~28日にAZALEAの1stライブ開催、そしてAqours5周年を記念したアニメーションPV付シングルの制作決定などが告知され、Aqoursの歩みはけっして止まらないというファンには嬉しいお知らせ尽くしとなった。
こうしていよいよ初のオンラインライブもいよいよラストに。ファンの前で唄えない寂しさはあるけど、それ以上にこうして9人でライブできたこと、ファンのもとにみんなでライブを届けられたことが本当に嬉しいと想いを語った。
「最後の曲! Aqoursといっぱいいっぱい今日一日を締めくくる幸せを満ちあふれさせたいと思いますんで、みんなも楽しんで下さいね!」
そんな伊波の元気なエールとともに始まったラストナンバーは「青空Jumping Heart」。冴え渡るアニメPVとのシンクロパフォーマンスと今日の嬉しさがめいっぱい込められたボーカル、そして実況ツイートの熱量が乗り移ったかのような過去ライブからのコール音声が加わって、リアルのライブのような盛り上がりでオンラインライブは熱狂の中で締めくくられた。
「コメントからもみんなのお家からも熱を、パワーをたくさんもらいました! 改めてこの9人のAqoursからたくさんの感謝の気持ちを伝えさせて下さい!」
そして9人がそれぞれ手を握るようなポーズでステージに並ぶと、「本日は本当にありがとうございましたー!」というお礼の言葉を叫んですべてのファンへと贈った。
そしてステージを去って行く9人を見送るかのように最後を締めくくったのは、何と「シャゼリア☆キッス☆ダダンダーン」のメロディと千葉繁氏による熱いナレーションだった。
「失われてしまった世界…LOST WORLDでの戦いは終わった! Aqours! 信じている限り必ずまた会える! みんなの勇気が、希望の灯りが尽きぬ限り、何度でも! 恐れるな! 闇に立ち向かえ! 君達の作る大きな希望の灯りで、照らせ! 新たな世界への道を!」
失われたAqoursとの日々の一端をオンラインライブという形で取り戻すことができたこの2Days。ファンが応援することを諦めさえさえしなければ、Aqoursは様々な形で応えてくれる…今回のオンラインライブは、そんな希望を確信に変えてくれた二日間となったのだ。
取材・文=斉藤直樹

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