ヒゲドライバー

ヒゲドライバー

【ヒゲドライバー インタビュー】
アニソンには
特有な要素があると思う

“いろいろあったなぁ”って
曲ごとに思う

デモテープを送っても最初から“うちでやりましょう!”という反応があるわけでもなく?

そうですね。地味に続けているうちにネットで反響がちょっとあったりして、“あっ、イケるかな?”と思いつつ、そのあとは特に何もなかったり、そこでお金が入るわけでもなく…。でも、そのあとでまたちょっと何かがあったりして、そういう地味な繰り返しがありつつ、なかなか止めることもできずっていう感じだったのかもしれないですね。

ヒゲさんがひとりで音楽を作り始めた頃はもうYouTubeはありました?

YouTubeやニコニコ動画が出るちょっと前に始めた感じですかね。

ボカロは?

ボカロはがっつりと世代ですね。周りはボカロPばっかりだし。

ちょうどひとりで音楽を作れる環境がさらに盛り上がってきて、それをネット民が楽しむというスタイルが出始めた頃に、ヒゲさんは本格的に音楽活動を始めたんですね?

そういう文化ができつつあった時ですね。

早くから自身の作る音楽には自信があったと言ってましたが、それをネット上で公開して少なからず反響があれば嬉しかったでしょうし、それはモチベーションにもなったのでしょうね。

それは大いにありましたね。ただ、そこではジレンマもあって。ネットではある程度の反響があったり、応援されたりもあるけど、それがお金にならないところもあったりもして、そこでの歯がゆさがずっと続いていました。

モチベーションはあるけれども、現実問題にぶち当たると。心が折れそうになる瞬間はなかったですか?

何度もありました(苦笑)。でも、なぜかここまで続けてこれてますね。

ご自身にとって、ここまで続ける上で一番の転機って何ですか?

「回レ!雪月花」ですね。これはヒゲドライバーの転機も転機だと思います。ここからアニソンのヒゲドライバーとして名前が知られるようになったし。

どういう経緯で「回レ!雪月花」を手掛けることになったんですか?

KADOKAWAさんから“こういうアニメ作品があるんだけど”みたいな感じでお話があって。

実際、これは冒頭でも申し上げましたが、「回レ!雪月花」は雑多で面白い楽曲に仕上がってますよね。その意味では、「回レ!雪月花」が1曲目に収められたコンピレーションアルバムがこうしてリリースされるというのは、私が申し上げるのも恐縮ですが、ヒゲさんにとって感慨深いものがあるんでしょうね。

本当に感慨深いです。“いろいろあったなぁ”って曲ごとに思います。いろいろ大変なこともありつつ、作れて良かったという気持ちもあるし。

アニソンの場合、作品の世界観に沿わなければならないとか、89.5秒に収めなくてはいけないとか、いろいろハードルが高いので、ご苦労はおありでしょうからね。

でも、楽しいですよ(笑)。

さすがです! そんな「回レ!雪月花」から始まって10数年間、ヒゲさんはアニソンを手がけてきたわけですけど、この10数年間での変化、変遷を感じるところはありますか?

このアルバムもそうなんですけど、だんだんメロディーを聴かせる曲を任せてもらえることが増えてきたなとは思います。バラードだったり、泣ける曲だったり。特にKADOKAWAさんは僕がメロディーにこだわって作っていることをしっかり分かっていただいているというか、そこを買っていただいているというか、『ひげこれ!』に収録された楽曲を見ていても、賑やか系からだんだんとしっとり系になっていくという。この曲順はほぼ発表順みたいな感じなんで、この流れを見てもそれは感じますね。

では、最後に今後のことを語っていただきたいんですが、メロディメーカーとしての側面が色濃く出た楽曲を作っていきたいということはひとつ言えそうですね。

そうですね。あとは、アニソンには引き続き関われたらいいなと思いつつ、自分の他の活動もいろいろやっていきたいと思っています。ソロ作品もそうですけど、ゲームを作りたい気持ちがあったり。過去に一回、フリーゲームを自分で作ったことがあるんですけど、今またゲームを作ってみたいと思っていて。アニソンだけじゃないヒゲドライバーをしっかりと出せていけたらいいなと思っています。

取材:帆苅智之

アルバム『ひげこれ!HIGE DRIVER BEST in KADOKAWA ANISON』2020年9月30日発売 株式会社KADOKAWA
    • ZMCZ-14221
    • ¥3,000(税抜)
ヒゲドライバー プロフィール

ヒゲドライバー:ピコピコ系ミュージシャン。キャッチーなメロディーを得意とし、多くのアニソンやゲーソンを世に送り出している。最近ではジャニーズの曲から、プロレスラーの入場曲まで、幅広く楽曲を提供中。今後は自身での活動も増えていく予定。代表作はTVアニメ「機巧少女は傷つかない」 エンディングテーマ「回レ! 雪月花」「Re:ゼロから始める異世界生活」後期エンディングテーマ「Stay Alive」等。ヒゲドライバー オフィシャルHP

『ひげこれ!HIGE DRIVER BEST
in KADOKAWA ANISON』試聴動画

OKMusic編集部

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