【杏沙子 ライヴレポート】
『ONLINEライヴ「フェルマータ、
ストーリー ~21分の12~」』
2020年9月26日 at 配信ライヴ
3月に予定していたワンマン公演が延期となり、オンラインでの配信ライヴへと切り替えた杏沙子。本人曰く、最初は本当に悔しくて悲しくて、やりきれない気持ちになったようだが、いざライヴをするとなれば、そんな気持ちは一切見せたくないからこそ、気持ちを切り替えたと話す。形式は変われど、ファンへ音楽を届けるということには変わりない。今回の『フェルマータ、ストーリー ~21分の12~』は、いつもとは状況が違うからこそ、できることをしようという彼女の力強い想いが詰め込まれたライヴとなった。
スタンバイの時間から青色のドアが目の前に現れ、奥で楽器の調整が行なわれている。この時点で、生でのライヴと同じようなワクワク感を感じさせてくれる演出はさすが。そして、ドアが開いた瞬間から、バンドメンバーに囲まれるように立つ彼女が、本当に嬉しそうに、楽しそうにオープニングナンバー「ジェットコースター」を歌い始めたのだ。チカチカと点滅する照明の中、飛び跳ねながら、カメラに手を伸ばしながら、まるで画面の外の私たちが見えているように、すごく近く感じさせてくれる。投げキッスまで飛び出した「Look At Me! !」で一気にテンションを上げると、すでにこのライヴでの感覚を理解したような彼女は、何かを企むかのような笑顔でタイトル通り“私を見て!”と言わんばかりの表情と歌声を聴かせる。一転、伸びやかな歌声で、まるで話しかけるように歌う「アップルティー」では気持ちの揺れを繊細に、詳細に言葉にして歌ってくれるからこそ、聴き手にその物語がすっと伝わってきてとても気持ちが良い。
本公演はこれまでリリースした2枚のアルバム『フェルマータ』『ノーメイク、ストーリー』の中から、投票を募り、上位12曲を歌うというスペシャルライヴとなっている。この企画を成功させ、“正真正銘、みんなと一緒に作るライヴができて本当に嬉しいです!”と伝えると、カラフルなライトに包まれて「着ぐるみ」「クレンジング」を歌唱。静かに感情を爆発させていくような楽曲は、とても人間らしくて、楽曲に彼女らしさが詰まっていて面白い。また、感情の起伏が手に取るように伝わってくるのも素晴らしい。こんなにも表情が分かるのは配信ライヴならではだろう。ゼロ距離ですぐ彼女の表情を堪能できるからこそ、より曲の奥にある世界に触れることができる。
そして、ランキングに入っているとは思わなかったと話しながら始まった今回の12曲の中で一番古い曲という「おやすみ」。“ずっと前から応援してくれている方、最近つながってくれた方も含めて同じ曲を愛してくれると思うとすごく嬉しかった”と感謝を述べ歌いだしたこの曲は、普遍的なラブソング。“最近は大切だからこそ会わないという選択をすることもあるからこそ、ちゃんと言葉で“大好きだよ”って伝えていきたいなってすごく思っています”と話しながら、想いを込めてしっかりと歌い上げていた。
今の自分を素直に表現してもいいんだと思ったと『ノーメイク、ストーリー』のインタビューの時に語っていた「見る目ないなぁ」「とっとりのうた」になると、嘘のない言葉たちだからこそ、よりすんなりと心の中に入り込んでくる。特に「とっとりのうた」で彼女が弾いた鍵盤ハーモニカの音色もとても美しく、音に沈んでいく感覚がとても気持ち良く感じられるパフォーマンスだった。
“悔しいこと、悲しいこと、いろいろ目についてしまいますが、こうなったからこそ気づけたこと、発見に目を向けていきたいなと思います。たくさん降る雨の中でも晴れ間や太陽を見つけて笑っていきたいと思っています。天気雨みたいに笑っていきたいです”と話し、“一緒に歌おう!”というかけ声で始まったのが「天気雨の中の私たち」。音に合わせて体を揺らし、楽しそうに歌いながら、続く「ファーストフライト」ではキャッチーなメロディーに聴いているこちらも心が弾む。彼女が生み出す楽曲の素晴らしさはこういったところだろう。聴き手も思わず笑顔になってしまう、そんなパワーに溢れた歌声に浸っていると、ラストにはさらにその気持ちを盛り上げてくれる「こっちがいい」を聴かせて終演。終わったあとも配信は続き、ボソッと呟いた“アドレナリンがすげぇぞ”という言葉に思わず吹き出してしまった。愛らしくて、放っておけなくて、親しみにあふれていて。そんな彼女の全てが堪能できる、とても素敵な時間だった。
スタンバイの時間から青色のドアが目の前に現れ、奥で楽器の調整が行なわれている。この時点で、生でのライヴと同じようなワクワク感を感じさせてくれる演出はさすが。そして、ドアが開いた瞬間から、バンドメンバーに囲まれるように立つ彼女が、本当に嬉しそうに、楽しそうにオープニングナンバー「ジェットコースター」を歌い始めたのだ。チカチカと点滅する照明の中、飛び跳ねながら、カメラに手を伸ばしながら、まるで画面の外の私たちが見えているように、すごく近く感じさせてくれる。投げキッスまで飛び出した「Look At Me! !」で一気にテンションを上げると、すでにこのライヴでの感覚を理解したような彼女は、何かを企むかのような笑顔でタイトル通り“私を見て!”と言わんばかりの表情と歌声を聴かせる。一転、伸びやかな歌声で、まるで話しかけるように歌う「アップルティー」では気持ちの揺れを繊細に、詳細に言葉にして歌ってくれるからこそ、聴き手にその物語がすっと伝わってきてとても気持ちが良い。
本公演はこれまでリリースした2枚のアルバム『フェルマータ』『ノーメイク、ストーリー』の中から、投票を募り、上位12曲を歌うというスペシャルライヴとなっている。この企画を成功させ、“正真正銘、みんなと一緒に作るライヴができて本当に嬉しいです!”と伝えると、カラフルなライトに包まれて「着ぐるみ」「クレンジング」を歌唱。静かに感情を爆発させていくような楽曲は、とても人間らしくて、楽曲に彼女らしさが詰まっていて面白い。また、感情の起伏が手に取るように伝わってくるのも素晴らしい。こんなにも表情が分かるのは配信ライヴならではだろう。ゼロ距離ですぐ彼女の表情を堪能できるからこそ、より曲の奥にある世界に触れることができる。
そして、ランキングに入っているとは思わなかったと話しながら始まった今回の12曲の中で一番古い曲という「おやすみ」。“ずっと前から応援してくれている方、最近つながってくれた方も含めて同じ曲を愛してくれると思うとすごく嬉しかった”と感謝を述べ歌いだしたこの曲は、普遍的なラブソング。“最近は大切だからこそ会わないという選択をすることもあるからこそ、ちゃんと言葉で“大好きだよ”って伝えていきたいなってすごく思っています”と話しながら、想いを込めてしっかりと歌い上げていた。
今の自分を素直に表現してもいいんだと思ったと『ノーメイク、ストーリー』のインタビューの時に語っていた「見る目ないなぁ」「とっとりのうた」になると、嘘のない言葉たちだからこそ、よりすんなりと心の中に入り込んでくる。特に「とっとりのうた」で彼女が弾いた鍵盤ハーモニカの音色もとても美しく、音に沈んでいく感覚がとても気持ち良く感じられるパフォーマンスだった。
“悔しいこと、悲しいこと、いろいろ目についてしまいますが、こうなったからこそ気づけたこと、発見に目を向けていきたいなと思います。たくさん降る雨の中でも晴れ間や太陽を見つけて笑っていきたいと思っています。天気雨みたいに笑っていきたいです”と話し、“一緒に歌おう!”というかけ声で始まったのが「天気雨の中の私たち」。音に合わせて体を揺らし、楽しそうに歌いながら、続く「ファーストフライト」ではキャッチーなメロディーに聴いているこちらも心が弾む。彼女が生み出す楽曲の素晴らしさはこういったところだろう。聴き手も思わず笑顔になってしまう、そんなパワーに溢れた歌声に浸っていると、ラストにはさらにその気持ちを盛り上げてくれる「こっちがいい」を聴かせて終演。終わったあとも配信は続き、ボソッと呟いた“アドレナリンがすげぇぞ”という言葉に思わず吹き出してしまった。愛らしくて、放っておけなくて、親しみにあふれていて。そんな彼女の全てが堪能できる、とても素敵な時間だった。
撮影:小野洋平/取材:吉田可奈