写真上段から時計回り、戸田源一郎(Ba&Cho)、カニユウヤ(Gu)、大武茜一郎(Vo&Gu)、岩本斗尉(Dr)

写真上段から時計回り、戸田源一郎(Ba&Cho)、カニユウヤ(Gu)、大武茜一郎(Vo&Gu)、岩本斗尉(Dr)

【突然少年 インタビュー】
この4人での演奏を
逃したくないと思うようになった

まったく同じ歌詞でも
意味合いが変わって見えた

2月に新代田FEVERで行なったワンマンライヴの時点ではトーイさんはサポートで参加していましたが、いつも4人それぞれの気持ちを爆発させていた突然少年が、その日は4人で爆発させている感じがしました。

大武
そうですね。前は各々の“俺はこれがやりたい”“俺はこう思ってる”っていう点が4つあってつながっている感じだったんですけど、今はひとつの球になっていて、それを磨いているところです。

あと、今作ではトーイさんと他メンバーの3人がお互いを感化しあっているのも伝わってくるというか。個人的には特に「100年後」を聴いてそれを感じたんですけど、ご自身ではどうですか?

戸田
感化されてましたね。「100年後」は3月に草津のサービスエリアでお笑い芸人のミルクボーイに偶然会って、そのおふたりの誠実さと佇まいに感動をしたっていうのもあってできた曲なんです。目の鋭さとか、まったく隙がないというか、すごく厳しい世界で戦っているのが伝わってきて、僕らももっとやれることがあるんじゃないかって。それで《スベって転んだ芸人の 飛び散る汗が目に染みる/数年後には必ず取り返しにやってくる》って歌詞ができました。トーイと初めて作った曲は「伝えられなかったこと」なので、個人的にはレコーディング中もこの曲をプレイしながらトーイとの出会いから今までの時間の流れを感じましたね。
岩本
僕は「台風一過」です。この曲を作っている時もそうだし、みんなの演奏を聴きながら、自分の中にないものがあるバンドなんだってことを感じた曲なので印象に残ってます。決してすごく激しい曲ってわけではないんですけど、アルバムに入った時の存在感とか、ドカーン!って入ってくる感じがするんです。
大武
「アンラッキーヤングメン」はもともと“ブランクマン”っていうタイトルの曲で、5年前くらいから存在はしてた曲なんですけど、しばらくやってなかったんです。でも、配信ライヴをやるようになったタイミングで久しぶりにやってみたら、当時作った時の歌詞のままなのに全然違う感じがしたんですよ。この曲を作った時は自分の普段の生活やスタジオ練習、ライヴやバイトとか、そこから一生抜け出せない八方塞がりな感じがしてて。でも、トーイとの4人でこの曲をやることによって、まったく同じ歌詞でも僕の中では意味合いが変わって見えていて、今はもうちょっと“明日どこに行こうか?”って肯定的になれているので曲名も変えて収録しました。今までは知らなかった体験でしたね。

トーイさんのドラムは曲の運び方がすごくワクワクしますよね。

大武
それもありますね曲ってメンバーとアレンジを詰めていってようやく完成すると思うんですけど、それでもライヴをやっていくとその日その日で演奏が違っていて。“この4人でのリアルタイムの演奏を逃したくない”って思うようになりました。
戸田
「ボール」のMVを撮ってくれた中村佳代さんにも、“今まではナヨナヨしてる突然少年だったけど、トーイが入ってから男っぽくなったよね”って言われたんですよね。そこで初めて客観的に見た今の突然少年の像が変わってきてるって痛感しました。

昨年のドラム募集の時からより気が引き締まったっていうのもあったんですかね?

戸田
そうですね。いろんな人と出会って僕らも男になったんですかね?(笑)
岩本
僕自身も思ってたんですけど、いきなり音楽だけでつながる人間がいると、やっぱり友達とは何かが違うんですよね。
大武
確かに。ドラマーを募集しながらスタジオに入ってた日々を振り返ると、基本的にはスタジオで初めて会って、“じゃあ、やりましょう”って一緒に演奏して、その1〜2時間のスタジオでドラマーの人も自分たちも自分が何なのかっていうのを伝えようとしてたので、それが男らしさというか(笑)、己を見せるみたいな自信につながったのかもしれないですね。
戸田
ドラマーの方も自分を見せに来てるわけで、それに対して僕らも返さないとって必死にさせてくれる人ばっかりだったのは一番感謝しないといけないところかもしれないですね。育ててもらった感じがあるというか。あんな8畳くらいの狭い空間で汗だくになってね(笑)。

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

新着