【ORESAMA インタビュー】
テーマが通じ合いつつも
真逆の2曲を詰め込むことができた
ニューシングル「Gimmme!」はアニメ『魔王城でおやすみ』ED主題歌で、睡眠をテーマにORESAMAらしいポップな楽曲に仕上がった。また、カップリング曲「夜行ノ雨」は眠れない夜をテーマとした、表現力豊かなぽんのヴォーカルが聴きどころのバラードに。ORESAMAの魅力の両極が詰まった一枚について、ふたりが語ってくれる。
「Gimmme!」は世界観を
「夜行ノ雨」は歌を楽しんでもらう
「Gimmme!」はアニメ『魔王城でおやすみ』ED主題歌ですが、“貪欲”を意味する“Gimme”の“m”が一個多くないですか?
ぽん
そうなんですよ。アニメ『魔王城でおやすみ』は睡眠を巡るファンタジーコメディーで、主人公のスヤリス姫は可愛くて愛くるしいのにすごく破天荒というか…魔王城の中のモンスターまで倒してしまうんです。それも全てより良い睡眠のためなんですね。原作を読んで“なんて睡眠に対して貪欲な子なんだ!?”と驚き(笑)、その感覚を文字面でも表現したくて。
そんな「Gimmme!」はファンキーでポップなサウンドが、実にORESAMAらしいですね。
ぽん
ED主題歌だけど、最後まで楽しんでもらうぞ!って(笑)。物語的には毎話のゴールが明確で、それは“眠りの質を高める”ということなんです。その分かりやすさに、私もストレートな歌詞を書きたいと。眠りたいという気持ちは人類共通だと思ったので、その気持ちをギュッと詰め込みました。あと、歌詞が重くなりすぎないように、軽やかに進んでいける言葉選びをしました。
トラックにはオルゴールの音も入っていて、オルゴールは子守歌的なイメージがあるので、睡眠というテーマともぴったりだなと。
小島
眠りにまつわる音として真っ先に浮かんだのがオルゴールの音で、ファンタジーっぽさも感じてもらえると思って取り入れました。でも、オルゴールの音を使っているのはフルコーラスだけなんです。もともとアニメ制作側からは“賑やかで明るく、レトロなテイストのある楽曲”というリクエストがあって。それで、まるで夢の世界で繰り広げられているような音楽にしたいと思って、ORESAMAの音楽性にドタバタ感やキュートさを取り入れるかたちで、まずはアニメで流れるワンコーラス分を作ったんです。で、それをシングルに収録するフル尺に広げる際に、オルゴールの音を加えて再構築しました。
2番で展開が変わるのも楽しいですね。
小島
そもそも夢ってシーンがせわしくなく変わっていくじゃないですか。それに起伏がある展開はJ-POPの特徴だし、魅力でもあると思うので、起伏をより強調しました。
ぽん
デモを聴いた時はすごく好きなメロディーだし、“こうくるんだ!?”みたいなワクワクもあって、言葉のハマりを考えながら歌詞を書くのが楽しかったです。
ジャケットのイラストも可愛くて。小島さんはジャケットみたいに家ではガウンを?
小島
さすがにガウンは…でも、今日から着ようかな(笑)。
そして、もう1曲の「夜行ノ雨」は「Gimmme!」とは真逆のバラード曲ですが、こういうタイプのバラードはこれまでにもありました?
小島
実は意外とあるんです。スローテンポの曲を作るのも結構好きで、趣味の時間に作ってストックしていて。「Gimmme!」は世界観を楽しんでもらえるのに対して、「夜行ノ雨」は歌をより楽しんでもらうというイメージで作りました。アレンジに関してはネオソウルギターなど、ネオソウルのジャンルがSNS周りで流行っていて、それをよく聴いていたので、自分でもこういう感じで作りたいと思って。
2番で歌と演奏がユニゾンになるところがあって、そこがすごくカッコ良いです。
小島
ありがとうございます。僕の中でライヴで一番気持ちの良い瞬間のひとつが、楽器隊がユニゾンで演奏をする時なんです。それはきっとヴォーカルとでも気持ち良いんじゃないかと。
ぽん
私が客席を向いて歌っている後ろで、バンドの4人が向かい合わせになって楽しそうに演奏している時がよくあるんですけど、私、実はちょっと寂しいんですよ(笑)。だから、ライヴでこの曲をやる時は私も混ぜてほしい!