世界的サウンドヒーラ シャービン・
ボロリアン(Shervin Boloorian)イ
ンタビュー

Holos Musicでは世界的トップサウンドヒーラーとして、有名なシャービン・ボロリアンのアルバム「I Hear You,Mother Earth」を配信リリースいたしました。
そのシャービンは2020年第4回Peace Song Awardsでサウンドヒーリング部門などで3つの賞を受賞しました。
いつもはバリ島で活動しているシャービンですが、この賞の受賞の為、ロスに渡っている中、オンラインでのインタビューに答えてくれました。
日本では情報の少ないシャービンの貴重なインタビュー。お楽しみください。

Q – 第4回Peace Song Awards で今回のニューアルバム “I Hear You, Mother Earth” が受賞されましたね、おめでとうございます!
Shervin – ありがとうございます。音楽を通して世界の人々と繋がれる事を実感しています。今回はコロナ禍で残念ながらオンラインでのセレモニーのみでしたが、いつか、この感謝の気持ちを直接述べる機会を頂けたらと思っています。
Q – まずは、あなたの生い立ちについてお聞かせください。
Shervin – 私はイランで生まれたクルド人(トルコ、イラン、イラク、シリアの4カ国にまたがる中東地域で暮らす「国を持たない世界最大の民族」)で、難民としてイギリスで育ちました。高校を卒業してからアメリカに移り、L.A.の大学に入学しました。
Q – 単身でアメリカへ?
Shervin – はい。イギリスでの生活に限界を感じたのです。特に私が住んでいたイギリス北部の町は、同質意識が高い人々が多い町で、外国人が少なく、私たち家族は孤立していました。中東出身の人間にとっては、とても生きづらく、常に生き残れないのではないかという不安に駆られていました。居場所のない私にとって唯一、音楽や詩が自分の存在を確かめる大事なものでした。そんな時に、先にアメリカへ移住していた姉が私を呼び寄せて救い出してくれたのです。
L.A.での大学生活で様々な人から影響を受け価値観が変わり始め、政治のあり方に興味を持ち始めました。そして、カリフォルニア州の上院議員の下で働き、政治学の修士号を得ました。その後ワシントンへ移り、平和や、環境や福祉、移民人権を守る活動家への道を歩み始めました。
Q – 政治活動から音楽への転機は?
Shervin – ワシントンでの活動中、イラク戦争での非人間化した殺戮の現状を目の当たりにし、私はその人間の変容の恐ろしさに飲み込まれそうになりました。誤解が渦巻く中での先の見えない「世界平和」への活動を続けていると、人々は皆、最終的には衝突する事で解決しようとしている結果にぶち当たり、私はひどくストレスを感じていました。そして、自分自身の中にも「戦争」があると気づいたのです。改めて自分のルーツや「根ざす物がない」という感覚と向き合うと同時に、まずは自分自身の心のバランスを取る必要がある、自分の中に平和のエネルギーを見出さなければ、、、と強く感じたのです。そして、かつて自分を見失わない為の術だった「音楽」に立ち戻り、バリへの移住を決めました。
Q – 音楽や音が私たちに与える影響について、あなたの考えをお聞かせ下さい。
Shervin – 「音」は「命の営みの反響」です。人それぞれが持つ同調できる「音」があり、まずそれを知らなくてはなりません。自分の中にエネルギーが溢れ、魂が活き活きとするのを感じられる「音」です。しかも、人それぞれ違うだけでなく、その人のその時の状況によっても変わってきます。例えば、あなたがとても感情的になっている時には、一旦その感情全てをリリースする必要があります。心をオープンする「音」とは? なぜか感動する「メロディー」とは? それこそが魂に直接アクセスしている「音」です。どんな楽器も声も、風や鳥の鳴き声と同じ「自然の要素」です。残念ながら西洋文化が台頭している中では、あらゆる物が飽和状態を超えていて、その「音」に対する感覚が鈍くなっています。インナーネイチャー、自分が自然や地球と繋がっている感覚を取り戻さなければならないのです。地球の声に耳を傾ける事が出来なくなっている私たちに「戻っておいで」と語りかけてくる「音」。それを私は皆さんにお伝えしたいのです。
そこで今回のアルバム “I Hear You, Mother Earth” では、様々なアプローチで録音しました。皆さんが慣れ親しんでいる音楽とは違う音楽にも触れて親近感を感じ、サウンドメディテーションを経験できるよう制作しました。曲によってそれぞれの楽器が、水、星、風、地球の鼓動を表し、聴く人の心の目覚めを促したいのです。
Q – 自然の音。だからこそ、バリのウブドに拠点を置いているんですね。
Shervin – そうなんです、ウブドはスペシャルな場所なんです。ここでは、何というか、ヒーリングバイブレーションが沸き上がっているのです。自然への尊敬の念が強く、非物質的な体験を大事にしています。物が飽和している生活の中で、スピリチュアルな次元なしでは人生が不完全であるという事に気づいた人たちが、世界中からやってきています。そんなエネルギー溢れるバリ独特の楽器やチャントも、今回のアルバムに取り入れました。また、イギリス人プロデューサーのリックのお陰で、世界中の自然や環境の臨場感を感じる音をブレンドする事が出来ました。そして、重ね合わせた複雑な音ではなく、なるべくシンプルに、人工でなく「生きている音」を重視して作りました。
Q – お話を伺っていると、まさに、人と人が直接触れ合えないような今だからこそ、必要な音楽のようですね。
Shervin – そうなんです、このコロナカオスで、我々アーティストは物の見方を転換しなくてはならないと知らされました。エンターテイメント的な要素はもちろん大事ですが、パーティーのような楽しい時間が終わった後、楽しいだけで日々は送れません。そうでない時の音楽とは? 人々が生きてゆく助けになる音楽とは? 実は、このアルバム制作にあたり沢山の問題が立ちはだかり、完成しないのではと思っていたのです。というのも、エンターテイメント的な音楽でないと今の音楽業界では興味を持ってもらえず、人を説得して少しずつ進んでゆく歩みでした。そして、2年半かけて、やっと出来上がりました。でも今思うと、このタイミングになるよう運命付けられていたようです。
Q – ここのところ「想定外」な事態が世界中で起こっています。人びとを不安にさせる状況ではありますが、同時に忘れていた大事な事への気気付き、学ぶ事がありますね。
Shervin – はい。裸足で歩いていた大地から遠くかけ離れてしまった人類への、母なる大地からのメッセージではないでしょうか。特に「感受性の強い人達」が、この変化を敏感に重く受け止めています。「感受性の強い人達」が微妙な感情を表現する言語を芸術として作り出し、様々な変化に適応しながら人として生きてゆく術を編み出しています。彼らこそ、自然と繋がりながら人間性を保ってゆくための将来へのキーパーソンなのです。我々アーティストが、この「感受性の強い人達」を守り、代弁者となっていかないといけないのです。その使命感から出来上がったのが、このアルバムです。もちろん、このコロナカオスは望ましい事態ではありません。ですが、逆に「望み」を見出しました。人間性を取り戻すチャンスを頂いている、と。今一度、テクノロジーの進化、欲を満たす利便性ばかり追求して、自然と離れてゆく現状に気づかなければなりません。地球の歌声に耳を傾ける時なのです。
Q – その考えを広く伝えてゆくための、具体的な今後の計画はありますか?
Shervin – 11月6日に、私が教鞭をとっている大学でのオンライン講演を近々予定していますが、コロナの影響で海外でのライブや講演は難しいのが現状です。可能になればすぐにでも日本へ行きたいです! 世界中でツアーをし、共感して下さる人達と繋がり、ニューアルバム “I Hear You, Mother Earth” を通じて、この「再び地球と繋がる」というムーブメントを広げてゆきたいと思っています。また、エンターテイメントと対等するほどこの種の音楽が人々にとって必要だという事を知ってもらうのが、私のゴールです。
Q – 日本でお会いできる事を楽しみにしています、貴重なお話をありがとうございました!
Shervin – こちらこそ、ありがとうございます! 沢山の祝福があなたに訪れますように。

聞き手:中脇雅裕 (Head of Holos Music) 
訳:宇井かおり
シャービン・ボロリアンShervin Boloorian「I Hear You,Mother Earth」
シャービン・ボロリアン プロフィール
世界的トップサウンドヒーラー
Shervin Boloorianは、バリにおけるサウンドヒーリングの創立者。Tama-Doアカデミーの卒業生であり、音と色を扱うセラピスト。
ワシントンDCで中東との外交、平和の安全、核軍縮や、国際的な米イラン平和キャンペーンに取り組み、多くの記事を発表し、その後、サウンドヒーラーとなり、バリに移り、バリ・サウンドヒーラーズ・コレクティブ(治療者のための世界初のコミュニティ)を創立。
バリ島のトップ5のヒーラーにも選ばれています。

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