【リフの惑星 インタビュー】
やりたいことをやっていれば
それがジャンルになる
自分らがいないところでも
踊ってくれる曲を書きたい
昨年の5月から12カ月連続で配信シングルをリリースしてきましたけど、何を自分たちに課したんですか?
緒方
昨年の頭は4人で活動できるようになってきたところで、バンドとして何かひとつ打ちたいと思って。YouTubeに動画をアップするとか、今の時代はいろいろやり方あると思うんですけど、やっぱバンドだから曲を作りてぇなと思って。何かを課さないとバンドって動いていかないし、自分たちは自主でやってるんで、自分を駆り立てるためにも何か目標がないとダメだと思ったから、12カ月連続で曲をリリースして、MV作るというのをやろうと思ったんです。
今回のアルバム『odds and ends』にはその12曲に新曲2曲を加えたトータル14曲が収録されています。ところで「ratatat」のAメロはThe Kinksの「You Really Got Me」をかなり大胆に引用してますね。
緒方
コードはギリギリ違うのでいいかなと(笑)。それに今、ライヴで重要な位置を占める曲にもなってきていて。最初はBOOM BOOM SATELLITES的な大きいリフのダンスミュージックっていうイメージがあって、とりあえず出てきたリフがあれだったんです。で、ネタを持って行ったら意外なことにギターが食いついてきてくれて。
曲の構成要素の中でも、やはりリフに魅了されている?
緒方
ギターの音がでかいのが好きなので。それこそTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT、BLANKEY JET CITYから入ってるっていうのもあって、その辺はずっとありますね。ミッシェルも“まんまThee Headcoatsじゃん”って曲があったり、the pillowsも好きで“これ、まんまじゃん”っていう曲を聴いてたから、自分の好きなものや“これ、カッコ良いじゃん”って表明することはダサいことではないとずっと思ってますね。
ところで歌詞の主人公は“boy”なんですか? その名の通りの曲もありますが。
緒方
技巧的な歌詞が書ければいいんですけど、一番思ってるのは高校時代の自分が聴いていいと思える歌詞。その頃から変われてない、変わってないっていうのもあるんですけど、主人公は全部一緒だし、ずっとそうなのかもしれないです。
「what's going on」の歌詞は《愛をあとどれぐらい失えば世界が変わるのか》など、切実でもあり厭世的でもあり。そういう感情と踊れるロックって、特にUKロックの流れには常にある気がします。
緒方
そうですね。曲もただ騒いでハッピーで終わるというより、全然楽しくないからこそ踊るっていうか…そういうのはあるかも。このバンド始めるにあたって映画『さらば青春の光』を観た時、The Whoを聴いて踊ってるシーンを観て“これやりたいな”と思ったんで。自分らが演奏して踊ってくれてるのももちろん嬉しいんですけど、自分らがいないところで曲がかかって、踊ったり騒いだりしてくれる曲を書きてぇなと。このバンド始める時、そういうことは思いましたね。
トレンドに関係なく、カッコ良いバンドに素直に影響を受けて自分で消化する?
緒方
わりと同世代のバンドはそういうのが多いかな? ネバヤンしかり、Yogee New WavesもSuchmosも全体的には好きな音楽をバーンって出すバンドが多いかなと。結局、バンドを続けてるとそこに収束していくと思いますね。
取材:石角友香
・・・
アルバム『odds and ends』2020年11月11日発売
デススターレコード
リフノワクセイ:元the ogtzの緒方とThe SALOVERSの小林を中心に2016年秋に結成された、UKロックの影響を色濃く感じさせる4人組ダンスロックバンド。17年2月にリリースしたEP『sampler EP』をTOWER RECORDS新宿店・オンライン限定で発売し好セールスを記録。20年11月に1stアルバム『odds and ends』、21年7月にEPシリーズ『sampler EP III』を発表。リフの惑星 オフィシャルTwitter
「sixteen」MV
「toxic」MV
「fanfare」MV
「heavy」MV